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来日公演 『ジーザス・クライスト=スーパースター in コンサート』 2019.10.13(日)マチネ&10.14(月祝)マチネ

奇跡の来日公演となった『ジーザス・クライスト=スーパースター in コンサート』を観に(聴きに)シアターオーブへ行ってきた。

台風19号の影響で、10/12(土)の公演はマチソワとも中止。もともと全部で6回しかない公演がたった4回になってしまった。土曜日はマチソワともチケットを持っていたためにダメージは大きかったが、愛妻が自分の観劇予定日だった13日も「あなたが行ってきなよ」と言って送り出してくれたため、何とか2公演を観ることができた。

来日公演とはいえ、プリンシパルやアンサンブルに日本人キャストを配しており、日本オリジナルの公演だ。もちろん英語上演で、両脇に字幕のスタイルだ。このJCSという作品は、翻訳の面白さを追求するのもひとつの楽しみだと思うのだが、映画と違って何度も観ることはできないため、やはり舞台に集中してしまう。特にこの公演では、周りの人たちがほとんど字幕を見ていないことに驚いた。やはり猛者が観客に集まっていたということだろう。(英語がわかるというよりも、何度も観たり聴いたりして、ほぼ完璧に展開や意味を理解しているという点で猛者と称している。)

さて本編だ。

何が素晴らしかったと言えば、とにかくピラトだ。JCSのピラトは、あの苦悩を如何に歌と芝居で表現するかがキモだと思うのだが、なかなか満足できるレベルのピラトに出会うことは難しい。唯一オススメできるのは、1973年版映画のピラトくらいだ。
しかし今回のピラトは、コンサート形式であるにもかかわらず、すごいものを見せてくれた。これだけでこの舞台を観る価値があったと思う。

しかしまぁ、刮目すべきところは実はそれくらいで、もちろん全体としてハイクオリティではあったと思うのだが、なぜかしら醒めた目で見ている自分がいたのも事実だ。正直に言えば、4年前に観た韓国JCSほどの衝撃はなかった。

とはいえ、滅多にスタンディングすることのない私でも、オープニングやスーパースターでは皆に合わせてスタンディングしてもいいと思えたし、キャストの皆さんの歌ウマぶりには感心したし、決して悪い公演ではなかったと思う。

アンサンブルの人数が少なくて、司祭も群衆も同じメンツがやっていたのはどうかとも思ったが、コンサート版ゆえに仕方ないのかな〜。しかしJCSの真の魅力は群衆にこそあると思うので、このアンサンブルの薄さ(各人はそれぞれがんばっていたとは思うが)はかなりマイナスだったと思う。

マリアの強さが目立っていた。あそこまでユダに敵対心を見せるマリアにはお目にかかったことがない。新しいマリア像を見せてくれた気がする。

いちばん期待していたのは壮麻さんのカヤパであったが、芝居は予想通り素晴らしかったものの、歌は期待ほどではなかった。ビーストの低音を歌うのが嫌で四季を辞めたと言われていたのにカヤパというのも変だな〜、と思ったのだが、やはり無理があったのかもしれない。
しかし私が日本一のミュージカル男優と思っている彼の勇姿を見られたのは本当によかった。

感動の度合いはイマイチだったとはいえ、この作品が大好きであることに何ら変わりはなく、この貴重な公演を観られたことは本当にうれしかった。

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