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変わらないもの、変わりたいもの

言葉遣いがおかしな部分もあるかもしれません。
その時はご指摘ください🙇‍♀️
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校門をくぐった瞬間、藤吉夏鈴の髪色に目を奪われた。昨日までは見慣れた黒髪だったはずなのに、今日は鮮やかな金髪。彼女は何事もなかったかのように、周りの視線を気にせず登校してきた。夏鈴の独特な存在感は、どこか冷たい空気をまといながらも、周囲を圧倒するものだった。

教室に入ると、すでに友人たちが集まっていた。

天:「え、夏鈴ちゃん、それどうしたん!?
       なんで急に金髪にしたん!?」

夏鈴は一瞬、視線を天に向けたが、特に表情を変えずに席に着く。

夏鈴:「気分。」

それだけ言って、何事もなかったようにノートを開く。
藤吉は昔から寡黙で、人との距離を保つようにしている。それが彼女のスタイルだったし、周囲もそれに慣れていた。しかし、今日の金髪はあまりに衝撃的だった。
特に同級生の田村保乃は、その髪色に驚きを隠せなかった。

保乃:「なんでそんな急に変わったん!?
          昨日まで普通やったやん!」

夏鈴:「ただ、やりたかっただけ。」

保乃:「ほんま謎すぎるわ~。でも似合っとるで!」

田村の関西弁でのコメントに、周りの空気が少し和む。
夏鈴も微かに微笑みを浮かべた。

そこに守屋麗奈が登場する。麗奈はいつも柔らかい雰囲気を持っていて、みんなを包み込むような存在だ。
彼女も夏鈴の金髪に目を丸くした。

麗奈:「夏鈴ちゃん、すごく大人っぽく見えるよ。」

夏鈴:「そう?」

麗奈の優しい言葉に、夏鈴も少しだけ気を許すように感じた。その場には居なかったが、先輩の渡邉理佐と小林由依の話題も出た。
特に理佐は夏鈴にとって特別な存在だ。

天:「理佐さん、絶対驚くで!」

夏鈴:「あの人は驚かんよ。」

そう言いながら、夏鈴はどこか寂しげな表情を浮かべた。渡邉理佐は、常に冷静で落ち着いている先輩で、藤吉にとって尊敬の対象でもあった。
金髪にした理由の一つに理佐に認められたいという思いがあったかもしれないが、それを口にすることはなかった。

授業が始まり、教室は静寂に包まれた。
だが、夏鈴の心の中は揺れ動いていた。

昼休み

昼休みになると、夏鈴はいつも通りに屋上へ向かった。風に吹かれながら、彼女は一人の時間を楽しむ。
すると、〇〇が近づいてきた。
彼は夏鈴とは別のクラスだがよく屋上で顔を合わせる。

〇〇:「似合ってるよ、金髪。」

夏鈴:「ありがとう。」

短く返す夏鈴だが、彼の言葉に心が少し温かくなるのを感じた。〇〇は夏鈴にとって特別な存在ではなかったが、彼の言葉はいつも彼女に届いていた。

〇〇:「なんで急に?昨日までは黒髪だったのに。」

夏鈴:「…変わりたかっただけ。」

〇〇はそれ以上何も言わず、ただ隣に立っていた。二人の間には言葉は少ないが、それが心地よい。
夏鈴にとって、この沈黙が安心できる瞬間だった。

放課後

放課後になると、夏鈴は再び金髪に視線を集めながら帰路についた。
途中、天と保乃、麗奈が一緒に帰ろうと誘う。

天:「なぁ、みんなでカフェ寄って帰らへん?」

保乃:「お!それええな!」

麗奈:「いいね、私も行きたい。」

夏鈴は少し考えたが、頷いて彼女たちと一緒にカフェに向かうことにした。カフェでは、金髪の理由について深く聞かれることもなく、ただ楽しい時間が過ぎていった。彼女たちの笑顔に囲まれ、夏鈴も少しだけ心を解放することができた。

その帰り道、夏鈴はふと考えた。

――「金髪にしたって、何も変わらないかもしれない。」

それでも、何かが少しずつ動き始めているのを感じていた。それは、彼女自身が知らぬ間に作り上げた壁を少しずつ壊していく兆しだったのかもしれない。

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