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セブンイレブンがネット上で袋叩きになっている件について解説します

かさ増し・底上げ・ステルス値上げ
色々なワードで叩かれているセブンイレブンの食品ですが、
振り返ってみると約3年前、断面にしか具が入っていない「詐欺サンド」が当時のツイッターで話題になった頃から継続的に現在までありとあらゆる【詐欺商品】を製造し続けてきた、との評判です。

直近の四半期決算ではセブン&アイ・ホールディングス全体で前年同期比で純利益49%減という大変な結果になったこととも結び付けられ、ネット上での袋叩きはさらに加速しています。
これに関しては、ちょっと誤認もしくは恣意的なソースずらしがあって、
セブン&アイが不調なことの要因は海外コンビニ事業などいくつかあり、さすがに国内のコンビニ事業だけで49%の純利益減ではありません。
国内コンビニ事業では4%減となっています。
店舗の売上高もファミマ、ローソンが前年より結構伸ばしている中セブンのみ前年を少し下回る推移になっています。

まぁ、誇張して不調を取り上げられているとはいえ、
不調は不調みたいですね。

では、その大きな一因であろう【詐欺商品】を3年以上にわたってなぜ継続するのか?
これだけ盛大に叩かれていたらどうにか是正していこうとしそうなものですよね。でもしていない。
その裏にあるコンビニ業界の闇を知ると、少しセブンに対する印象が変わるかもしれません。

ヒントがこっそり明るみになっていたのは2022年末、
公正取引委員会が昨今のエネルギーコスト、原材料費、人件費の高騰に際して下請け企業との価格交渉をしていない、もしくは拒否している企業として、大手企業13社を名指しで指摘しました。

一般人からもわかりやすいところだと、ドン・キホーテや佐川急便がリストされています。
要するに下請け企業が社会情勢が理由で各種コストが高騰して利益が取れなくなってきているのに、
「そっちでどうにかしろよ、値段は据え置くからな」
ということをやっていたことが公正取引委員会の調査でバレちゃったんですね。

こういった行為は独占禁止法違反である、優越的地位の乱用にあたる可能性があるので改善してくださいね、
と公正取引委員会に警告を受けました。

そしてこの中に挙げられているのが
「日本アクセス」「三菱食品」

耳馴染みが無い方も多いかと思いますが、
 日本アクセス:ファミリーマートの食品会社
 三菱食品:ローソンの食品会社

改善してくださいリストにセブンイレブン系の食品会社は含まれていないんです。

セブン叩きの背景にあった理由の輪郭が少しはっきりしてきたと思います。

 ◼︎セブンイレブンの食品会社は下請けに対して公正な取引を行なっていた
  ↓
 ◼︎良い商品を作ろうとするととんでもない価格になってしまう
  ↓
 ◼︎泣く泣く詐欺サンド・底上げ弁当を作って値段をライバル企業に合わせる
  ↓
 ◼︎お客さんに嫌われる
という流れが起きていたと考える事ができます。

一応補足すると、ファミマ、ローソンはそれぞれ親会社が食品会社を傘下に入れていることによる優位性があった可能性はあります。
伊藤忠商事の傘下に、ファミマと日本アクセスがあり
三菱商事の傘下に、ローソンと三菱食品があるといった構図です。
同じグループの企業同士での取引の効率がものすごく良いかもしれないですね。

ただ、どちらにせよ公正取引委員会が名指しで法令違反する可能性がありますよと指摘されたのが:ファミリーマートの食品会社、ローソンの食品会社
指摘されていないのが:セブンイレブンの食品会社

この事実から考えられる可能性として、
下請け企業から安く買い叩いてお客さんにいい顔をしていたファミマ、ローソン
下請け企業と公正な取引をしたらお客さんにいい顔できなくなってきたけどどうしようのセブン
というふうに見ることはできるかと思います。

日本経済新聞の記事によると公正取引委員会から指摘された「日本アクセス」「三菱食品」はそれぞれコメントを出しているようです。日経記事の終わりの方に記載があるので、
引用元をもう一度下にリンクします。

🟩日本アクセス:「会社として指摘された事実を真摯に受け止めている。今後は当社からも取引先に協議を働きかけるようにする」

なるほど、反省して改善していこうとしているんですね。
ということはセブンが苦しんでいるジレンマにファミマも直面して詐欺商品が出てくるのかも…。

🟦三菱食品:「法令違反には当たらないと理解しているが、取引先と緊密に連携しながら適正な取引環境の維持につとめる」

!?
これはどう理解したらいいのでしょうか!?
確かに直ちに法令違反ではないし、公正取引委員会でも独占禁止法違反の「おそれがある」とだけ指摘しているのは事実です。
でも改善しようという意思や姿勢を、少なくとも見てとることは難しいコメントですね…。ということはお客さん視点で考えるとこれからも安くて良いもの出してくれるってことか!


最後にまとめると、
チキンレースをやっている3大コンビニチェーンと、それを見ているお客さん(一般消費者)がいます。
セブンイレブン:最初にブレーキを踏んだら見ているお客さんは大ブーイング
ファミリーマート:遅れてブレーキを少し踏んでお客さんはまあまあ満足げ
ローソン:ブレーキなんて踏まない!お客さん歓喜!ただ、崖から落ちないの大丈夫なの!?

2024年に入ってすぐ値段そのまま1.5倍近く増量の実質セールをやっていたのが記憶に新しいローソン、
業績や評判は好調のようですが、その裏で泣いている企業や会社員、パート、バイトの方々もたくさんいるのかもしれません。

ここまで読んで、それでもセブンって悪いことしてますかね?

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