「水星の魔女」シーズン1を観終った

シーズン1は冗長なプロローグだった

「水星の魔女」を観ていて感じたのは「全然ストーリーが進まない」ということ。スレッタにもミオリネにも物語上の目的や目標が全く示されない。
11話のあいだ、ひたすらにキャラクターと設定の説明ばかりしていた。その説明も情報量が非常に少ない。ファーストなら冒頭のナレーションで終わらせたレベルだ。
あんなに脈絡なく会社を設立させるなら、最初から「ミオリネたちの会社へスレッタが出稼ぎにきた」でよかった。学園だの決闘だのはシーズン2でも描写されるんだろうか。スレッタ達が学園に戻るとしても決闘の設定は死に設定になりそうだが。
11話までが0話、12話が実質的な第1話というのが率直な感想。

12話の感想

12話を実質的な1話だと感じたのはようやく作品のテーマが明らかになったから。すなわち、子どもは親から離れてアイデンティティーを確立するということ。
シーズン2は、否応なしに親から離れ一足先に大人になったミオリネ(とグエン)が親の呪縛に囚われているスレッタを導く話になるんだろう。このテーマ自体はとても良いものだと思う。
ただ、12話自体はそれでも出来が良いとは言えない。
例えば、グエンパパが出撃するところなんて不自然すぎて思わず笑ってしまった。あんな財閥のトップみたいな人が若い部下を差し置いてMSで出撃なんてするわけない。あれをやるなら「ええい儂が出る!」「閣下、ご自重ください!」みたいなやり取りをギャグとして毎回入れておくとかさ。そうすれば観てる方も「ああ、いつものやつだよw」みたいな感じから「あれ? 今回は本当に出撃したぞ」となってその後の衝撃に繋がる。あんな不自然に出撃されたら「あーあーこの後息子に殺されちゃうわけね」と予想がついて全然びっくりしない。実際予想通りに死んじゃうし。
地球のテロリストの任務遂行が雑なのも萎えるし、ラストのアクションがしょぼいのもマイナス。

話題になっているラストシーンについては、ちょっと描写がおかしいように感じた。
あの状況でスレッタがテロリストを殺すことは問題ないだろう。警告なんてしてたらミオリネたちは射殺されていた可能性が高い。異様なのはスレッタがこの状況で屈託ない笑顔を浮かべたことだ。なのでミオリネの最後のセリフに「人殺し!」はいらなかったと思う。細かい話だが、今後「人殺しは全て悪」というノリになって話が安っぽくならないか心配だ。
また、このシーンの前でスレッタもテロリストを射殺した母親に忌避感を訴えていたことから、スレッタはプロスペラから精神操作を受けていた可能性がある。もしそうなら「親の呪縛から自由になる」ことを「洗脳を解く」というイベントで描写することになりそうでそこも心配。まだ想像の話ですけどちょっとチャチじゃないですかね?

まとめ

私の感覚でいけばようやく一話が始まったばかり。なので、作品の評価はまだ出来ないということになる。
しかし、1クールかけて普通の作品の1話とちょっと分の内容しかない、というのは既にして大きなハンデだろう。
最後まで視聴することは決めているので面白くなってほしいが、かなり難しいと思う。

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