「廻る想ひ、紡ぐ月。」観劇
池袋シアターグリーンにて、直也の会の標題芝居を観てきた。(マチネ)
戦争を挟んでの、親子四代に渡る大河人情ドラマ。作者の祖父(大衆演劇の俳優)をモデルとしたのであろう主人公が、とても魅力的な人物に描かれており、時に過酷な描写や台詞もあるのだけれども、希望という言葉がいつも背後できらめいているような芝居だった。
物語は、3時間に亘る上演時間に、いろんなエピソードがぎっちり詰まってて、よそ見することなく観れた。
だけど、ワタシ普段こういうの観ないので、人情物のスタンスに慣れるまでちょっとかかった(笑)
登場人物の描き方が丁寧で、感情移入
しやすかった。なおかつ、戦争中の苦難と、主人公の孫であり、物語の語り手でもある、現代に生きる作家とその妻の、一見穏やかなのだけれども、実はなかなか重ならない心も、とてもリアルに表現されていたと思う(何様?←)
そう。
戦争の話なのだ。
私は、毎年(主に夏)、一度は戦争に関する芝居を観ていた時期もあったんだけど、今回は、沖浦和光さんの旅芸人の本(「旅芸人のいた風景」)と、井上ひさし氏の一連の戦争に関する芝居を思い出した。
井上ひさし氏のより、なんつーか、メッセージ性を前面に押し出すことなく、でも、前線にいる兵士たちや、看護婦たちの苦悩、東京の空襲で亡くなる主人公の父親の話が、積もり積もって、戦争の悲惨さを静かに浮かび上がらせてゆく。すごく説得力のある場面、台詞がたくさんあった。
脚本、たぶんだけど、かなり削ったと思われる。
伝えたいことが沢山ある芝居にお見受けした。
良い芝居を見ることが出来て大満足。
今回も、おのまさしさん出演のため、観に行った。
行って良かった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?