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本の感想(ネタバレあり)

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読んだ本の感想を勝手に呟きます。
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2019年9月の記事一覧

太宰治/お伽草紙

太宰治といえば、やはり晩年の「人間失格」が根強い人気だし、有名だけれども、今回私がある方から紹介されて読み始めたのは、第二次世界大戦末期の東京空襲の最中、当時5歳の長女を背負って逃げた防空壕の中で書き続けたという、数編の短編を含む、文庫版だ。

長女にせがまれて読んできかせた、「ムカシ ムカシノ お話 ヨ」で始まる絵本は、みな、日本人に膾炙された物語であるが、そこに、自己の人生観や思想、実生活体験

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罪の声/塩田武士(ネタバレあり感想)

テーラーを営む曽根俊也、新聞記者の阿久津英士。一面識もなかった2人が、偶然にも同じ時期から、同じ事件を追い始め、やがて二人は交差する。昭和のグリコ森永事件を下敷きにした小説。

帯には「圧倒的な取材と筆力で描いた傑作長編!」「2016年週刊文春ミステリーベスト10」「山田風太郎賞受賞」「本屋大賞第3位」と華やかな文字が並ぶ。つい帯につられて買ってしまった。

で。
文章読みやすい。
読みやすい文章

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