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人との出会いに無限の可能性を知った旅【僕らの忘れられない旅#2】

アゼルバイジャン・バクー 2016年9月
「人との出会いに無限の可能性を知った旅」
お出かけマン島田/島田泰輔(27歳・会社員)

 
ある日、久しぶりに会った友人に誘われた。

「コーカサス、行かへん?」

正直、オオカブトがどうしたと思った僕。と思ったら、海外旅行のお誘いだった。

コーカサス地方とは北にロシア、南にトルコとイラン、そして東西を黒海とカスピ海に挟まれた、あのへんである。

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アジアなのか、ヨーロッパなのか、いや中東なのか、どこに当てはまるんや!

という思いを抱きながら、僕の旅は始まった。


いつもの海外旅行のように、世界遺産を見て、美味しいローカルフードを食べて充実した旅になると思っていた。

しかし、この旅は旅人生を変える大きな出会いが待っていたのだ。


北京を経由して、コーカサス地方のアゼルバイジャンに降り立った。「第二のドバイ」と呼ばれ、カスピ海の海底油田開発で急激に発展中である。

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カスピ海に臨む首都バクーで、夕暮れ時に、カスピ海クルーズに乗船。

そこで、引き寄せてしまった。

……いや、正しくは、絡まれてしまった。イラン人の集団に(笑)

彼らは、親戚一同約20名で、イラン北部の街・ラシュットから旅行に来ていたらしい。乗客30名ほどのそれほど大きくないクルーズ船だったので、彼らが乗客のマジョリティを占めていた。


少し船が進んだところで、突然、船の中が騒がしくなった。

なんと、彼らの中にいたイランで有名な歌手が、急に歌い始めたのだ。

彼らは他の乗客にも手拍子を求めて、大騒ぎ!楽しい時間を過ごせました。

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船上ライブが終わり、船のデッキに出たときに、彼らの中の一人に英語で声を掛けられた。(声を掛けてきたのは写真の一番左の彼。その隣が僕。)

アジア人は僕たち二人だけだったので、目立っていたようである。

イラン人:「Where are you from?」
島田:「I’m from Japan!」

から始まり、お互いに自己紹介する。声を掛けてきた彼はAmir(アミール)。

Amir:「さっき(船内でのライブ)のは、イランで有名な曲なんだよ」
島田:「そうなんだー」
Amir:「日本での有名な歌も聞かせてよ」

と、なぜか、僕が日本で有名な歌を披露する流れに(笑)

何を隠そう、めちゃくちゃ音痴な僕。生まれ変わって超歌ウマだったらともかく、こんな異国の地で、それもアカペラで歌を歌うなんて……

これが日本だとしたら、200%断っている。

しかし、僕はそのとき思った。

「日本から飛行機で、10時間も掛けてきたアゼルバイジャン。声を掛けてきてくれたイラン人のAmirと、仲良くなるチャンス。ここで断るのは絶対に後悔する!」と。

歌うと決心した僕。

しかし、困ったものだ……イランで知られている日本で有名な曲ってなんだろう。

皆さんなら何を歌いますか?

!!(ピンコーン!)

僕は閃きました!世界で有名な日本の曲。

それは……

「上を向いて歩こう」

気がついたらAmir以外にも5,6人のイラン人に囲まれた中で、僕は友人と必死に歌ったのだ。

もちろん伴奏はないので、アカペラで。

「うえをむ~いてあ~るこ~♪」

結果は、まさかの……

知らない!

けれども、僕たちの歌を聞いてすごく喜んでくれ、仲良くなることができたのである。

下船後、一緒に写真撮影。連絡先を交換し、彼らに別れを告げた。2016年9月のことだった。


そして、そこから1年後の2017年9月のこと。

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なんと、Amirに再会したのだ!

僕は初めてイランの地に降り立ち、彼の家にプチホームステイまでさせてもらうことに。ホームステイのお返しとして、僕はお好み焼きを振舞った。ソースを持ってこれなかったので、味付けはマヨネーズとタバスコだったけれど(笑)

これまでの僕の旅というのは、世界遺産を見て、美味しいローカルフードを食べて満足というものだった。

そして、今回のような旅先での人との出会いを避けてきた傾向があった。

なぜなら英語で道を聞いても、言葉が通じず全然伝わらないなど、これまで海外で人とコミュニケーションすることは、言葉が通じず面倒だと思っていたからだ。

しかし、イラン人と出会い、仲良くなり、さらにイランに行くまでになった、この旅で通じて、僕の旅のスタイルはガラッと変わった。

旅先で人と出会えば、何かがいいことが起きるかもしれないなって思うようになり、積極的に話しかけっるようになったのである。
旅先でふらっと立ち寄ったお店の店員さん、タクシードライバーさん、困っていて声を掛けてきてきた人……そんな旅先での人との出会いから僕は何かが始まる予感がして、旅へ行くのが楽しみで仕方がない。

人との出会いに無限の可能性を知った旅。

これが僕の忘れられない旅。

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