私が弱キャラを初心者に勧めない理由【スト6】

とら さえおれのまえ では ねこ になる さしずめおまえは ねずみ といったところか!リュウザンギモェイミー使いの錆繼です。

さて。さくっと使い手を名乗った3キャラ、ここの共通点。分かりますか?

リュウ。スタンダードな性能と高火力を持ちつつも、あらゆる要素が絶妙に他キャラに劣る悲運の雄っぱい見せびらかしマッチョ。
ザンギエフ。パニカン確反の爆発力、長い牽制、痛いコマンド投げの代償にその他ほぼ全てを取り上げられた雄大なる筋肉ダルマ。
ジェイミー(モダン)。ストリートファイター史に汚名を刻むクソキャラ達のすべてを併せ持つ代わりに、エンジンがかかる頃には大抵追い詰められている稀代のドスケベチャイニーズ。

そう。すごくエロいんです。
あと、どうしても弱いんです。

さて。
これだけ弱キャラばかりを使ってくると、いよいよ弱キャラ学においても多少何かが見えてくる部分がある。
何より最も見えてきた事は、「初心者は理由がなければ弱キャラを使うべきではない」という事だ。

もちろん、広く逞しいリュウの背中にメロメロになってしまったのであれば、酔って熱を帯びたジェイミーの腹筋に目を奪われてしまうのであれば、そういったキャラクターを使う以上にモチベーションが出る事は無い。
結局モチベーションが何より大切であり、使いたいキャラクターを使うのに勝る事はない。それは言うまでもなく大前提だ。

しかし、そういった理由もなく、「なんかスタンダードっぽいからリュウを使おう」「操作簡単そうだからモンギ使おう」「んージェイミー?なんとなく。」といったキャラクター選びをする場合。

お前は全裸で茨の道に突っ込んだのだ。
しかも、やたらと遠回りな。

まずはルーク辺りの、強くてスタンダードなキャラクターの試合映像などを見てみてほしい。
中攻撃で牽制。上手いこと固め。リスクを抑えた連携から展開を継続。ラッシュ入れ込み以外にも、コンボの選択肢も多彩で、状況に応じて多くの戦い方を選択している。
ストリートファイター6において「あるべきプレイ」を繰り広げている筈だ。まあちょっと強い技が強すぎるのは御愛嬌。

次に、同じ「スタンダードな道着キャラ」でありながら弱キャラの地位を盤石としたリュウの戦いを見てみよう。
そこには硬直の重い強攻撃を嫌々振り回し、苦し紛れのラッシュ中段で突っ込み、何のリターンもない中Kの先端でちまちま触る奇妙な生物の姿があるはずだ。
ダメージが欲しくなったら毎回のようにラッシュキャンセルを乱用して、すぐにゲージを使い切る。燃費は本当に最悪だ。
ハイリスクな大足を当たり前のように立ち回りでぶん回す。発生の超遅い強波掌撃で隙間の空きすぎたガバガバぼったくり連携を擦る。だってローリスクな技で連携を締めても当たったとてちょっとダメージを取ってニュートラルに戻るだけだもの。

そう、弱キャラはプレイヤーの行動を歪める。
弱いキャラクター性能でどうにか抗おうとすると、スト6というゲームの常識通りの行動ができない。
確かにある程度スト6の勉強にはなるが、それ以上に身につくのは「リュウの誤魔化し方」だ。
一生コパンを刻むだけのどうしようもない連携で締めざるを得ないのはこの地球でザンギエフだけである。

弱キャラで育ったプレイヤーは、他キャラクターに触れる時にまず「常識を学び直す」という部分から始める事になる。
そしてスト6の常識を良く知れないという事は自分が攻めるときだけでなく、相手の行動に対応する時にも重い問題になる。
成長は遅くなる上、納得できない負けも増える。何処をとっても、弱キャラを選ぶ事のメリットは初心者にとって全く無い。
苦しい割に何のメリットもない、まさしく「遠回りな茨の道」だ。
そのキャラクターへの愛という鎧があるのなら、よい。茨の道でも、気持ち良く進むことができるかもしれない。実際、今私はリュウやザンギエフを使っていて、全身を毎秒快楽が迸るような喜びを得ている。これは愛の為せる業だろう。
だがそうでもなければ、その愛すら無いのであれば、全裸でもろに茨が身体に突き刺さるようなものだ。

だから皆、口を揃えて示し合わせたかのように言うのだ。「取り敢えずルーク触ってみよ?」と。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?