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東大在学中にスタートアップをファーストキャリアに選んだお話

初めまして、株式会社GraciaでCRMマネージャーをやっている川舩です。

僕は2019年に人生で一番とも言えるくらい大きな意思決定をしました。
それは自分のファーストキャリアとしてスタートアップを選択するという意思決定をすることです。

このnoteは僕がなぜファーストキャリアとしてスタートアップを選択する意思決定をしたのかを、自分の人生の記録として残すと共に、僕と同じ選択肢で悩んでいる人の参考になれば良いなと思い書いています。

※初めてのnoteでテーマもテーマなので写真も少なく面白みも少ないですが、ご容赦くださいませ。

Graciaとの出会い

はじめに、僕の自己紹介とGraciaとの出会いについて書きたいと思います。

僕は今東京大学に通っている三年生(22)で、一年留年しているので大学は四年目になります。
まず、大学一年生の頃は株式会社Candleという会社で、インターン生として四ヶ月ほど働いておりました。後ほど細かく記載しますが、その時の上司が僕が現在勤めている会社のCEOです。一年生のころはTNKに所属していたり、色んなイベントに参加したり、学生起業へのモチベーションが異様に高く、学生起業に向けた活動を色々していました
ただ、そういった活動を中心に生活している中で、「今(学生のうちに)しかできないこと」はプライベートを全て未来への先行投資に捧げることなのか、という疑問が自分の中で徐々に浮上してきました。結局僕は、「今(学生のうちに)しかできないこと」は遊ぶこと、正確には「今(学生のうちに)しかできないこと」のうち、今一番自分がしたいことはとにかく遊ぶことだな、と思い学生起業に向けた活動を辞めました。起業したいという気持ちがなくなったのではなく、学生起業への関心が薄くなった、という感じです。

そこから2,3年間はひたすら遊んでました。サークル活動や、飲み会中心の日々を送り、気付けば留年し、一年遅れて三年生になりました。そしてあっという間に就職について考える時期になっていました。

その時にはもう学生起業をしたいという気持ちはなくなっていたので、大手の大企業に勤めてスキルを身につけてセカンドキャリアで自分の事業を立ち上げようと考えていました。なので、その時は自分がスタートアップに就職するとは夢にも思わなかったし、するつもりも全くなかったです。

ちょうどその時期に先述のCandle時代、直属の上長だった斎藤さん(Gracia現CEO)と二人で飲む機会があり、就活の相談をしている流れでインターン生としてGraciaに関わることになりました。(スタートアップに就職するつもりは全くなかったが、就活に向けて長期インターンをしたいという気持ちはあった。)

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(↑女子大生を誘う感覚で大社長を誘う僕。)

今思うとかなり生意気な後輩なのですが、Graciaに就職するつもりはないという気持ちは直接伝えていました。それくらい僕の中でスタートアップに就職するという選択肢は無かったです。

入社するまでの気持ちの変化

Graciaにインターン生として関わり始めたのが2019年の3月で、僕が正社員として正式に入社したのが10月なのですが、8月の後半まで「スタートアップに入社するつもりはない」という考えは変わりませんでした。

そんな中で、僕が入社を1つの選択肢として考え始めた大きなきっかけは8月に行われた資金調達です。この資金調達は、GraciaがIPOを目指して動き始める第一歩としての役割を果たしていました。

資金調達に関する細かいお話はこちらから。

「Graciaが上場を目指すことにした」というわけではなく、「Graciaが上場に向けて動き出した」というニュアンスの方が正しくて、ここでGraciaが今まで自分が考えていたスタートアップとは少し違うな、という実感を得ました。

それまで僕が見てきたスタートアップはm&aまで辿り着ければ大成功、という印象が強く、それは当時考えていた学生起業の概念とあまり変わりませんでした。

しかし、Graciaが正式にIPOに向けて動き始めたことで、それまでは自分がインターン生としてマーケティングスキルやマネジメントスキルを身につける場としてしか考えていなかったGraciaに、「上場まで関わりたい」、なんなら「自分が上場まで引っ張っていきたい」という考えが芽生え始めました。上場まで1つの事業に携わるという経験は大手に就職して数年働いて身につけられるスキルよりも明らかに大きいという確信がありました。

ただ、自分の中で数年間描いてきた人生のルートを修正するのにはそこそこ時間がかかるもので、Graciaに入社する理由を考えては大手に就職する理由で搔き消すことの繰り返しでした。

自分がスタートアップに就職する意思決定をするにあたって抱えていた悩みと、それらの悩みをどうやって解決したかについてこの章では書きたいと思います。

・「大手に就職」→「独立して起業」が王道ルートだと思っていた。

学生起業以外で自分の事業を立ち上げようと考えたときに、じげんの平尾さんやミラティブの赤川さんなどの、一度大手に就職してから独立して起業するというルートが王道だと考えていました。このルートの方が、確実にスキルが身につけられる気がするし、何より先例が多いのでイメージが湧きやすかったです。

ただ、広く見ればそんなことはなくて、zozoの前澤さんなどは例外だし、自分にとって都合の良い先例だけを見ていたなぁ、と今では思います。(例として挙げた個人名に特に深い意味はないです。)

自分の中でこの課題を乗り越える大きなきっかけとなったのは、就活をしていくにつれて、どんな企業でも就職してから一人で大きなプロジェクトを持つためには早くて4-5年の時間がかかるということを知ったことです。(マッキンゼーなど一部企業は例外だと思うが、それは大手の中でもごく一部の会社、人に過ぎないし、色んな面で皮算用だけはしたくなかった。)
こと自分の場合に置き換えると、自分は現在三年生なわけで、仮に大手に内定が決まったとしても就職するのは一年半も先で、独立するためのスキルを身につけられる環境に身を置くまで最低でも6-7年とういう時間がかかるという点は自分の人生設計から下ろしてきたときに、あまり現実的ではなかったです。

また、色々この課題について考えていくに連れて、自分が常に守りの姿勢で考えていたことに気が付きました。

結局自分が進む道は一本なのに「マジョリティであること」を大きな判断材料にしているのはただの気休めでしかなかったということに気付き、僕は「Graciaを上場まで導いていった」という経験を土台に自分の事業を立ち上げようという意思決定をしました。

・大手に就職すれば「ドロップアウト」する確率が低い。

ここの懸念点が理由で大手を選ぶ人が多いと個人的には考えているのですが、大手はほぼ潰れることはないし、年功序列でポジションは一定保証されているから、「万が一」があっても安泰だ、という考えが僕にもありました。(スタートアップに就職することを親に報告したときにも死ぬほど反対されたし、結構言われた。)

ただ、これは「ドロップアウト」の定義をどこに置くか次第で考えは変わると思っていて、僕は自分が身につけたいスキルを身につけられる環境から外れてしまうことが自分にとっての「ドロップアウト」だな、と思ってます。この定義で考えると、大企業、スタートアップかは実際関係なく、自分がどれくらい頑張って成果を出し、認められるか次第だという結論になりました。

結局自分自身の成長が企業の求めているところに達しなければ大企業であれスタートアップであれ「ドロップアウト」はするし、大企業を選ぶ理由にはならないな、と考えました。

また、「事業が失敗した時にどうしよう、、、」という悩みも多少なりともあったと思います。これについては、正直倒産したらしたでその時考えればいいや、と思いました。(そもそもセカンドキャリアで自分の事業を立ち上げようと思っていたからこの点はそんなに大きな悩みではなかった。)

少なくとも今Graciaが倒産するとは思わないし、たとえTANP(現在Graciaが運用しているギフトEC)が思うように伸びなくなっても、同じメンバーでまた違う事業を立ち上げるんだろうなぁ、と勝手に思ってます。

突如現れた新たな悩み

そんなこんなで、9月の前半には僕の中でGraciaに入社するという選択肢はかなり大きくなっていました。

しかし、ここで新たな悩みが浮上します。

今まで自分は大手の企業に勤めるという選択肢を「捨てて」、Graciaに入社するという姿勢でしたが、そもそも自分にGraciaを上場まで引っ張っていくなんてことができるのか、という悩みが浮上しました。

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「一体いつから『Graciaに入社したら自分がGraciaを引っ張れる』と錯覚していた?」...と。

入り口としてしか考えていなかった就職をもっと長い目で見るようになりました。

Graciaは間違いなく今後大きくなっていくし、今後どんどん優秀なメンバーがジョインしてくるであろう状況で、自分の成長が会社の成長についていけるかどうかが不安になりました。

これを確かめるために、9月から一ヶ月間死ぬ気でコミットし、どこまで自分がやれるのかを確かめようと思い、9月の一ヶ月死ぬ気でコミットしました。その結果なのか、僕はマネージャーになることができました。

ただ、マネージャーになったことも入社する1つの大きな判断材料の1つであることは間違い無いですが、9月、死ぬ気でコミットしても自分が今後Graciaを引っ張っていけるほど成長できるか否かに対する答えは全く出ませんでした。
マネージャーになることはゴールではないし、その先さらに成長できるのかどうかの答えはどう悩んでも出ませんでした。

そのときにインターン生としてGraciaにジョインして以来初めて斎藤さんと二人でお話をする機会がありました。

その際連れて行ったお店がこちら。人生で初めてザブトンを食べました。(Graciaは美味しいお肉をCEOに奢ってもらえるいい会社です。)

「そもそも自分がGraciaでバリューを発揮できるのか」、「自分のファーストキャリアとしてGraciaを選ぶのが正解なのか」。

斎藤さんは真摯に僕の悩みに向き合ってくれて、会社の代表としての意見と、一人の先輩としての意見を僕に話してくれました。

総合的に見たらフラットな助言だったけど、一つ一つの意見はフラットではなくて、言語化するのは難しいですが「シンプルにこの人に付いていきたいな」と思いました。(このnoteとはあんまり関係ないです。)
僕は割とプライドが高い方なので、こういう気持ちを抱いたのは人生で初めてで、驚きと同時に恵まれた環境にいるんだな、と実感しました。

斎藤さんと話して学んだのは、結局自分がどうしたいのか、そしてそれに向かってどれくらい頑張るのか、その覚悟次第だということです。
自分がGraciaの成長についていけるのか、ではなくGraciaの成長についていく、Graciaを引っ張っていく気があるのかどうかだと。

悩みの先にあるのは解決ではなく、選択なのだな、と、そのとき初めて感じ、この悩みと真っ向から向き合うのは終わりにしました。
(よくよく考えたら「意思決定」という言葉にも別に悩みを解決して進む、という意味はなく、幾つもの選択肢の中から自分の「意思」を「決定」するという意味なわけで、そう考えるとなんだか単純なようで深いですね。)

そして僕は悩み続けながらもGraciaに入社することを決めました。

経験から得た学び(まとめ)

最初に述べたように、この意思決定は今後の自分の人生の中でもかなり大きな方の意思決定だと思います。

それは就活という人生の岐路に関わる意思決定であったことはもちろん、自分の考え方を根幹から変えるきっかけとなった意思決定だったからです。

スポーツ、音楽、学生団体、遊び。

学生生活色んなことに挑戦してきましたが、今考えるとどれも失敗したときのロスが小さい選択をしてきたように感じます。

でも今は、リスクが伴わないものに大きな見返りはない、そう思います。(使い古された言葉すぎてだせぇですが、初めて自分の言葉で言えるような気がします。)

意思決定に大事なのはリスクの大小ではなく、自分がやりたいか、リスクを加味した上でもやれるのかどうか、だと今は思います。

意思決定のその後&現在

正社員として入社して三ヶ月が経ちますが、結局Graciaに入社した意思決定が正しかったのかは今でもわかりません。正解なんてないのかもしれないです。

ただ、少なくとも今、Graciaに正社員として関われている生活はすごく楽しいし、会社と共に大きな夢を描き、それに向かって頑張るのが僕の生活の中心になっています。

2020年はとにかく自分の意思決定が正しかったと証明できるような年にしたいです。

会社の成長はもちろん、自分がGraciaを引っ張っていける「最強」な人材になりたいです。

あ、あと痩せたい。

そのためには日々悩んでは選択を繰り返し、それに向けて頑張っていきたいと思います。

ご精読ありがとうございました。

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