ダンス/デカダン観てきた! の、感想文(ちょっと辛口)

2023年6月2日19:30- 福島泰樹氏の短歌絶叫と、舞踏の原田伸雄氏のコラボレーションステージに行ってきた!
場所はいつもの吉祥寺曼荼羅ではなく、中目黒のとある劇場。いつもより広いステージ。休憩時も演者はちゃんと舞台袖にはけていく。(曼荼羅は客席に戻って休憩している)
ピアノ(+ピアニカ)のほかに、今回はドラムス(パーカッション)と舞踏と朗誦という聞きなれないカードでのステージだ。

福島先生、なんだかいつもより、嬉しそう。
というのも、今回は出演者が賑やかだ。そして短歌絶叫に、パーカッションがとても合う。言葉のリズムにぴたっと嵌るととても心地良い空間に変わる。

とはいえ、あくまでご自分の世界(短歌絶叫)を表現される福島先生なので、ピアノの美しいしらべや、ドラムスのテンポにひきづられることなく、言葉は小気味よく出て、やがて叫ぶ。動きもキレキレだし、言葉も明瞭だ。いつもとはだいぶ雰囲気が違っていたけれども、今回もとても良い舞台だと思った。

ピアノにドラムの伴奏がついただけで、なんかカッコイイし、それらが更に短歌絶叫の伴奏で、福島先生の声を引きたててゆく。福島先生は、ドラムのリズムをわがリズムとし、張り合わずあるがままに受け止め、言葉を紡いでいく。

そこに今回は、舞踏がコラボレーションした。左の肩に鈴をつけた衣装の原田氏、必要でないときには歩いても手を上げても鈴はならない。すぎょい。
でも難しいよね。このコラボ。
表現を観にきているわけだから文句はないけれども、どこか一カ所だけ、ユニゾンのパートがあると良かったなぁと思った。こちらを向いて詩を書いたノートに目を落とす福島先生と、後ろを向いた原田氏が同時に片腕を上げる、とかさ。
だけど、そういうショウ的な見せ場は、そもそもこの舞台では必要ないというか、設定していないのかもな、とも思った。

で、休憩挟んで第二幕。
「朗誦」の天津孔雀さんが登場。ソロで舞い、朗誦した。
小柄なお姉さんかお兄さんのように見えたが、年齢・性別不詳とのこと。
あの詩はご自分で書かれたのかな。ちょっと生煮えっぽい感じがしたけれども。
あと、いちいち語尾をのばすのも気になった。
で、私は「ダンス」は知ってるけど「舞踏」はよく知らないのでなんとも言えないのだけれども、感情や熱量の赴くままに体を動かしているように見えたが、もう少し魅せてほしかったかな。

それは二部で再び登場した原田氏もそうなんだけど、まぁ原田氏の動きはあれで計算しているようにも見え、全体的に美しいと思った。
とはいえ、絶叫している主役のうしろから手を伸ばしたり、杖を振り上げたりするのは如何なものか。あれじゃびっくりして絶叫に集中できないじゃないのか?と一人思った…。

あの杖を持って舞台に現れるのは悪くない演出だと思ったが、いかんせん、杖の操り方がいまひとつだとも思った。個人的にはもう少し流れるように緩やかに扱う場面もあって良かったのではないかなぁと思った。

でも福島先生の調子はとても良いように見えた。なんだかとても楽しそうだ。
きっと舞台を作り上げる上での苦労や歓びを共にする仲間とのコラボレーションが、福島先生の声にいつもより更に張りをもたせ、遠くまで届くような相乗効果を生んだのではないか。

でも難しいね。舞踏とのコラボは。
踊る(っていっていいのかな)人はやはりバックでだけではなく、前にもいきたいだろうしね。
でも、思い切り舞踏は奥でだけパフォーマンスして言うてみれば演者の引き立てる一曲があっても良かったのではないかと思った。

パフォーマンスに関しては、緩急ある動きをみたいなぁと思った。
あととにかくパーカッションが良かった。時々入る電車の走る音も良い効果音になってたと思う。

そんなわけで、次回はまた曼荼羅で。
今日みたいなのもいいけれど、また詩の深さに没頭する時間であればいいなー\(^o^)/




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