南三陸には希望があった。
南三陸には希望があった。
こんなことを書くと、もしかしたら怒られるかもしれない。
でも、僕が今どうしても書きたいことは、
被災した際の絶望ではなく、南三陸の希望について、だ。
今回の南三陸にはBuzzCamp南三陸というイベントで行ってきた。
まず語り部バスはすごく新鮮だった。
今まで現地では聞いたことのない話ばかりだったからだ。
実は東日本大震災の被災地を訪れるのは、今回が初めてではない。
僕は大学3年生の時、東日本大震災があった。
その年の夏、陸前高田に行った。
名目はボランティアだけれど、何ができたでもない、
責任感だけ持って帰ってきた。
社会人になってからも、なんだかんだ、
陸前高田には何度か足を運んだものの、
帰って来る度、無力感だけが残った。
「自分には何ができるんだろうか。」
東日本大震災の被災地に行くと、
どこか震災についてはあえて語られない雰囲気があった。
どこか語るのをはばかられる、そんな雰囲気だった。
聞く方はもちろん聞きにくいのたけれど、
被災された方も口を重たげにしている。
そんな様子を疑問に持ち、質問すると、
「自分より、大変な経験をしてる人はたくさんいるので。」
一体どんな聞き方をしたのか、覚えていないが、本当に申し訳ないことを聞いた、という罪悪感を学生ながら、感じたことだけ覚えている。
それ以来、被災されたとたとえ言われても、
詳細な話は、されるまで聞くことはしなくなった。
話を今に戻そう。
写真は今回参加者の@_tuck4さんより(https://www.instagram.com/_tuck4/)
今回の語り部バスで、話されたことは例えば、ある小学校では、生徒や避難者全員が逃げ延びることができ、ある中学校では多くの命が救われたこと、など。
生徒がどこで倒れ、どこで助かり、先生が救助に向かい亡くなられ、避難し自分は助かりながらも流される人を見た気持ち、など。
こんな事、個人であれば、到底聞くことはできないし、聞いた話を何と伝えていいかもわからない。
でも、この話を聞くことで、
・「前年も安心だったから」という前例だけでなく、「緊急時に何ができるか見直す」。
・家族を亡くし1人生き残る罪悪感、だからこその家族を守る準備。
・仕事中に、どっちの判断が、誰かの命を守れるか。
ということを感じた。
僕ができることとして、小さな一歩だけれど早速、シェアハウス用に防災用品を買ったし、今回のブログを書こうと思った。
(語り部の話は、是非聞いてほしいし、時間が許す方はリアスアーク美術館もおすすめだ。僕は今回行かなかったが、被災された方の、物に対するコメントが書かれている。)
南三陸には希望がある。
被災したことを、ただ過去の出来事として完結されるだけでなく、
「では、今何ができるか」
という問いをくれた。
モヤモヤする気持ちをしっかり東京に持って帰れたと思う。
今回、宿泊した観洋ホテルの方々には大変お世話になった。
一人の客として行ったのだけれど、南三陸の美味しい料理がたくさんでてきた。
@nakamuran0901(https://twitter.com/nakamuran0901)
ウニ、アワビ、ホタテ、それはもうお腹がいっぱいになるほど食べた。
し、お腹がいっぱいになっても、おかみさんがどんどん出してくれた。
「いっぱい食べて、南三陸の体になってください」
従業員の高田さんはお腹いっぱいの僕にニコニコしながらおっしゃった。
ありがたく毎食お腹いっぱいになった。
おかみさんの取り組みの1つに、てんてんマップというのがある。
商店街は毎週末賑わいを取り戻し始めたものの、
引っ越すことなく、
事業を再開した個人の商店は、
再開したことすら、なかなか知られていない。
だから、まずホテルに泊まりに来た人から、個人の商店に足を運んでほしい、と点在する商店のマップ作りを、おかみさんが自費で始めた。
観光を目的に足を運んでほしい、と、どんどん街ができる。
リアス式海岸の豊かな海では、
豊富な海産物がとれるが、定置網や養殖筏が再興し始めた。
既に再開しているところも多々ある。
観光を目的に来てほしい、とシーカヤックなども始まった。
が、もともと盛んだった、ダイビングのお客さんはまだいない。
海に対してネガティブなイメージを持つ方もおられるだろう
けれど、ここがまた賑わってほしい、と願うばかりだ。
僕は、シーカヤックまでの
バスをガイドをしてくれた方の
言葉が忘れられない。
「来てくださってありがとうございます。私は皆さんの楽しそうな顔を見て嬉しいです。被災してから本当に多くのものを頂きました。恩返しをしたいのです。」
と。
僕が前回、東北に行ったとき、
感じたことは、無力感だった。
自分一人のちっぽけな行為では何も変えることはできないからだ。
個人で取り組んでも、いきなり大きくは変わらない。
それでも、それでも世の中が変わるのは個人の一歩なのだ。
(https://www.instagram.com/_tuck4/)
南三陸には希望があった。
情熱を持った、個々人こそがきっと、
世界を変えていく、と。
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