「ワルプルギスナハト」観劇

ワルプルギスナハト とは、ドイツ語で、「魔女の夜」。魔女たちが大規模な祭りして、春の到来を待つことだとか。

今回観たこの芝居は、「完熟女バー・ワルプルギスナハト」のホステス三人が主人公。話を聴いただけでオモシロソウ。幕が開いたらいきなりキャンディーズの替え歌を歌って踊る。(ちなみにプロポーションは三人ともかなり良い)掴みはかなりオッケーだ。

もう一人のホステス、ナオミが1ヶ月前から現れなくなったことで、刑事が来たり隣の「懺悔バー」の店主が現れたり、バーのマスターや常連客の早坂を巻きこんでいきながら、三人それぞれの事情や葛藤が語られていく。だけどあくまで明るくしたたかな女たち。伊達に年ははとってないのだ。
和美は売れない年下の俳優と同性中。サツキは離婚して二人の子供を育てている。萌子は長い間父親の介護で婚期を逃してしまっている。
そんな三人のやりとりは、ときに庇い合い、ときに本音をぶつけあうが、なんともピュアで爽やかだ。

ナオミも含め、みんなが抱える事情は決して甘くはないが、それをふっとばす逞しさを感じて小気味好い。

そして刑事役のおのまさしさんが時々登場すると画面が締まる。まるでコロンボ刑事のような出で立ち。そして、台詞のあとに必ずはさむ懐メロ鼻歌。こんな刑事日本にいるのか⁈という疑問はおいといて、なんというか、同じ色の喜劇に染まりそうになるのを抑えて、みんなと調和しながらもきっちり独立したオモシロサをみせてくれたと思う。

後味の良い芝居。あー面白かったといえる芝居。芝居の楽しさを十分に堪能した。


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