加藤健一事務所「プレッシャー(ノルマンディーの空)」観劇

加藤健一事務所、今年最初で最後の舞台。私は久しぶりのカトケン観劇。楽しみ。

題名で大体ネタバレするのですが、まだ上演中なので、なるべくネタバレしないように感想を書きたいと思います。

第二次世界大戦下のイギリス軍。有名なノルマンディー上陸作戦直前のお話です。役名も、史実に忠実だそうです。観劇後、原作を読みたいと思ったのですが、今回加藤健一事務所が日本初演のためか日本語の戯曲が探せず、残念です。

今は気象衛星がとんでるせいで、一瞬戸惑うのだけれど、当時陸海空軍において、気象博士(今でいう気象予報士)が従軍して、作戦の決行に関わっていたそうです。

軍から召集されてきた、天才と呼ばれる気象学者・スタッグがこの作品の主人公です。
膨大なデータと頭脳をフル回転させるシーンがたくさん出てきます。アタマのなかの活動だから、目には見えにくいけれども、その動きや台詞で、彼がめちゃめちゃ働いているのが分かり、そこがすごく印象に残りました。

舞台には大体3〜6人が出ており、話したり議論したりします。密室劇ですが、人々の導線がうまく計算されていて、ごちゃごちゃすることなく、そして舞台を広いとも思わせず、見せ場をとても効果的にしていると思いました。
全く、芸達者の俳優達を集めると、こんなことができるのか…。ビックリ😳
ヘビーで緊張する展開なのに、俳優はそれぞれの存在感を立ち上げ、そしてとても心暖かい人物造形をしています。

ラストシーンの美しさは、観に来て良かった!!と思わせるものでした。
あの演出マジすごい。
素晴らしい演技と演出と戯曲と、そしてプロデュース(カトケンさん)に、拍手、拍手です。


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