【スト6】ザンギエフ強化内容解説(随時更新)【2024/05バージョン】

今、筋肉が熱い。

背中の広い男が何より大好きな錆繼です。
今回のアップデートで持ちキャラクター達が圧倒的な強化を受け、居ても立っても居られなくなってしまいました。

何と言ってもリュウ、そしてザンギエフ。
「時代が来る」レベルの圧倒的な強化を受けたこの二人を非常に良く使っているので、この二人のパッチノート全項目についてそれぞれ語っていこうと思います。
あくまで初日レベル、後々攻略が進んでから見れば鼻で笑う程度の内容になると思いますが、それでも誰かの参考になってくれれば幸いです。なんかちょっと日付をまたいじゃったけど寝るまでは初日!起きても加筆!
まず今回はザンギエフから。

パッチノート引用元:
https://www.streetfighter.com/6/buckler/ja-jp/battle_change/202405/zangief


プレイ感覚全体の変化

立ち回りの内容自体は、強Pのアーマー強化を除けばやはり多少のリーチ強化程度の為、かなり相手に近づく為に苦労する点など変化ないという印象です。
防御性能も共通性能の起き上がりDリバーサルを除けば変化なく、やはり気合でなんとかしなくてはいけないシーンが多いです。
一方で択一場面での打撃択の性能が超大幅に強化され、特に画面端での頭突き重ねの強制力が異常なレベルに達している事もあり、一度相手を画面端まで運べた際のご褒美が大幅に増えたと感じます。
また、コマンド投げを始めとした一つ一つの技のDゲージ回収率の強化により、これまで以上にDゲージを使って走りまくって近づく戦いがしやすくなると同時に、対空を発生が早く安定するODダブルラリアットにしてもあまりゲージが減らないようになったなど、細かい部分でのストレスが非常に減りました。
ニーの強化により近距離のターン継続力も向上し、全体的に「近距離で投げの圧を軸に択を掛ける」というザンギエフの目標に辿り着きやすくなっています。
起き攻め能力の向上と据え置きの防御力により、今バージョンのザンギエフミラーは画面端に運んだ方が別キャラレベルでガン有利と言えそうです。

モダン技変更

立ち弱攻撃の変更

これまでは立ち弱Pが発動していたものが、立ち弱Kに変更されました。
立ち弱Pはガード時の硬直差が非常に強力であり、連携からコマンド投げの択に行く際に凄まじく優秀な技でこそあったものの、単発で振るとなると発生が早く全体硬直も短いしゃがみ弱Pに取って代わられがちであり、わざわざ単発で出せてもな、という部分のある技でした。
一方立ち弱Kはキャンセルドライブラッシュを絡めた連携や足払いへの差し返しで活躍する技であり(しかも今回強化を受けている!)、どちらかと言えばこちらの方が優先順位の高い技であった為、かなりこの強化の恩恵は大きいと言えるでしょう。

しゃがみ弱攻撃の変更

しゃがみ弱Kが発動していたものが、しゃがみ弱Pに。
最速の4F技でありながら下段かつ比較的超リーチで連キャン対応のしゃがみ弱K、6F発生でリーチが凄まじく長くガードさせて有利で連キャン対応のしゃがみ弱Pとどちらも凄まじく優秀な技です。
モダンではこれまで立ち回りで振りたいしゃがみ弱Pが使えないという点が比較的大きな弱点の一つになっていた為、これが使えるようになったこの強化は素直に諸手を上げて喜びたいところ。

前強攻撃の変更

これまでは強アシストコンボと同様のヘッドバットが発動していた所を、サイクロンニールキック(前強K)に。
まあそもそもこれは、元の技被り仕様がおかしかったんですよね。納期にでも迫られていたのでしょうか?他の殆どのキャラは技が分けられているのに、モンギエフはマスターアップ前日に徹夜でスタッフ一人が仕上げでもしたのでしょうか?
画面端で相手の無敵技ガード後にこの技でパニッシュカウンターを取ると、サイクロンニールキック→ヘルスタブ→ODダブルラリアット→ODボルシチダイナマイトというコンボで相手の体力を5割以上吹き飛ばす事ができる為、この技はまさにザンギエフの起き攻めの圧を支える技の一つと言えるものです。
それがモダンでも使えるようになったという事で、モダンザンギエフの恐怖はまさに飛躍的進化を遂げたと言って良いでしょう。

まあ、肝心のコンボ締めである最低空ODボルシチダイナマイトはあいも変わらずクラシックより圧倒的にモダンの方が出しにくいという苦痛調整な訳ですが。こればっかりは仕方がない。頑張りましょう、皆さん。
他のコンボルートでも活用できますし、ね。

アシストコンボ1の変更

これまでは立ち弱K→ダブルラリアットというコンボで、これはリーチの長い弱Kを遠くでは繋がらないダブラリでキャンセルするという互いに互いの魅力を潰し合う最悪のコンボでした。
これがしゃがみ弱K→立ち弱P→ODダブルラリアットに変更された事により、ゲージこそ消費するものの比較的広い間合いで繋がりやすく、また二段止めをする事により先述した立ち弱Pのガード硬直の強さを生かしたコマンド投げと打撃の択に行く事もできるなど(そもそも自動ヒット確認である)、ザンギエフらしい近距離での積極的な読み合いをより一層補強する素晴らしいコンボルートになっています。
初段技としてしゃがみ弱攻撃から移籍したしゃがみ弱Kも先述の通り最強クラスの技であり、全体的に非常に完成度の高いアシストコンボです。
旧バージョンの「ダントツで明確に最弱のアシストコンボ」から、一気にザンギエフの魅力を活かせる優秀なコンボに変更され、モダンザンギエフの価値はこれだけでも大きく跳ね上がりました。

というか、これはアシストコンボ1の中で明確に最強の性能なのではないでしょうか。下段、4F、自動ヒット確認、ガードされて有利、コマンド投げとのシナジーも完璧。
酒クズの生活で例えるなら、明日は休日、肉体労働で達成感バツグン。冷凍庫にアイスボックスと冷凍餃子とアブソルート・ウォッカが、冷蔵庫にクリアアサヒとストロングゼロと菊水ふなぐちとモンスターエナジーと特売の唐揚げ。押入れには柿の種とブルボンプチポテト全種が入っていて、そして手元にはマスタードソースを添えたマックチキンナゲットが袋の中、まだ揚げたてでホカホカと湯気を上げているレベル。

アシストコンボ2の変更

しゃがみ中P→ODダブルラリアット→サイクロンラリアット(SA2)というコンボルートですが、これは基本的には旧来のものにSA2が追加されただけです。
まあ、初心者でもコンボ火力を出せるのは、凄く良いよね。うん、他に言う事も無し。

アシストコンボ3の変更

これが今回唯一のケチの付け所です。
ヘッドバット→ODダブルラリアット→ボリショイストームバスター(SA3)というコンボルート……うん、前バージョンの硬直差であれば、これでも良かった筈なんだよ。
しかし今回のアップデートでヘッドバットからヘルスタブが繋がるように強化された為、このアシストコンボはせっかくの強化点を無下にするコンボルートという事に……。
もしかして、硬直差の改善はリリース直前の急場で決まったのでしょうかね?そうであれば全てに辻褄が合いますし、この一点程度サクッと強化してしまっても誰も困らない筈なので、何処かのタイミングでしれ~っと強化してほしいものです。
ガードさせて確定反撃を受ける仕様にしたくて仕方がない、というのなら理解はしますが……賛同はできませんね。
とはいえ、以前のバージョンより強化されたのは間違いない事実。享受しましょう。

技性能変更

キャプチュード(後ろ投げ)後状況変更

全キャラに共通して後ろ投げ後の状況がnerfされました。
ザンギエフのキャプチュードは元々当てた後の距離が近く優秀だったので少しさみしくはありますが……まあ、妥当ですね。今作のザンギエフは、ループ性が無い代わりに一撃一撃が重い攻めと択を通す正真のパワーキャラなので、むしろ「近づく苦しみの快楽をくれてありがとう」まであります。ザンギ使いは全員ドマゾだからね。

立ち弱K ヒットバック縮小

なんか、不自然なくらいにくっついてます。
パワフルな超マッチョプロレスラーのかっこいいローキックを喰らっているとは思えない動かなさで、弱Kラッシュから択を仕掛ける事や弱Kで差し返す事の多いザンギエフにとってかなり地味ながら有意義な強化と言えるでしょう。
これまでは明らかに繋がっていなかった距離でもダブルラリアットが繋がっているので、今私の脳はかなり混乱しています。

立ち中P ヒットバック縮小+SAゲージ増加量強化

ザンギエフ、特にモダンザンギエフの中距離戦の要となる技です。
立ち中P始動のカウンター以上で繋がるシンプルなTC「マシンガンチョップ」を使ってダウンを取りながらラインを上げていく機会がザンギエフには多いのですが、どうも少しめり込まないと2段目からが空振ってしまう為、微妙に安心できない弱点を抱えていました。
絶対に空振らないようになった訳ではないものの、これまでよりは誰がどう見ても明らかにマシになった為、ラインを押し上げる能力がこれまでより強化された上、思わぬ空振りから反撃を受けて死ぬ事故も減り、かなり嬉しい強化と言えるでしょう。

今後も「ゲージ削り/回収量増加」が非常に頻出するので先んじて解説しておくと、ザンギエフというキャラクターはコンボにならない単発技でちまちまと時間を使いつつ、攻めに転じる際は機動力の低さをドライブゲージで強引に補ってパワフルに攻め立てる戦い方をする為、ちまちまと地道に戦う時間が強化される恩恵は地味ながら非常に大きいと言えます。

立ち中K ダメージ増加+リーチ増加+SA/ドライブゲージ増加量強化+ガード/パニッシュカウンター時ドライブゲージ削り量強化

非常にリーチが長く判定が強く、単発で相手にペチペチ触る技としてクラシックザンギエフの立ち回りの要となる立ち中Kが純粋かつ大幅な強化を受けました。
つま先の切り忘れて伸びすぎた爪の辺りまでぎっしりと攻撃判定が詰まっており、ちょっと不自然なくらいに良く届きます。もしかしたら風圧で蹴っているかもしれない。
とにかく一方的に超リーチの単発技でちみちみと嫌がらせをしつつDゲージや体力において「小銭」を稼いでいく、そんなヨガめいて消極的な立ち回りの時間が大幅強化を受けたと言えるでしょう。
元々非常に強力な技だったので、ここまで強化されるとは本当に思っていませんでした。大丈夫なの?これ。

立ち強P(ホールド) SA/ドライブゲージ増加量強化+ガード/パニッシュカウンター時ドライブゲージ削り量強化+攻撃持続中の腕にアーマー判定付与+パニッシュカウンター時に画面揺れ追加

ザンギエフの立ち回りの要が一つ、溜め強Pのアーマー判定が攻撃している腕まで拡大されました。
これまでは「溜め部分の身体で攻撃を耐える→相手を殴る」という使い方が主体でしたが、これからは伸ばした腕でも相手の攻撃を耐えられます。
つまり、リュウの立ち強Pのような非常に判定の強い技と先端でカチあっても……

ええぃ、連邦のプロレスラーは化け物か!?これだけの判定でも!

……ぅゎざんげふっょぃ。
この間合いで強Pを振るという行為が根本的に差し返しのいい的であり即ちアホな事はさておき、ちょっと反応が早ければすぐに「こう」なってしまう事を思うと、もう足払いでしか差し返したくないですね、これ。
それに、弾などに対しても相当なリスクを付けられる事になるので……どうしようね、ザンギエフは強いぞ!

これ、旧バージョンがどうだったか詳しく思い出せている自信がないので、もし「昔からこうだったよ」という事があれば教えて下さい。たぶん、腹を切ります。

立ち強K パニッシュカウンター時に画面揺れ追加

パニッシュカウンター時に相手が浮いて大ダメージの追撃が可能になるという技です。
これはまぁ、「あるに越した事は無いだけで必要ではない」という強化ですね。
もとより地上ヒット時は派手な浮き方をするので判別は容易でしたし、対空で用いた際の追撃を容易にする調整なのでしょう。
とはいえこの技を対空で使うのは遠目の状況なので、総合的に見て恩恵が得られるのはSA1やSA2での追撃に限られます。
では弱いのかというとそんな事もなく、対空でこの技がパニッシュカウンターを取れば容易に確認して四割のダメージが取れる訳で、嬉しいか嬉しくないかで言えばしっかり嬉しい強化です。
やっぱり、急に相手が死ぬと最高ですからね。イーッヒヒ!

しゃがみ中P ヒットバック縮小+SA/ドライブゲージ増加量強化+ガード/パニッシュカウンター時ドライブゲージ削り量強化

かなり判定が強く、足払いを潰す置き技やコンボパーツとして非常に便利な技です。
ヒットバック縮小により、先端間合いや差し返しのラッシュキャンセルからしゃがみ中P→ヘルスタブ→ダブルラリアットというコンボルートが繋がりやすくなりました。
これまでは少しラッシュを伸ばさないとしゃがみ中P→ヘルスタブが届かないシーンが割と少なくない頻度で生じていた為、派手さこそないものの非常に魅力的な強化です。

しゃがみ中K ヒット時硬直差強化(+2F→+3F)+ヒットバック縮小 SAゲージ増加量強化+パニッシュカウンター時ドライブゲージ削り量強化

これもまた素晴らしき大革命の一つです。
これまでは硬直差こそ優秀なもののヒット時の間合いが悪く、役割は専らその判定の強さを活かした嫌がらせ技に徹していた中足がだいぶ強化されました。
元々の強みの数々はそのままに、ドライブラッシュが乗れば+7Fが取れるようになった為めり込めばヘルスタブが繋がるように!これまでは限界まで深くめり込んで漸くしゃがみ弱Pが繋がる程度だった(そこからラッシュキャンセルまでが実質的に必須だった)所から、突然の超飛躍的なコンボ性能強化です。
これにより下段始動のリターン、ゲージ消費、その全てが爆発的向上。更にはヒット後の間合いが近づいた事で弱スクリューの択を吹っ掛けやすくもなっており、元々単発で触る技として強かった中足が展開始動にもなってしまうとなるといよいよ筋肉万能論にも明確なエビデンスが生じるというものです。

しゃがみ強P パニッシュカウンター時床バウンド+発生F高速化(12F→11F)+攻撃持続F増加(8F→9F)+動作中前進距離増加+根本ヒット時吹き飛び時間増加+先行入力受付時間追加

もはやこれは技全体のリワークと言っても良いでしょう。
これまでは判定がやや縦に長くダブルラリアットより若干真上に強い、対めくり用の対空技という趣の攻撃でした。
ダブルラリアットがめくりに弱い事もあり、本来はそこそこ役割のある技の筈が何故かどこでも目にしない……

その結果、対めくりの役割は完全に失いました。
まず、若干不自然なくらいに前進しながら振るようになった事により、めくりには明確に弱くなりました。真上に落ちる軌道の相手に向かって振ると、まず確実に空を切ります。
その代わり、まず発生が高速化。持続も増加した事により、当たる位置への対空としての信頼性は以前より増しました。
そしてパニッシュカウンター時に床バウンドする挙動により、無敵技ガード後などの大きく有利な状況での確定反撃としての価値が増加。

……はしたんですが、正直、リターンがなんか微妙です。
SA2→ODボルシチダイナマイトと繋がない限りは強スクリューに劣るリターンしか出ない上、画面端であってもサイクロンニールキックの方が同じゲージ消費量で500程高いダメージを出してしまいます。
対空でパニッシュカウンターした際に追撃が可能な点は美味しいですが、あんまりそう毎回起きることでもありませんし、基本的には画面端で22F未満の有利フレームを得た際の追撃として使いましょう。
他の特殊やられ技より発生が早いので頑張れば差し返しに使え、画面端付近であればラッシュニーバットを絡めたコンボが入る他、結構活かすのは難しいですが頑張ると一段とリターンを引き出せる機会が増えたように思います。
色々と魅力もありますが、基本的にはこれは大量の強化の代わりにめくりには弱くしよう、という弱体化点と捉えた方が良いと思います。やはり真上への対空能力を失うのは素直に苦しいと言わざるを得ません。頑張ってバックジャンプボルシチをしないと……

しゃがみ強K 攻撃発生前(11F目)の足部分のやられ判定削除+攻撃持続中の前方へのやられ判定縮小

これ、実はザンギエフのマイナスの個性が治った強化なんです。
なんとザンギエフ様、これまでは今作で唯一の「中足より大足の方が判定が弱いキャラクター」でした。
ストリートファイター6は全体的に殆どのキャラの中足の判定が全技中最弱クラスで非常に弱く、大足の判定が強めになるという傾向がある中、ザンギエフだけは「スト2じみた判定の中足」と「周りのキャラクターの中足よりちょっとマシ程度の判定の大足」という不思議な仕様だったのです。
厳密な調査は出来ていないので、まだ中足に勝るレベルまで判定が強化されたかは分かりませんが、大足としてはかなり判定が弱かった点が是正されるのは有り難いところ。
どう強化されようが所詮は投げキャラ、逃げる相手にはどこかで大足を当てて転ばせないと中々捕まえられませんからね。その性能がほんの少し安定するだけでも、メリットは絶大です。

ジャンプ強K(ホールド) コンボヒット数に以下略

見かけ上のバグが治っただけなので気にしなくていいです。

ヘルスタブ(↘中P) SA/ドライブゲージ増加量強化

実際のところ、ドライブラッシュを絡めたコンボで使用する機会の多い技なので、ドライブゲージよりSAゲージの増加量強化の方が恩恵が大きいと思います。
そして、次の項目こそが「真のヘルスタブ強化」なのです。

ヘッドバット(前強P) ダメージ増加(900→1000)+ヒット時硬直差改善(+6F→+7F)+SA/ドライブゲージ増加量強化+ガード/パニッシュカウンター時ドライブゲージ削り量強化

なんと、ヘッドバット→ヘルスタブがノーマルヒットで繋がっちゃいます。
これによりヒットガード問わず入れ込めるようになった上、起き攻めの打撃択のリターンも大幅に強化。
そもそもノーキャンセルでヒット確認からヘルスタブが超容易な程に余裕があるので、起き攻めの打撃択はリターンだけでなく簡単さの面でも数倍に強化されたと言えます。
元々ヘッドバットは「ガードさせて+4Fでキャンセル可能でリーチは短いとはいえ判定自体は硬くノーマルヒットでもコンボ可能で威力も高くヒット確認猶予も長く対空ヒットで叩きつける」という全技中トップクラスの「ザンギエフ以外が持っていたら即刻消されていた性能」を持っていたので、更にここまで強化されてしまうといよいよ訳が分からない強さに達しています。
なんというか、ストップと言ってもいくらの醤油漬けが丼に盛られ続けて止まらないような気分です。本当にこんな技が令和の格闘ゲームに存在して良いのでしょうか。

ニーバット(前中K) ダメージ増加(600→700)+硬直減少(14F→13F)+ヒット時硬直差改善(±0F→+1F)+ガード時硬直差改善(-4F→-3F)+ヒットバック縮小+ドライブゲージ増加量強化+ガード時ドライブゲージ削り量強化

またまた凄い強化がやってきました。
持続当てからの小技で相手を固めてどこかでコマンド投げとの択に移行したり、足払いを飛び越えて攻撃したりといった様々な強い使い方をされるニーバットが、なんと確定反撃無しに。
ヒット時も当て方を問わず有利フレームが取れてしまう為相手は無敵技以外で暴れられないなど、相手に択を強いる技としての質が圧倒的に高まりました。
全体的な硬直差が強化されたという事はつまり持続当てで有利を取るのも簡単になったという事で、いよいよザンギエフの近距離戦が地獄めいた強さになりそうです。
っていうか、本当に良いの?多分、初心者帯のプレイヤーはこれだけで一生ハメ殺せるよ?

サイクロンニールキック(前強K) ガード時硬直差改善(-12F→-9F)+持続3~4Fにコンボ拾い用判定追加+硬直中の足元の喰らい判定拡大+ガードバック拡大+SA/ドライブゲージ増加量強化+ガード時ドライブゲージ削り量強化+硬直中に後退するように

文字数が、文字数が凄い!(これでも公式よりは削っている)
足元の喰らい判定が拡大した事によりしゃがみ中キックでの反撃を受けやすくなった一方、硬直差の改善や距離が離れる要素が追加された事により先端当てのリスクは大幅に低下。
リュウのようにそこそこしゃがみ中キックの距離自体が長いキャラならば確定反撃を取りやすいものの(リュウの中足がなかなか当たらないのはリーチではなく相手に近寄る能力の低さが原因だ)、これがしゃがみ中キックの短いキャラだとさあ大変。
万が一パニッシュカウンターしてしまえばとんでもない致死ダメージを叩き出す中段の奇襲技が、相手によってはとんでもないローリスクで飛んでくる事になります。
ラッシュから出して先端当てなんかしてしまった暁には、もう昇龍拳とドライブインパクト以外のリスクは無いとすら言えるでしょう。
結構な突進力のある技なので、ザンギエフの接近能力を引き上げる強化と言えるのではないでしょうか。

因みに、コンボ用の判定が追加された割には、下強Pのパニッシュカウンターから出しても少し遠いと空振ります。なんなんだアンタ。

スメタナドロップキック(↘強K) SA/ドライブゲージ増加量強化+ガード/パニッシュカウンター時ドライブゲージ削り量強化+パニッシュカウンター時に画面揺れ追加

まあ、うん、基本的な振り方の変わらない強化がロマン技に来たね。
通ったら、格好良いと思う。

ロマン技(隠語)すぎて、恩恵もなければ語る事も無い。

フライングヘッドバット(垂直ジャンプ中に上強P) ダメージ増加(800→900)+SA/ドライブゲージ増加量強化

一点読み空対空で「テメーの浅い考えなんか全て割れてんだよバーカ」と優越感を得て、ケタケタ笑う為の技です。
まあ、特に言う事はありません。こういう技で凄いダメージが出ると気持ちいいので、はい、良いことなんじゃないかと。

マシンガンチョップ(中P→中P→中P) 初段のヒットバック縮小+初段の攻撃判定拡大

中Pの項目をチェック、だ。大体同じ話だからな!

ストンピング(下下中K→中K→中K) 2段目を必殺技キャンセル対応に変更

ついに、プロレスラーっぽさの演出の為だけに何も考えずに実装したとしか思えないクソ性能でザンギエフ使い達から生ぬるい視線を向けられ鼻で笑われてきたストンピングにも強化がやってきた。
2段目が必殺技キャンセル対応になったので、起き攻めで相手の起き上がりに重ねて、ヒットしていたらキャンセルダブラリを出したりガードされたら3段目まで出してラッシュキャンセルしたりといった使い方ができる。
で、必殺技キャンセル対応のしゃがみ弱Pをガードさせて有利Fが取れるザンギエフでこれを使う意味は?

ダブルラリアット ダメージ増加(1200→1400)+SA/ドライブゲージ増加量強化+最終段のコンボカウント始動値、加算値を減少

要するに、火力を伸ばしつつコンボの中継として組み込みやすくしたという内容です。
ノーマルダブルラリアットから拾うコンボは……あったっけ?とはいえ、ザンギエフの打撃択はたいていダブルラリアットで締めるので、このちょっとしたダメージ増加がかなり効いてくるはず。
スタンさせた相手にバックジャンプ→ダブルラリアット(右シフト)で最終段がヒットし、そこからヘルスタブ→ODラリ→ODボルシチのいつものコンボが可能になったそうです。簡単なのに鬼のように減る……

ODダブルラリアット 初段のダメージ増加(500→700)+SAゲージ増加量強化+先行入力受付時間延長(5F→8F)

しっかり根本からフルヒット(2ヒット)しない場面も多いにも関わらず、発生や対空無敵が少しノーマル版より早いからと使わざるを得ない場面が多いこの技。ちょっとしたダメージ増加も無いよりはだいぶ良い。
先行入力の受付時間延長は画面端などでODボルシチダイナマイトに繋ぐ際に恩恵が得られるのだろうか?ザンギエフの無敵技ガード後の火力などを支えるコンボパーツなので、言うまでもなく、安定すればするほど嬉しい。

スクリューパイルドライバー SA/ドライブゲージ増加量強化

ザンギエフって結構、ドライブインパクト後のコマンド投げで頑張ってゲージを回収して戦うようなところがあるんですよね。
今回のアップデートでゲージ回収能力が強化されたので、これまでよりスクリューのゲージ回収の必要性は減ったとはいえ、それでも一発で大幅に回収できるチャンスは非常に有り難いものです。

ODスクリューパイルドライバー SAゲージ増加量強化

まあ、特に言う事は無いといった感じ。
インパクト後にSAゲージ回収を優先する場合はODロシアンスープレックスを使った方がゲージ回終了が高いので、あくまで火力優先時に付いてくるおまけが美味しくなった、というくらい。

ボルシチダイナマイト 空中の相手に追撃可能に(ただしOD版より制限が厳しい)+コンボ補正20%追加+コンボ時のみ攻撃判定をOD版同等に拡大+SAゲージ増加量強化

ドライブインパクトの壁バウンド時やフライングヘッドバットヒット時、立ち強Kが対空でパニッシュカウンターした際など、ある程度状況限定ではあるものの空中コンボでノーマル版ボルシチダイナマイトが繋がるようになりました。
基本的に一発当てた後の追撃にしか使えない、といった具合の制限で、例えばドライブインパクト壁バウンド→ヘルスタブ→ODダブラリ→ODボルシチといったこれまでの定番コンボを置き換える事は出来ない仕様になっています。
お世辞にも使い所が多いとは言えませんが、ドライブインパクトで壁バウンドさせた際、通常のノーゲージコンボであるヘルスタブ→ダブルラリアットと比べて状況は悪いもののダメージは少し高いので、倒しきりや大きな体力リードを作って待つ時などに使えます。

ODボルシチダイナマイト SAゲージ増加量強化

だーかーらー、こういうのあんまりなんとも言えないって。特にコンボ以外で当てないこういう技の場合は尚更さ!

ロシアンスープレックス SA/ドライブゲージ増加量強化

ドライブインパクト後などの確定状況で、起き攻め状況を優先した択としてしばしば使われる技です。
SAゲージ回収量が他のコマンド投げより少し高いので、ザンギエフの強みの一つであるSA3匂わせバリアを使いやすくなりました。

ODロシアンスープレックス SAゲージ増加量強化

これだけは、唯一この手の強化の中で特筆すべき価値があります。
なんと回収量は破格の6500に!驚くべき事にこれは旧バージョンのスクリューパイルドライバー2回分とほぼ同等であり、ドライブインパクト後に繋げばSAゲージが0.9本ほど貯まってしまいます。げに恐ろしき。
もちろん起き攻め状況も良好なままであり、確定状況での今後の展開を優先した選択肢としての価値が大幅に跳ね上がったと言えるでしょう。

通常/ODシベリアンエクスプレス SAゲージ増加量強化

やっぱなんとも言えないよね。補正切りでぶっ壊しに行く機会が多く、結構楽しい技です。

ODシベリアンエクスプレス(遠距離版) 出始めのアーマーで攻撃を取った際に生じる加速力が向上

これ、実は隠れ目玉強化です。
これまでもODシベリアン遠距離版の出だしにはアーマーが付いており、このアーマーで相手の攻撃を取ると加速していましたが……その加速力が大幅に強化。
殆どワープじみた超高速で、両手を掲げたマッチョが黄金に輝き疾走します。いや、このスピードはもはや疾走を超えて飛翔かもしれない。
ものすごく見た目がアホですが、なにげにダルシムなどを掴みに行ける確率が上がっているので、絵面の凄まじいアホさの割にはピンポイントなキャラ対策としてものすごく実用的です。
ダルシムに対してであっても決して見てから押せる技ではありませんが、相手の技振りのパターンを耐えつつ見て「あ、この人はこのタイミングでズーム攻撃を押すんだな」というリズムを掴んでぶっ放すと想像の100倍くらいのスピードで突っ込んでいって投げてくれます。
もう技名を変えていいと思います。もうシベリアンTu-160とかにしましょうよ、これ。たかだか特急列車如きで例えて良い速度じゃないですよこれ。(Tu-160=ソビエト連邦が開発した超音速戦略爆撃機)
まあ、対ダルシムを除けばネタ技を卒業するほどでは無い気もしますが……モダンだとどうなるのでしょうかね?

ツンドラストーム 当身判定を内側に拡大+当身成立後の掴み判定持続が延長(2F→3F)+背面からの攻撃を取らないように

まあ、うん。

決まったら、嬉しいよね、うん。

いつ使うんだろうね、うん。

総評

全体的に、6のザンギエフがどういったキャラとして定義されているか、を強く感じる調整です。
「限られた近距離用の大技を頑張って狙いに行く、それまでは地道な技でコツコツと積み上げる」というコンセプトを実現しやすいように、と入念な強化が施された内容だと解釈しました。
そして何より、モダンザンギエフの強化幅が圧倒的!
これまでのモダンザンギエフははっきり言ってスクリューとワンボタンSA3に価値を依存しすぎていて、それ以外の部分はかなり重要なポイントが抜けてしまっているキャラクターでした。
そういった部分のかなり多くが大幅に改善された事で、これまでと異なり万人に胸を張って勧められるキャラクターに進化した印象です。

一方で、立ち回り自体の強度は細やかなリーチ上昇が殆どの為、体力リードを取られて距離を作られれば苦労するという点においてはこれまで通り変わらず苦労する事になるでしょう。
総合的に見て超大幅強化でありながら、「ザンギエフというキャラクター自体の弱点」は絶対に消さない、弱点据え置きで長所を伸ばしザンギエフらしい苦しむ喜びを存分に味わえる調整になっています。
これで良いんです。これがやりたい人が、痛くないと気持ちよくなれない人が、蝋を垂らされて喘ぐような人だけがザンギエフを使うんです。今回の評価に点数をつけるなら、100点満点中9億点はゆうに超えるでしょう。

全てのCAPCOMに感謝。

おまけ:ザンギエフ対豪鬼

強化とは無関係ですが、「梅干しおにぎりを3口で完食すると嬉しくなって新技が三つ増えるおじいちゃん」こと豪鬼の実装についてもザンギエフ視点で触れておきましょう。
相手の対空技に強いはずの斬空波動拳に対して対空無敵と弾無敵を同時に持つダブルラリアットが非常に好相性で、またダブルラリアットのワンボタンで素早く反応できる上に対空技の中でもかなり持続の長い性質が百鬼襲に対して比較的強いなど、意外にも豪鬼の奇襲技由来の強制力は安定して封じて戦える印象でした。
少し詳しく説明すると、斬空波動拳は弾無敵だけでなく対空無敵でも抜けられる特殊な判定の弾になっているものの持続が長く弾速が遅い為、普通の対空無敵技では豪鬼に当たる前に対空無敵の持続が切れて弾を喰らってしまう事が頻発します。ところがダブルラリアットは対空無敵と同時に6F~45Fという驚異的な長さの弾無敵を併せ持つ為、対空無敵が切れても弾無敵で斬空波動拳を抜けて豪鬼本体を殴るまでグルグル回り続ける事ができる訳です。
一方、歩き速度の差が尋常じゃない、二段技の強Kがこちらの強Pのアーマーを貫通する、波動拳の回転率が常軌を逸したレベルで早くザンギお得意の飛びが機能しづらいなど、地上の横押しが非常に辛い印象です。
特に豪鬼の強Kはザンギ強Pのアーマーを貫通し、しゃがまないと最強の性質によってただでさえ遅いザンギの歩きを抑制する事で地上戦の主導権を完全に豪鬼のものにする、といった形で地上戦の読み合いの中心になります。多分、1ラウンド中に歩いている距離に4倍以上の差が出ていると思いますね。
「ザンギ強Pのアーマー、に対して勝つ豪鬼強Kの二段ヒット、の対策であるしゃがみガード比率の高い歩き、に対して強い弾、に対しての強Pのアーマー」と地上戦の技振り自体にじゃんけん要素が非常に多く、まあやっていてかなり面白いですね。
ただ豪鬼は起き攻めのチャンスが多いので、起き攻め拒否能力が恐らく全キャラ中下から数えて2番目レベルに弱いザンギエフではかなり対応に苦労します。となるとゲージ回収を意識して立ち回って、SA3は温存した方が良いかも。
そしてなんといっても豪鬼は体力が唯一9000と低く、ザンギエフとの体力差は中足ラッシュ1コンボ分に達するレベル。一度ザンギエフが捕まえる事に成功すれば想像以上にあっさりと、「なんか死んでた」レベルであっさりと死にます。
いくら強化されたとは言えキャラクターの骨子は今まで通りの遅くて重いザンギエフであり、苦しい時間はしっかりと苦しみますが、それでも意外と戦えるカードのようです。

余談

スト6作中でも屈指の詰みカードとして知られるザンギエフ対リリーですが……

投げられる側に回ると途端に弱いザンギエフに対しリリー側は投げと打撃の二択を迫れるチャンスが増加した為、ザンギエフ自体は強化されたにも関わらずこのカードは悪化しました。
ついでにリリーの中足も強化されたので、もう目が合ってしまえば終わりです終わり。閉店閉店どんがらがっしゃん。

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