知的財産法のすゝめ

1.はじめに

 質問箱に知的財産法の勉強法を知りたいという質問が来たので、このノートを書くことにしました。一応僕は知的財産法の評価はAだったので、ある程度参考にはなるかなと思います。

2.知的財産法の特徴

  知的財産法は特許法と著作権法の2つの法律が出題されます。この2つは、全然違う法律なので、実質2科目分です。そのため、他の選択科目と比べて勉強量は比較的多いと思います。しかし覚えるべきことを覚えれば、法律構成の選択をミスることはほとんどないですし、あてはめも難しくないので、かなり安定する科目だと思います。
 また科目としては民法に近いと思います。基本的に請求を立てて、それに対する抗弁が認められるかを検討していくことになります。
他にも特に著作権法は条文操作が少し複雑で、そこは少し練習が必要になる部分かなと思います。

3.基礎の勉強

 私は、伊藤塾で基礎を勉強していました。独学でもなんとかなると思いますが、知的財産法は著作物性等の概念が少し難しいので、どこかしらの予備校を使うのがいいと思います。ちなみに使っていた教材は小泉直樹先生の「特許法・著作権法 」です。

 とても分かりやすく説明してくれますし、量も200ページと少ないのでおすすめです。しかし網羅性に少し欠けるので、本書だけだと不安かなと思います。私は、伊藤塾の講座が網羅性を補充してくれたので、本書だけで足りました。
もし今、独学でやるなら最近出た「LEGAL QUEST 知的財産法」を使うかなと思います。知的財産法特に著作権法は改正が頻繁にあるので、できる限り最新の教材を使うべきだと思います。

4.論文の勉強

 伊藤塾では論文の解説をあまりしてくれなかったので、自力でやりました。まだ予備試験の試験科目に選択科目が追加されたのはR4予備試験からであり、予備試験の過去問の蓄積がないことから、私は司法試験の過去問を解いて勉強しました。使っていた教材は「司法試験論文対策1冊だけで知的財産法: 特許法・著作権法」です。

本書には、過去問と再現答案、出題の趣旨、採点実感が載っているので、H23年くらまで過去問を解いて、あとはひたすら出題の趣旨、採点実感を読んでました。R4予備試験の問題も司法試験の過去問とほぼ同じ問題が1題出たので、司法試験の過去問を解くのは有効だと思います。
  また僕は時間がなくてできませんでしたが、「知的財産法演習ノート」もおすすめです。


5.判例学習について

  判例学習には「特許判例百選」、「著作権判例百選」を使うのが無難だと思います。

 もっとも判例学習は必須ではない気がします。僕はほとんど読んでません。ただR4予備試験では、判例を理解していないとキツイ問題が出たので、余裕があれば読むのがいいと思います。どっちかというと著作権法の方が判例学習は重要な気がします。



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