偏食家の恋人
時間には限りがある。
人はいつか死ぬ。
自分もいつか死ぬ。
死んだらどうなる。無になるかもしれないし、次の世界が待っているかもしれない。そればっかりは死んでみないとわからない。
それでも唯一わかることはある。死んだらこの世界からはいなくなるということ。
昨日まで存在していた人が、死という境界線を一歩越えただけで世界から消えてしまう。
消えてしまった本人はどういう気持ちか、それはわかりません。でも残された人は寂しいわけです。
少し前にこんなアプリが登場しました。
「自分そっくり」に育つチャットボットが、「AIの未来」について教えてくれること
このアプリはAIを使って、自分に似たチャットボットをつくり出すことができる。このボットはユーザーの気分、パターン、好み、話し方を徐々に習得するため、ユーザーはまるで自分自身や自分のレプリカと話している気分になってくる。
つまり、アプリ内に自分の分身を作って、その分身と会話を続けることによって自分そっくりのAIが出来上がるというもの。
まだこのアプリは日本語対応していないので、実際に触ったわけではないのですがとても興味深いなぁと思っているわけです。
自分の好きなもの、好きなこと、喋り方や思想や感性をAIにラーニングされたら。朝起きる時間や寝る時間、セックスのやり方とか性癖までラーニングされたら、本当に自分の分身ができると思うんです。
話は戻って、自分がもし死んだとしたら。死ぬまえに自分のAIを構築することができたら。それは自分を延命させることとイコールになるのかなって思うわけです。
自分の意識とか記憶まで複製できるのなら、それは延命なのかもしれない。AIだったら年齢も重ねないから、自分が好きな年齢で止めることが出来そうですし。
そうなったらAIの自分は何をするかな。
私が死んだ後も元気に生き続けてくれるのかな。どんな笑い方をするかな。どんな行動を取るかな。結局自分と同じ行動を取るのかな。同じ生き方をしてしまうのかな。
AIの自分も他のAIと会話したりするのかな。
誰かと恋をしたり、結婚したり、家を建てて暮らしたりするのかな。
でもやっぱりAIは所詮AIで、性格は自分のままでも中身は別人なんでしょうね。
やっぱり私は私のままで生きたいです。
私は私の人生をまっとうしたい気持ちが最近は強くなっていまして、何としても生きて生きて生きながらえてやろうと思っています。
ほんとここ数年、やりたい事や行きたい場所やが増えていて。それを実行するまで死ねないなって思うようになれたんです。
生きる目的や生きる意味は突然降り注いでくるもので、私はそれをきっちりと掴み取っていきたいと思うわけです。
全ての事象に意味があるように、自分自身の存在にもきちんと意味を持たせてこれからも日々を過ごしていきたいと思います。
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