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「ない仕事」の作り方/みうらじゅん

その辺によくあるヘタなビジネス書よりよっぽど説得力がある。実績もある。
何より笑いすぎておなかが痛くなる。

高校生の時に初めて読んでからずっと、
みうらじゅん作品とみうらじゅんさんが
大好きなのだが、
大人になればなるほど彼の凄さを
感じるようになった。

それを具体的に説明できないのが、
もどかしかったのだけれど、
この作品を読むごとに、
謎が解けていくようだった。

まず、自分の仕事の一つとして、
”一人電通をしている。”というパワーワードを挙げる。

あの大企業が各部署にエキスパートを揃えて、何百・何千人もの社員で行う仕事を、たった一人でやっているのだと。まさに言い得て妙である。

しかもその情熱は、
「もともとない」ものを見つけ、
それに価値をつけ、名称を与え、
さらに”好きだと思い込む”所から始まるという。

思い込むってなんだ(笑)。
でも思い込むって大事かもしれない。とも思う。

私の周りの仕事ができる人は、
総じて自分の今やるべき仕事に
価値を見出すスピードが速いもんな。
要するに”自分に思い込ませる”ってことなんだろうな。

「なんかよくわかんないけど、とりあえず
良さそうだからやってみよう!」は、
シンプルだけど、仕事のモチベーションを上げるには一番いいテンションだと思う。

仕事のテンションは、高くても低くても
良くない。
と社会人を10年以上やってきて
気づいたことの一つである。

ただ、”ない仕事”を成功へと導くのは、
やっぱりそこに、みうらじゅんさんの
卓越したスキルがあって、

ないものを発掘するセンス、
それに価値を与えるネーミングのセンス、
周りから「まだやってんの?」と言われる
までやり続ける信念(?)。 

そしてこの作品を読んで一番みうらじゅんさんが持ち得ていると感じるのは、
“一緒に仕事をする人を選ぶ嗅覚”
だと思う。

彼の周りには、多彩な才能の持ち主が
常にいる。そして、ここぞと言う時に
みうらさんと相まって、素晴らしい結果を
もたらす。
…たまに大スベリしてることもあるけど。
(私は大スベリしてる結果の時の方が、
好きな場合多いけれど。)

”どうせふざけるんだったら、みんなから気持ち悪がられるくらい徹底的にふざけないと、とてつもなくサムい仕上がりになるよ。”
という大事なことを教わった気がする。

ちなみに私もみうらさんを見習って、
人から「絶対いらないでしょ」
と言われるものほど、
「そこが良いんじゃない!」
と叫びながら、そこそこの値段で買うことを信条としている。(写真右側参照)

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