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生保数理 n年死亡確率について

<1つ目の公式の図>
<2つめの数式の図>

今回は生保数理から、$${n}$$年死亡確率の2通りの公式についてお話します。
この公式の意味が分からずっと考えていたところ、ふとした瞬間にハッと理解でき、点と点がズバババッと線になった感覚がありました。
かなりの爽快感で満たされましたので、ここに備忘録として残しておきます。

なお、本投稿は現在も勉強中の際の執筆となります。間違いなどございましたらご指摘いただけますと幸せます。
また、PowerPointで数式がうまく表示できなかった箇所もありますが、
(数式ではなく)図にフォーカスした説明としてご覧いただければと思います。

<表記>

$${n}$$年死亡確率は、記号では$${_nq_x}$$と表されるもので、
$${x}$$歳の人が向こう$${n}$$年間のうちに死亡する確率を示します。

それに対応して、
$${x}$$歳の人が向こう$${n}$$年間は生存する確率を示すのが$${n}$$年生存確率$${_np_x}$$です。

全確率を生きるか/死ぬかの2つで分けて考えていますので、
この2つの和は常に$${1}$$となります。($${_np_x+_nq_x=1}$$)
加えて、
$${p}$$や$${q}$$の前の添字$${n}$$は$${n=1}$$の場合は省略した形で$${p_x,q_x}$$と表します。

また、$${x}$$歳の人が向こう$${k}$$年間は生き続け、
その後$${1}$$年以内に死亡する確率を$${_{k|}q_x}$$と縦棒をつけて表します。

<1つ目の式>

まず1つ目の式の説明ですが、図の斜線部分はこのどこかで死亡する確率を示しています。
右辺$${\sum_{k=1}^n {_{k-1|}q_x}}$$は$${k}$$に順次$${1,2,3,...,n}$$を代入して書き下すと

$$
 {_{0|}q_x}+{_{1|}q_x}+{_{2|}q_x}+{\cdot}{\cdot}{\cdot}+{_{n-1|}q_x}
$$

となりますが、死ぬ期間はいずれも1年ということに注目すると各項はそれぞれ「〇年後に死亡する」という斜線部分を1年区切りで並べていることになります。

つまり、$${x}$$歳から$${x+n}$$歳という不定期な期間を、$${1}$$年ごとに区切って足し合わせたものと考えられます。

<1つ目の式の図。上側は左辺、下側は右辺のイメージで、斜線の間に死亡することを示す。下側について、各ブロックは書き下しの各項を表す。>

$$
_nq_x=\sum_{k=1}^n {_{k-1|}q_x}
$$

<2つ目の式>

続いて、2つ目の式ですがこちらは生存確率と死亡確率を掛け合わせた形になっています。

これもシグマ和を書き下すと、各項は「〇年生存し、そのあと1年以内に死亡する」と解釈できます。

2つ目の式の特徴は、生存確率と死亡確率を積で結ぶことで、いわば「条件付確率」のような扱いをしていることです。

よって、

$$
_nq_x=\sum_{k=1}^n {_{k-1}p_x{\cdot}q_{x+k-1}}
$$

となりますが、ブロックに注目すると1つ目の式と同じことを言っていることがわかります。


<2つめの式の図。白の部分はその間に生存、斜線はその間に死亡を示し、それぞれの行が各項を表す。>


以上、備忘録として死亡確率についてまとめました。
今後も修正、変更を行う場合があります。

ここまでご覧いただきまして、ありがとうございました。




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