(旧バージョン)モダンリュウのつかいかた忘備録

アップデートにより戦い方が根本的に変わった為、この記事の内容は完全なゴミと化しました。
後日、令和最新版を作るので待っていてください。

世界最高の神ゲー、ストリートファイター6が発売されてはや8ヶ月。多くの強キャラクターを中心にだいぶキャラクター評価も定まってきたが、中には誰にも語られないキャラクターも存在する。
新規プレイヤーや復帰プレイヤーといった初心者層がまず真っ先に使うであろうモダン入力リュウもその一人で、クラシックリュウの多用する技が欠如している時点で見捨てられてしまったような節を強く感じる。
何かしら格ゲー界隈に貢献を残したいと思い、そんなモダンリュウをしばらく扱ってみた(今後も続ける予定だ)ので、その中で得た感想などをちまちまとここに記しておこうと思う。


速報 たかしエディション到来

エド実装と同時に行われた小規模調整により多くのキャラに小規模な調整が行われる中、ただ一人リュウのみが非常に多くの上方修正を受けました
立ち回りの根幹は全く変わらず、相手に触るまでは「若干弾抜けに強くなっただけ」でしかないものの、相手に触れてからの展開の良さや火力、タッチ後のリスク、なにより電刃練気を溜める意義が圧倒的に向上しました。
あくまで小規模な調整という体裁からは信じられないようなキャラランクが一段階上がってもおかしくないほどの偉大パネェ調整で、正直驚嘆やばたんしています。"幻想ユメ"じゃねえよな…!?(忍極は夢澤の兄貴と孔富姐さんが好きです)

とりあえずコレ!

OD電刃波掌撃の威力、ヒットガード後の状況が非常に偉大なので、なんとかしてこれをねじ込む事を軸に立ち回る。
徹底した対応型キャラクターとしてまずは距離を取り、なんとかして遠目のダウンなどの電刃練気をチャージするタイミングを伺う。
チャージ後は一歩二歩と踏み込んで中足、或いは立ち強やアシスト中を使って死ぬ気で触りOD電刃波掌撃を入れ込む。
ヒット時は前ステップ→立ち強→後必(中竜巻)での起き攻めルート(ヒット後前ステップで+9F)か前ステップ→立ち強→弱波掌撃→大足の火力優先ルート(距離を取れるので電刃練気のタイミングが作れる)、立ち強→ラッシュキャンセル→下強→強波掌撃(以下略)の火力優先ルートなど臨機応変なコンボが選択できる。
電刃練気がない状態で火力を出したければラッシュキャンセルを仕込み、下強→強波掌撃といったルートを使おう。足刀で距離を取って電刃練気をチャージ、等も魅力的だ。
基本的にコンボに行ける便利なターゲットコンボなども無く、ラッシュキャンセルやOD必殺技を入れ込む必要性がある分リソースが激しく消費されるキャラクターなので、それを確保する為の立ち回りはリスクを抑えて火力より状況を優先しつつ堅実に凌ぐ事が大切になる。
立ち回りの根幹はあくまでガン処理ガン対応、「とりコレ」ができるのは攻撃を当ててから。
それまでは「とりコレなんて無い」。甘えを捨てて、徹底的に画面を見ていこう。

弱アシストコンボ、便利

5F界最長クラスの弱Kからとりあえず追い払える弱足刀というシンプルなコンボだが、これが中々有用だ。
ド先端ならガードされても反撃を受けにくく(実際には大抵のキャラが取れるがバレていない)、弱Kの硬直の短さも相まって差し返されにくい事から、中距離でとりあえず相手を追い払う時に重宝する。
発生とリーチを活かした差し返し、ラッシュ止め、見てから前歩きを咎める、アクセルスピンナックルのような接近技への咄嗟の対処(これはアシ中ラッシュなどを押せれば最高なのだが)。適当にポチポチ押していればいいので脳のリソースが全く奪われない点も有り難い。
判定は弱いが発生とリーチで技の出だしを潰す事が多く、わりかし雑に振り回してしまっても良い。というより中足の判定が本当に酷いので、必然的に地上戦の主軸の一つになる。
この追い払いに適した性能が「待ちが強い反面に基礎コンボでドライブゲージを多用する為ゲージが枯渇しやすい」性質を持つリュウとはかなりマッチした技で、これの扱いによって立ち中Kの欠如などの立ち回り面の息苦しさが大きく改善するように感じた。
弱攻撃の単発キャンセルという地味に失敗しやすい行動が毎回確実に出るという点がそもそも有り難い、というのもかなり大きい。はっきり言って、これは神の技である。

中アシストを置こう

リュウのしゃがみ中Pの判定が実は硬いという事が、段々と知られ始めている。
リーチこそ短いものの拳に喰らい判定が無く、全体フレームが短い事で差し返しも比較的受けづらく、ラッシュキャンセルでしゃがみ強→強波掌撃が繋がってリターンも高い。
電刃練気チャージがあればOD電刃波掌撃も繋がる。ここから上述のとりコレの章に書いたルートに繋げば、ルークすら青ざめるほどのリターンが得られる。
牽制戦で適当にラッシュを仕込んで振り回し、差し返しの形になった時にラッシュからリターンを狙う。ルークのしゃがみ中Pが弱体化された事も、キャラ性能の差別化という観点では圧倒的に追い風だ。

OD電刃波掌撃、神の一撃

今回のアップデートでリュウが受けた大幅強化、その最大の見所がやはりこの技だ。
ガード後に有利かつ投げ間合いになり、ヒット後はちょっと意味がわからないくらいの膝崩れ状態にでき大ゴス以外ほぼすべての攻撃が好き放題に入る上、前ステップでフレーム消費をして浮かせを選択する事もできる。単体の火力も高く補正値もゆるい上にSA2の最大チャージを入れる事も出来る、本当に明確に最強の技だ。
全要素が強すぎて思わず一括で太字にしてしまった。
もはやリュウはこれを狙い続けるキャラクターと言っても良い。繋がる技全てから出していこう。

大ゴス、意外と振れる。

遅い、とにかく遅い、スパ2X時代のような華が無い。
敬遠されがちな大ゴス(アシスト強)も、実はよく見ると判定が凄まじく硬い。
なんか拳の上の空間に謎のエネルギーが発生している上、拳だけでなく腕の先端1/3ほどに喰らい判定が無く、ラッシュから突っ込んだり立ち回りでおもむろに振ったりすると相手の雑な技を潰す事がイメージ以上に多い。あの狂ったルークの狂った2中Pよりも判定が硬い極めて希少な技だ。
更にエド実装時のアップデートにより発生前のフレームに2F目から俗に言う「影縫い」判定が実装され、間合い内で押すだけで相手の後退を封じる事ができるようになり、おもむろに出した大ゴスを拒否される事が非常に減った。元々ガードさせる事が難しい技だっただけにこれは非常に大きい。
足払いには勝てない点が残念だが……それでもイメージよりかは遥かにイケている。たまに出す分には振り得と言ってもいいのではなかろうか。

「たまに」の域を逸脱した瞬間、死ぬ。

汝、真空波動拳を愛せよ

リュウは守りが硬い。相手が攻めてきてくれている時に真価を発揮する。つまり体力リードを取ると強い。これは社会の定説であり、春麗の脚の太さの次に世間に知れ渡っていると言っても過言ではない。ましてやモダンリュウである。どれだけ気を抜いていてもワンボタン昇龍が敵の甘えた飛びを根こそぎ刈り取る。強攻撃の持続が適当な前進を潰し、弱アシストが適当な中足を追い払う。
なのに何故、「真空波動拳を序盤からガシガシ回して体力リードを取って立ち回ろう」という話があまり出ないのだろう?
ラッシュしゃがみ強→強波掌撃の後に繋がる事もあり、基礎コンボに簡単に組み込める技なのだから、もっと振り回して積極的に待ちのターンを作った方が強いように思える。
そう思い立って実戦投入してみると中々どうして悪くないのだ。そのガタイから発表当初wide Ryuと呼ばれた彼の逞しく美しい雄大な背中は、不動の壁として立ちはだかる時に真の脅威となる。

アップデートにより電刃練気の火力が暴力的になったリュウに、もはや真空波動拳でのリードは不要だ。
SA3に回してリーサルの圧を掛ける、OD電刃波掌撃からSA2に繋いで火力を出す……SAゲージの運用に悩む権利があるなんて、なんと温かいことだろう!
もちろん真空波動拳締めルートも、火力を出しつつ距離を取ってコンボを締められるので電刃練気のチャージを行う余裕が作れう有用性を獲得した。これからのリュウはリソース管理がアツい。

なんだこの中足は

ラッシュキャンセル対応中足、それはスト6における強技の象徴。
元々後ろ歩きに高リターンを出せるという「中足ラッシュの概念」それ自体が高性能な分判定自体は弱いものが多く、春麗以外はだいたい喰らい判定が攻撃判定を包んでいるような有り様なのだが……何故だろう。リュウのものは特に潰れやすい気がする。私が他に使う中足ラッシュ対応キャラクターはジェイミーなのだが、彼と比べても圧倒的に頻繁に潰される。

そう、彼の中足は残念ながら明確に弱い。
下手をしたら、リターンは無くとも相手に当たる分ザンギエフの方がマシかもしれない。流石にこれはやや盛ったか

発生が8Fでありながらリーチが大して長くない上に発生前のかなり早い段階から喰らい判定が大きく前に伸び(ケンより無駄な喰らい判定が3Fも多い)、攻撃時の足回りを見てもケンには無い「上の方の謎の喰らい判定」が追加されている(これによりケンと比べ立ちP系での差し返しに弱い)上に、戻りにも凄まじく大きな喰らい判定が残り続ける。
本当に振るリスクが高く、発生前を毎日蹴り飛ばされ、差し返しも妙なほど頻繁に受け、逆択で押しても何故か潰される。
あまりにもリスクが高すぎて、本当に絶対に先端が良い感じに刺さる位置以外では振れない。そして発生の遅さと判定の酷さにより実質的なリーチが短い為、もはやラッシュで滑りながらでもない限り当たらない。無論そこを更にキャンセルしなくてはろくなリターンも出ず、気の狂ったようなゲージ消費に私の怒りは爆発した。
はっきり言って、立ち回りで振れる技ではない。中足が、である。そもそも押し付け技も持たずさして足が速い訳でもなく立ち強(強P)とアシスト中(しゃがみ中P)以外の判定が軒並み弱いリュウが、この短足の間合いに入り込む事自体が極めて困難だ。
ヒット時のリターンはOD電刃波掌撃が、或いはラッシュキャンセル→しゃがみ強→強波掌撃と繋がりかなり優秀とはいえ、一体全体何なんだろうなぁと使っていて妙な気分にさせられる。
今作のリュウが待ちのスタイルに依存しているのは、この中足の判定が酷すぎるが故に相手の攻め行動をアシスト中(しゃがみ中P)や立ち強(強P)で潰してラッシュからどうこうというスタイルでないとリターン負けを避けられない、という所が大きい。
それでも、それでも振らなければならない。それが中足というものだ。このキャラクターはコマテクが不要である事と引き換えに鋼の意思と大胆で繊細な読みが求められる。

新規プレイヤー向けに解説をしておくと、「中足」というのは「中足払い」、即ち「しゃがみ中キック」の事である。モダンリュウの場合はしゃがみ中攻撃がそれに相当する。「大足」なら「大足払い」、即ち「しゃがみ強キック」。「小足」なら「しゃがみ弱キック」だ。
「足払い」の「足」なので、「しゃがみ中足」「立ち中足」といった表現は明確な誤用である点に注意するとおじ勢と仲良く出来る。

旋風脚は「「偉い」」

前にひょいっと飛ぶ謎の蹴り、旋風脚。
動作が重かったりでいまいち何とも使いづらいが、この技は存在するだけで、一度見せるだけで良い
元々リュウはリーチ差と中足の貧弱さから春麗に中足で追い払われているだけ殆ど何も出来なくなってしまう節があり、何かしらのリスクを付ける方法が求められている。対ジュリにおいても同様に足払いの性能差で酷い目に遭う。
そこで旋風脚である。足元が浮いて、足払いを透かしながら蹴れる。あとついでに、なんかリーチが長い。
ただそれだけのシンプルな技であり、一応躱してパニッシュカウンターを取れば+6Fになり距離によってはアシスト中などが繋がってくれるが、リーチを活かすと繋がらない。本末転倒。
リーチの長さを活かしてラッシュから触る技にも使えるが、しかしかなり深めにめり込まないと何も繋がらない為、リーチを活かすとやはり単発確認OD竜巻旋風脚以外が繋がらない。走る為にもゲージを払ったというのに、ガッデム。
そもそも下段の判定が消えるのが13F目から、攻撃判定の発生が16F目と色々な意味で破滅的に遅く、実際の所は足払いを浮いて透かしているのではなく単純に長さで解決しているだけなのではないかという話もある。
そもそもガードで-4Fであり、前進しながら蹴るモーションのせいでめり込みやすいのもありそれなりに確反を受けやすい。
しかし見せるだけで相手がなんとなく中足を振りづらい雰囲気になる以上は、後述する理由により足払い戦に弱いモダンリュウはこれを振っておかなくてはいけない。
あとはこれを単発確認でOD竜巻旋風脚に繋げる事ができればリターンも素晴らしいのだが……。

強いか弱いかで言えば明確に「クソカス技」なのだが、そういう物を見せて読み合いをなんとかしないと相手によってはひどい負け方をするのがリュウである。
この技の性能は、前作のアレックスの立ち強KからクラッシュカウンターやVトリガーキャンセル時の爆発的なリターンだけを削除したものに限りなく近い。

平等に甘えを狩るモダン昇龍

モダン入力の一番の代名詞といえばやはりワンボタン昇龍。どれだけ気を抜いていても確実に落とせる素晴らしい技であり、あまりの強力さ故についつい縋ってしまう。
相手の甘えたファランクスも、スーパー頭突きも、ローリングアタックも、キャノンストライクも、全てを刈り取る無慈悲なワンボタンである。相手が頭突きだけで「勝たせてもらって」きた甘えた本田なら実際、これだけで勝ててしまう。
……ルークやケンであれば、ここで話を終わる事が出来ただろう。しかし彼はリュウである。
そう、彼の昇龍拳は最も横に長い強昇龍拳であっても尚、頻繁に距離不足で空振りする。
兎に角微妙な距離の飛びに非常に弱い。飛んだ側に透かさせる気が無くても透かし飛びになってしまう事が多々ある。
ついでに力士の尻に弱い。百貫落としに対してついうっかり押してしまうと、ほぼほぼ確実に空を切る。
クラシックでは遠距離の対空に用いていた立ち大Kも無く、また半端に前に出るせいで深い飛びにも強昇龍は弱い為……モダンにしてはかなり高度な判断力を対空に求められる。遠目には真空波動拳も候補に入るだろう。引き付けての昇龍や、コマンド弱昇龍なんかも時には必要になる。「ついうっかり」「とりあえず」で押してはいけないボタンなのだ。
甘えた技は全て刈り取り、甘えた対空をすればすぐに裏切る。ワンボタン昇龍までもが徹底的に硬派な男、それがリュウだ。

立ち強攻撃は「何かを起こす」

リュウの強みといえば、で真っ先に挙げられる立ち強P。
全体動作は重いがリーチと持続が長く、判定も優秀で当たった時のリターンも絶大。流石にこの技は明確に強い。
相手のラッシュを遠目で見れた時や相手が前に出たがっている時などに振ると中々どうして勝ちが近づいてきて本当に良い技だ。が、やはりメイン技のように振り回すには硬直が重たい。
縋るとすぐに差し返される。飛ばれる。痛い目を見る。
発生が遅い上に前に踏み込んだ足に攻撃判定が出ているせいで非常に足元を蹴られやすく、足払い戦においてはかなりハイリスクな技になっている。だからこそ、無理をしてでも旋風脚を使うのだ。
だいたい試合が動く時は、そこにこの技の影がある。

虎だ、虎だ、お前はサガットになるのだ

砲台。旧作においてサガットが得意とした、言うなれば「強すぎる波動昇龍」。タイガー!タイガー!タイガー!タイガー!タイガーアパカッ!私の前作の持ちキャラであるアレックスはあれをされるだけでだいたい詰んだ。
そして今作のリュウも、どうやらこれをしなければならないようだ。
そもそもこのキャラクターは、基礎コンボのゲージ消費が重い。コンボに繋がるターゲットコンボや楽に繋がる技が無い以上、触った瞬間にラッシュキャンセルでゲージ三本を必要とするのはだいぶ苦しい。
ましてやモダンリュウは弱竜巻がなく、地上ヒットで置き攻めを継続できる手段が無い為に、強波掌撃→中竜巻→ステップといったゲージ消費の重いルートを常に選び続ける事になる。
そこで砲台である。まず弾を撃ち、相手のペースを見て、弾を撃つ。ガードさせて、待って、時間を稼いでゲージを稼ぐ。サガットだ。ワロスだ。お前はムエタイになるのだ。どうだタイガーの掛け声が聞こえてきただろう。そのうちデヨも聞こえてくる。
だがお前のパンツは青くない。計画的に人間に戻らなくては、まあなんかこう酷い目に遭う。

バージョンアップによってOD電刃波掌撃が強化された為、この弾撃ちに「電刃練気のスキを作る」という明確な目標ができた。
このチャージの有無でリュウの火力は桁違いに跳ね上がる。溜めたら最後、弾撃ちモードはおしまいだ。

意外と運べる中竜巻

奮迅竜巻旋風脚のあまりに鮮烈な運び能力から、「ケンといえば運び」「対してリュウは運べない」という感覚が我々プレイヤーには強く染み付いている。
しかし実際の所、リュウも中々どうして運び能力は高い方なのかもしれないという考えに至っている。ケンと比較すれば惨敗である事は言うまでもないので今更気にしてはいけない。伸ばせば端から端まで運べる様な奴と比較する方が間違っている。
まあシンプルな話である。強波掌撃→中竜巻をコンボに絡めると2/5ほど運んだ上で置き攻めが付いてくる、というコンボが中足ラッシュから繋がるのだから、もう十分以上だろう。更に画面端に届けば強波掌撃が重なり、ガードでも投げ間合いで+3F、ヒットで弱波掌撃→弱昇龍拳が繋がる。素晴らしい。
具体的には、この技を空中でヒットさせると前ステップ時に投げ間合いで+9Fを取れる。運び距離も長いので……あれ?強くね?
また運びとは関係ないが、画面端で地上ヒットさせた場合に中足刀と弱波動が持続重ねになりどちらもコンボが繋がる(基本的には弱波動の方がリターンが高い)点などもあり、意外とネタが多い技だ。

恐怖の足払い戦

ストリートファイターといえば、道着といえば、そのスタンダードはやはり足払い戦だ。今作においてもやはり、足払い戦から状況を作ってリターンを取り勝つような試合展開が非常に多い。
間合い調節で機を伺い、下段で相手の足を止めて有利状況を作る、そんなストリートファイターの基本。それがモダンリュウはかなり難しい。
判定がほぼ全ての技に一方負けするレベルで非常に劣悪で発生の遅い中足、発生の遅さと足元判定により足払いで蹴られやすい立ち強、リーチと発生こそ優秀なもののやられ判定が早く出る為置きに弱い弱アシスト。
クラシックリュウであれば足元の喰らい判定が交代する立ち中Kを軸に中足を牽制して黙った所に何か仕掛けに行くのだが、モダンリュウはそれを失っている。
唯一真っ当な判定をした下段である代わりにガードされれば-12Fを背負い殆どのキャラからフルコンボを受ける大足(3強、しゃがみ強K)、リーチも長く下段を透かす事こそできるもの足が浮くのが13F目からと非常に遅い上に少しでもめり込むと4F技が確定する旋風脚(前強、前強K)などを先端で当てに行き、判定こそ強固なものの極めてリーチの劣悪なアシスト中(しゃがみ中P)でなんとか相手の中足の先端を殴り返す。たまに上段足刀蹴りを置くと距離を取れる事もあるが、差し返しは容易だ。
なお、頼みの綱のアシスト中も足元を中心に若干判定が残り気味なのだが、22Fという優秀な全体硬直の短さによりこれはあまり問題にならない。短いだけでこれは明確なガチ技だ。この技で気合の差し返しを決めた時だけは立派なリターンが出る、具体的にはルークの90%くらいのものが。
パーツが無いのではない。差し返しも擬似的な下段無敵も、一応は長い下段もある。しかし一つ一つのパーツの役割が非常に極端で、どれも読み勝てなかった時のリスクが大きい。安定択が無く、相手に読みの面で少しでも劣った瞬間に致命傷を負う。それでも頑張って技を振らなくては相手に好き放題歩かれてしまう、怪物から綱渡りで逃げるような恐怖。
足払い戦でリターンを得る為のパーツが尽く弱く調整されていて、少しでも欲を出したり他の強キャラの真似をすると酷い目に遭う。

とはいえ、身を守るだけならラッシュと上と中段だけ見つつぼっしゃがで待ち、適切な距離で弱アシストや小技で割り込めば良い。無敵技の存在と他より長いキャンセル可能な5F技は明確に大きな魅力だ。身を守る事だけなら、これでも強い方には変わりない。

ラッシュ投げ毛魂」と書いて「こんにちはスパークリング」と読ませたい

リュウの前投げは強い。投げ後の状況が兎に角優れていて、絡みつくような攻めを継続できる。どの強キャラと比べても、投げ後の状況だけは胸を張って誇れる。
これが周知の事実である以上、兎に角走り込み触り投げる。緑に光り、投げる。投げ続ける。相手が投げを恐れれば恐れるほど他の択が通る。当て投げ!直投げ!やあ、これはシミー強パンチだよ。シェフの気まぐれ柔道~突然の大ゴスを添えて~
いくら不遇と言われようとも、投げからの読み合いの質に関しては間違いなく最上級だ。強い、絶対に強い!
強引に前投げを見せるという行為がリュウの戦略においてどれほど重要な事項であるかを再認識させられている。ここからの択以外では一生中足を振れないが、逆に言えばこここそが中足チャンスである。中足も判定が壊滅的なだけでリターンは悪くない技だ、存分に振り回そう。

割といけるぞ、不破三連撃。

リュウの置き攻め優先コンボといえば?そう、不破三連撃だね。
密着の中重ねから確認して中中中と押すだけの安定コンボ。ラッシュ中段も下段も重なる安心感。ターゲットコンボ故の優れたゲージ回収、実は結構良い火力。
同じく置き攻め優先で使われる弱竜巻が無い以上、モダンリュウではこれが本当に要になる。実は弱竜巻より火力も出てベネである為、クラシックリュウも積極的に取り入れるべきかもしれない。
アシスト中(しゃがみ中P)にラッシュを仕込んで置き、判定の強さで噛み合ったら不破三連撃に行き、ラッシュから中段か中Pか投げか小足辺りを重ねに行く。ノーゲージの攻め継続はリュウを使う時点で諦めよう。(一応画面端で中竜巻を当てればノーゲージで攻めが続く)
中P弱K強Kというクラシックのボタン運びの珍妙さも、通常技だけのダサいターゲットコンボも気分的にしっくり来ないかもしれないが、黙れ、受け入れろ、黙れ。逆らうな。俺がルールだ。
ところで不破三連撃に含まれる「ふわさん」部分でどっかのゴリラを思い出すのは私だけだろうか?アサルトウルフが一番好きです。

リーサルは妥協コンボを捨てろ、無慈悲であれ

画面端!リーサル場面で強攻撃を引っ掛けた!ラッシュ下強強波掌だ!次に君は真・昇龍拳を狙い、強昇龍拳をスパキャンして繰り出す。

君の拳は空を切る。ゲージ三本はドブの底へと消える。

兎に角リュウのSA3はロック判定が小さい。画面端の強波掌撃から多少遅れても楽に繋がる強昇龍拳、そこからキャンセルすると高確率で空を切る。
常に正しく弱波掌撃→弱昇龍拳→SA3と最大ルートで繋ぐ事を習慣づけるべきだ。まあ他に繋がるルートが無い訳ではないが……覚える意義がないし、なにやらしっくり来ないものばかりだ。
インパクトを画面端でガードさせた時も、きちんと強→強→弱昇龍→SA3であったり、強→弱波掌→強昇龍→SA3といった正しいルートを選ばなくては繋がらない。強→強昇龍→SA3では確実に空振りしてしまうのだが、プロゲーマーどぐらはこれを知らなかったが故に怒り狂い、その無知をたかしに責任転嫁する様は端から見ていると中々に……ウケた。主に中堅以下のプレイヤーの世論のかなりの割合は彼の動画によって形成されているのだから、こういった所はシビアであってほしいとも思う。
だが、このルートで繋がらない方がおかしいのは間違いない。

リードを取られた時の絶望感が凄い

ここまでに挙げてきた通り、このキャラクターは徹底的に「相手がなにかしたところを潰す」という行動以外全てが弱い。
強技というと前進に噛み合った時の火力に全振りした強(強P)、判定で牽制を潰す為だけのアシスト中(しゃがみ中P)。それくらいのものだ。
つまり相手になにかしてきて貰う必要性があり……リードを取られて逃げられれば最後、この劣悪極まりない攻め性能でなんとか壊しきらなくてはいけなくなる。
はっきり言って無理難題だ。頭が痛い。だから長くて中足をすかせるラッシュ旋風脚などで触りに行きたいのだが……当たっても殆ど繋がらず……たかし、私の胸で泣いていい。

妙に弱い技の数々

引き強(引き強K)のかかと落とし、スト2を知る者はネリチャギと呼ぶそれは本当に救い難い弱さを誇る。
発生10Fでコパン同然の激短リーチ、その割には判定も強くなく、挙げ句密着ガードで確定反撃を受ける。ラッシュから出しても何故かキュっと止まり、コンボにおいても明確に無意味。
一応頑張って考えてみると、二段ヒットがちょっとインパクトに強いので起き上がりに重ねる事ができる強攻撃というポジションなのだろうか……?確認してもう一回押せる中パンチがあるというのに……?ガードされれば確反である以上ラッシュキャンセルをしなくてはいけないのに……?いらない。あまりにも、いらない。

中波動拳はシンプルに役割が無い。基本的に弾撃ちの緩急は弱と強で作るので、中途半端で固有の役割を持たないこれは明確に振る理由がない。
一応弱波動と強波動「に見せかけた中波動」でペースを作ると稀に強波動の対処に失敗した相手が被弾してくれる事もあるが、それだけ読み合いと相手のミスに依存しておいてリターンは波動拳一発分……つまり600ダメージ、全体力の5%程度である。雀の涙という言葉がこれ以上似合うものはない。
何度も言われている事だが、電刃練気中の波動拳は中波動拳以外変化しない仕様にしてほしいと本当に本当に思う。

OD上段足刀蹴りはSA2最大溜めを使える希少な技だが、元々クラシックでも無駄に補正が重く、モダンによって更に補正が悪化するので火力自体がそもそも低く、更に画面位置にあまりにも性能が依存しすぎると褒める所がまるで無い。悪ふざけのようにしか思えない

っていうか本当は中足もこっちに入れたい。置き攻めなら小足を使う。立ち回りでは判定が酷くて振れたもんじゃない。投げ周りの読み合いか、或いはラッシュから触る為だけの道具で(ゲージ4本消費)……そのラッシュがやたらとスローモーション。舐めるな、本気で走れ。

かつてここに波掌撃の名が連ねられていたが、エド実装時のアップデートによって徹底的な強化を受けた為、カス技連盟からは除名となる。
「ダウンを取らない弾消し打撃」という点から前作アレックスのフラッシュチョップと性質は似ているが、「リーチが長く牽制になって弾抜けDDTや弾抜けオーバーチェインといった他の使い道もありゲージを吐けば吹き飛ばせる上に当てた後の状況が打撃とコマ投げの択になりVスキル次第では高リターンコンボにも行けて闇ドロップというクソ壊し連係も使えるフラチョ」と「ガードで確反を受けずODによる攻め継続も可能でコンボパーツにも使うが絡め手は無い波掌撃」でだいぶ役割が異なる。以前はここに挙げた波掌撃の強みは殆ど存在しなかった、というのが驚きだ。尚、中波掌撃に限れば、本当に役割がないのでクソ技続行である。
また同じく、ここに挙げられていた電刃練気も、OD電刃波掌撃によって超火力を支えるリュウの軸になったのでカス技連盟からは除名される。
電刃練気を持った状態のリュウに触られるだけで意味不明なダメージが出る。本当に、怖い。

本当に君はモダンなのかい

モダン入力。ワンボタンで必殺技を繰り出し、容易なアシストコンボで簡単に安定コンボを繰り出せる新時代のスタンダード。
その利点とこのキャラクターは、根本的にこう……設計が噛み合っていない。
リュウのモダン必殺技はどれも拾い直しが効かず、コンボに組み込むのにも適さないものが妙に多い。昇龍拳で拾うシーンはモダンで出る強昇龍拳ではなくコマンド必須の弱昇龍拳である事が多かったり、コマンド必須の波掌撃への依存度が妙に高かったりと基本的にコマンドを要求する。
アシストコンボの性能は、追い払いに使う弱以外全て絶望的だ。特に強アシストコンボは最悪で、ドライブ2本SA3本を使用して発生の遅い大ゴスを当ててようやく、マリーザの中アシストコンボを明確に下回るダメージが取れる。
かわいそうなたかしくんの名誉の為に触れておくとアシストコンボ始動技はどれも使い道を誤らなければ強力なのだが……それらは全てクラシック入力でもっと簡単に出せる技であり……つまりまあ、彼がモダン入力を選ぶ利点は、相手の行動に対してワンボタンで対応できるというその一点に集約される。
それでも対応に特化したこのキャラクターとモダンの相性は決して悪くないと主張したい。有用な技を多く失っているが、それでもまあなんとかなるものばかり。ただ単に、モダンらしいお手軽さを欠いているだけだ。

そう、モダンリュウは弱くないよ。って言いたかった。

そして全てが報われた。
かつてこの項目には絶望が綴られていたが、アップデートによる強化で取り敢えず真っ当になったのであった。心底有難マジアザっス……CAPCOM!!


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