光
注意:ここから下はどうかお正月気分が抜けきった後にお読みください。
小学6年生の頃、母方の祖母が亡くなった。
脳梗塞で、深夜に倒れてそのまま亡くなった。
朝、私が起きると兄から「真夜中にばぁちゃんが倒れて、今朝死んだ」と聞かされた。
私はなぜかわからないが、悲しくなかった。
悲しくなかったのに、泣いた方がいいのかなと思って、兄の前で思い切り涙を流した。
その時、自分には心がないんだって思った。
嘘で泣いたり笑うことが出来るんだって思った。
だから、きっと自分の両親が亡くなっても
嘘の感情で泣いたり感情的になったりするんだろうなと思ってた。
自分はきっと狂ってるんだって思ってた。
令和元年12月30日、父が亡くなった。
もう8年も前から癌で闘病中だった父。
悪性リンパ腫からの全身転移、そして肺にも転移したことで病態は急速に悪化した。
病室、薬で眠る父を見ながら、私は母に言った。「俺には感情がないから、ばぁちゃんが死んだ時、泣こうと思ってわざと泣いたんよ」
母がどんな顔してたかはわからないけど、声は少し笑ってた。
それから30分後、父があっさり息を引き取った。
私はやっぱり泣けなかった。
黙って、眠る父を見るだけだった。
父の顔を見ながら、なんとなく「やっぱり、さびしいなぁ、、、」って呟いたら、言葉と同時に涙が止まらなくなった。
言葉が涙を全部押し出した。
母は私に言った「お父さん、まさる泣かへん言うてたのにやっぱり泣いてるわ。」と笑った。
やっぱり泣いた。
泣くよね、お父さんやもん。
お父さん死ぬとか考えてなかったもんね。
死ぬかもしれないのを認めたくなくて、
意識がある時も感謝の言葉をちゃんといえなかった。
「今までありがとう」とか言ったら、最後みたいやん。だからいつも「ほな、またな」って言って別れてた。
私は父が本当に好きでした。
一度も嫌いと思ったことなんてなかった。
父が目標で憧れでした。たぶんこれはこの先超えることができない壁です。
生まれてから今までずっと優しかった。
一度も怒られたことなんてなくて、
いつも優しさで包んでくれた。
愛で溢れた愛の塊みたいな人でした。
ほんとありがとう、お父さん。
今はゆっくり休んでください。
訳あって今すぐは行けないけど、面白い話と美味い魚でも持って、いつか会いに行くわ。
ありがとう。
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