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世界にはまだ、私の知らない美味しいものが沢山ある。 【だから旅は、やめられない #15】

世界にはまだ、私の知らない美味しいものが沢山ある。
真由美(団体職員 48歳)

旅先で美味しいものに出合いたい。
それが、私の旅する理由です。

現地で食べるホンモノは違う

東京では世界中の料理が食べられます。しかし本場に行って食べると、私がこれまで食べていたのは何だったの!?と強い衝撃を受けることが多々あります。それは魚の鮮度だったり、盛られたハーブの多さだったり、ローカル食堂の圧倒されるような活気だったり。やはり現地に行って食べるホンモノは違うのです。

私は旅の前に予習をするのが好きで、中でもその土地で何が美味しいかは真っ先に調べます。いつも最初に完成するのは食べたいものリスト、食べてみたいお店リストです。食べたいものがありすぎて、朝食が2回とか、この麺はおやつとしてカウントしようとか、何食食べたか分からない旅ばかりです。
我が家の年賀状は毎年恒例、美味しいものと一緒に撮った写真で作ります。

旅の間は徹底的にその国の、更にはその街の名物料理を試します。ゆえに「中国でピザ」は禁止!
地域の新鮮な特産品が使われ、長い間その土地の人々が食べ続けて来た伝統料理は、これは!と思う当たりばかり。美味しいからこそ、長年愛され食べられてきたに違いありません。

食を通してその土地を、人を、知る

郷土料理の生まれた背景を調べると、歴史風土やそこで暮らす人々の国民性まで分かることがあります。私はこの調べる→なるほど!と思いながら食べる、が大好き。味わいも、旅の記憶もより深まるからです。
例えば、フィレンツェのパンには塩が使われていません。慣れない味に衝撃を受け、なぜかを調べると遡ること12世紀、ライバル国だったピサが港を封鎖しフィレンツェに塩が入るのを妨害したため塩無しパンが作られたとか、塩税が存在したため倹約家のフィレンツェ人は塩無しパンを食べたとか(諸説有)。味の無いパンという印象が一気に変わりました。

シチリア島カターニアの魚市場を訪れた時は、ダミ声のちょっと怖そうなおっちゃん達が豪快に商いをする中、予期せず生しらすを発見。しらすは生でも食べるぞとおっちゃんに聞き、うぅ食べてみたいと凝視しているとお客の男性が「生しらすにオリーブオイルとレモンをかけて食べると、本当ーーに美味しいんだから!」と言うと目を閉じてウットリ。生しらすへのアモーレを恋人への想いのごとく熱く語るところが、さすがイタリアの男性だとニヤリ。食を通した土地の人との触れ合いで、その国や人を知ることはとても楽しい体験です。強力におすすめされた生しらすは、まさに目を閉じてウットリな美味しさでした。

貪欲さが旅の満足度を高める

やってみたい事、食べてみたいものがあったら諦めてはダメ。熱意は伝わり実ります。

スペイン、バスク地方の美食都市サン・セバスチャンに美食クラブという会員制の組織があり、仲間同士で大きなキッチンで共に料理を作って食べる映像を見て目がハートに!しかし観光客はよほどのコネでも無い限り建物に入ることもできません。打つ手無しと諦めかけたところ、執念のリサーチで料理教室を発見(その手があったか!)、美食クラブの憧れのキッチンに立って作ったバスク料理は感動の美味しさでした。

せっかく行くんだから美味しいお店で食べたい。とはいえ、事前に調べたものの情報が少ない場合は、更に現地で聞き込みです。
先日の韓国では道行く人々に突撃インタビューを決行。タロクッパを食べるならAとBどちらのお店がお勧め?と2つの店名をハングルで書いたメモを見せた所、3人目にインタビューした人は「AもBもイマイチ、僕のお勧めは別の店、Cだ」と断言。とっておきの情報を得て迷わずC のお店に行くことに。突撃インタビューの甲斐あって、また必ず食べに来ようと思う絶品タロクッパを味わうことができました。


SNSを見て自分も旅をした気分になれることが増えています。しかし「見る」とは違い、「味わう」は自分で実際に現地に行かないと体験は不可能です。
世界にはまだ、私の知らない美味しいものが沢山あります。宝探しのように、それらをひとつでも多く発見したい。

これが、私の旅する理由。

だから旅は、やめられない!


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