隣の聞き取れないひと(辛口レビュー)

読みたくて買ったのでドンピシャだったんだが、私もこの本でいう「当事者」だ。
ごく幼い頃から他者の言っていることが理解できず、働くようになってからは職場の人との世間話が全然出来なかった。理解できないし、かと言って聞き返すのも悪いと考え、しょうがないから曖昧に笑ってた。冗談を返すとか、会話を楽しむなんて、夢のまた夢だった。

とこう書いてるだけで、そのときの気まずさや泣きたいくらいの恥ずかしさや悔しさや悲しさを思い出してきた。(ヤバイ)

で、本書ではAPDは四つのタイプに分けられるという。

1,脳損傷タイプ
2,発達障害タイプ
3,認知的な隔たり(不注意・記憶力が弱い)
4,心理的な問題タイプ

で、私はADHDなので2,に該当するわけだが、この本は、そんな当事者達にインタビューした記録だ。

たくさん付箋貼ったし、アンダーラインもした。

この障害について知ることができた。(当事者会の連絡先なども書いてあって、まだ知られていないAPDのことを知る手助けになっている本だった)

ということは踏まえた上での、読後感想いくよ。


自身の葛藤など、非常に苦労して書き上げたのは分かる。

だけど、文章の書きっぷりがウェットで、日本人の好きなお涙頂戴浪花節がきつすぎた。(と、私は感じた)

特に、当事者に対して非当事者はとことん礼を尽くさねばならず、非道なことをしたり考えたりしようもんなら出るところでてやるぞ(とまでは書いてないが)みたいな雰囲気が暑苦しく、息苦しい。
同調圧力。ニホンジンダイスキネ。

この本は、もっとドライに冷静に、もっと言えば厳しい意見の部分もあって良かったのではないだろうか。

当事者(なんだろう、私も)からしてもそう思う。

よって読後感は最悪と言わざるを得ない。

あとついでに言うと、本の装丁が雑。
背幅計算が間違っているから背表紙のタイトル文字がギリッギリ。(これをデザインとは言わせない)
背表紙の色が裏表紙(表4)に5mmぐらい入りこんじゃってる。これはいただけない。

そんな感じー。
終わり。



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