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君と見た秋の空

里奈は、いつもの朝を迎えていた。鏡の前で髪を整えながら、これから向かう大学の講義に思いを馳せる。彼女は決して派手な性格ではないが、どこか凛とした雰囲気を持っており、友人や周囲からの信頼も厚い。しかし、最近はどこか物足りなさを感じていた。毎日が同じように過ぎ去っていくような、そんな淡々とした日常の中で、里奈は何か新しいことを求めていた。

そんな彼女の日常に、ある日、突然の変化が訪れる。ある講義で、隣の席に座った青年〇〇。彼との出会いは何の前触れもなかった。〇〇は、決して目立つタイプではないが、その静かで落ち着いた雰囲気が、里奈の心に不思議な安らぎを与えていた。

講義が終わり、二人は自然と会話を交わすようになった。彼の話し方は穏やかで、里奈にとって心地よいものだった。彼もまた、里奈の率直さや優しさに惹かれていた。しかし、お互いに好意を感じつつも、それをすぐに言葉にすることはなかった。ただ、何度か偶然の再会を繰り返すうちに、二人は少しずつ距離を縮めていく。

秋が深まる頃、〇〇はある日、思い切って里奈を紅葉狩りに誘った。紅葉が見頃の山へ一緒に出かける計画を立てたのだ。里奈は少し驚いたが、その誘いを快諾する。普段から少し気になっていた〇〇と二人きりで出かけることに、里奈の心はどこか弾んでいた。

紅葉の美しい山へ向かう車中、二人は何気ない会話を交わしていた。最初は緊張していたものの、次第に自然と笑顔がこぼれるようになる。秋の澄んだ空気が、二人の心を和らげてくれているようだった。目的地に着いた頃には、もう二人の間には言葉以上の安心感が漂っていた。

山道を歩きながら、二人は紅葉の鮮やかな色彩に感嘆の声を上げた。赤や黄色に染まる木々の下で、ふとした瞬間に手が触れ合う。その瞬間、里奈は胸が高鳴るのを感じた。彼に対して抱いていた感情が、確かに特別なものであることを再確認したのだ。

〇〇もまた、同じような気持ちを抱いていた。普段は控えめで、あまり感情を表に出すことのない彼だったが、この時ばかりは抑えきれない思いが心の中で膨らんでいた。

山頂に着くと、二人は言葉少なに紅葉を見つめていた。澄んだ空気と鮮やかな紅葉が、まるで二人の心情を映し出すかのように広がっていた。風が吹き抜け、葉が舞い落ちる音だけが静寂を破る。

その静けさの中で、〇〇が口を開いた。

〇〇:里奈、僕は…君ともっと一緒にいたいんだ。

唐突に、しかししっかりとした言葉で伝えられたその思いに、里奈は驚きつつも彼の真剣な瞳を見つめ返した。彼がこれまで見せたことのない、少し緊張した表情。それが、どれほどの勇気を持って告白したのかを物語っていた。

里奈は心の中で整理しながらも、自然と自分の気持ちを口にすることができた。

里奈:私も…同じ気持ちだよ。

言葉が発せられた瞬間、二人の心が通じ合ったことを感じた。特別な瞬間が訪れたのだ。里奈の目に浮かんだ微笑みに、〇〇もまた安堵と喜びを感じ、優しく微笑んだ。二人はそのまま、互いの気持ちを確かめるように、手をそっと繋いだ。

それからというもの、二人の関係は一層深まり、共に過ごす時間が増えていった。大学の講義や休日を共に過ごし、笑い合う日々。お互いの家族や友人にも紹介し合いながら、二人は自然と将来のことを考え始めていた。

時が経ち、二人は卒業を迎えた。社会人としてそれぞれの道を歩むことになったが、二人の絆は変わらなかった。忙しい日々の中でも、里奈と〇〇は連絡を取り合い、時間を作ってはデートを楽しんだ。特に紅葉の季節が訪れると、二人は必ずあの日の山へ出かけ、思い出を振り返りながら、互いの気持ちを再確認していた。

そして、付き合い始めてから数年が経ったある日。〇〇は、ついにプロポーズを決意した。彼にとっては大きな決断だったが、それ以上に里奈との未来を共に歩みたいという強い思いがあった。

記念日の夜、〇〇は予約していたレストランでディナーを楽しんでいた。里奈はいつも通りの笑顔で、楽しい時間を過ごしていた。しかし、〇〇はその夜、少し緊張していた。食事を終えると、〇〇は静かにポケットから小さな箱を取り出し、里奈の前に差し出した。

〇〇:里奈、僕と結婚してください。

その言葉に、里奈は驚きで一瞬動けなくなった。しかし、次第に涙が浮かび、彼の思いが自分の中にしっかりと届いたことを感じた。

里奈:…はい。これからも、ずっと一緒にいようね。

彼女の返事に、〇〇は深い喜びを感じた。二人はその瞬間、未来を共に歩むことを誓い合った。

結婚式の日、里奈は純白のドレスに身を包み、教会の扉の前に立っていた。隣には、スーツ姿の〇〇が誇らしげに微笑んでいた。家族や友人たちに囲まれ、二人は永遠の愛を誓い合った。

式が進む中、里奈はふと思い返す。あの日、紅葉の山頂で感じたあの瞬間から、今日ここに至るまでの道のりが、まるで夢のように感じられた。幸せに包まれた二人は、これから始まる新しい人生への期待で胸を膨らませていた。

〇〇:これからも、ずっと一緒にいようね。

里奈:うん。あなたとなら、どんな未来でも乗り越えられる。

二人はその後、幸せな結婚生活を送ることになる。日々の小さな幸せを噛み締めながら、笑い合い、支え合い、共に歩んでいく。愛と信頼に満ちた未来が、二人を待っていた。


P.S
作者はまつりちゃん推しではありませんが、この画像のまつりちゃんがどタイプすぎてやばいです。笑

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