アーケードコントローラー Mayflash F500 Eliteを数ヶ月使った感想、評価【アケコンレビュー】

半年ほど前にそれまで使用していたRAP EX-SEが故障し、しばらくパッド(Turtle Beach React-R、こちらも大変良いものです)で凌いでいたはいいもののやはりアケコンが恋しくなり、そしてMayflash F500 Eliteを購入し数ヶ月。
そろそろ使用感についてしっかりと語れると思いましたので、今回は軽く紹介します。また最初に言っておきますと、筐体の反射が凄まじいので商品写真の添付はございません。
最初に結論から言いますと、オフライン大会で使用可能かどうかが不明瞭な(そして恐らく持ち込まない方が良い)点を除けば全面的にお勧めできるコントローラーです。結構その一点が大きい気もしますが……

商品ページはこちら(当該記事はAmazonアソシエイト・プログラムを使用しており、また一切の商品提供及び販売元からのコンタクトを受けておりません)(要するにここをクリックした後に何らかの商品を購入すると私に小銭が入り少し嬉しいという仕組みです)

おすすめする層

  • PC、またはSwitchがメインの格闘ゲーマー

  • コスパ良く本格的な仕様のアケコンが欲しい人

  • レバーガイドを変えたいとか思ってもどれを買えば良いのかわからない人

  • 近々大会に参加する予定が無い人

  • 自宅でのオンライン対戦がメインの人

  • 天板のデザインを交換したい人

  • PC含め多くの機種のゲーム機を所持し、使用している人

  • 「本気のおうち遊び」といったスタンスの人

  • よくわからないメーカーのアケコンを見て少し揺らいでしまっている人(こういうちゃんとしたものを買った方が絶対に良いよ!アケコンは雑に扱うから!)

おすすめしない層

  • 大会用アケコンが欲しい人

  • ビュウリックス配置アレルギー、またはノワール配置が絶対の人

  • 白い筐体なんてダッセーよな!って人

  • おもちゃみたいなクオリティでも許容できるから限界まで安く切り詰めたい!という人

購入経緯

先に挙げた通り、コントローラーの交換が購入時の私にとってはかなりの急務でした。
しかし金銭的余裕があまり無く、高価なモデルは選択肢に入らない。かといって、製造元が不明瞭なパーツを使用しているコントローラーは使いたくないし、3rdもプレイする以上は出来ればホームゲーセンと同じ三和パーツの物を選びたい。
ザンギエフ使いである点やレバーの立てるけたたましい音が好きな点からレバーレスは今は選びたくない、といった考えで商品を絞り込んで行きました。
そして2万円程度の価格帯で三和パーツ統一のモデルを探していった時に、残された数少ない選択肢から選ばれたものがこのモデルだった、という寸法です。

実際、完全にゲームセンターと同一のパーツを使用しているモデルとしては、このモデルは他に殆ど類を見ないレベルの価格設定です。
三和パーツを搭載したモデルは基本的には3万円以上の物が多いため、その一点においても極めて破格と言えます。
同等のコストパフォーマンスを得ようと思った場合、他には8Bitdoなどのより廉価なモデルとパーツを別途買い揃えて交換する他に無いでしょう。

個人的にレバーと言えば、アーケードのコンパネといえばブラストシティやアストロシティのような白基調で若干レトロフューチャーめいたものが好みなので、この無骨で飾り気のないデザインにもかなり惹かれる所がありました。
近年のアーケードコントローラーは妙に格好つけたデザインが多くてならんです。私は不必要に大きな箱とらくらくフォンより安直に主張するデザインを求めているのですから、このビジュアルは願ったりかなったりという所です。
なお、商品ページや公式サイトの画像では左下に何やら流石にライン超えな劇的にダサいゴシック体で商品名が記載されていますが、現行ロットではデザインが変更されているようで、実際にはロゴマークのようなデザインでの記載になっています。
こちらの米国Amazonの商品ページの方では現行ロットのデザインが確認できるので、現行商品のデザインが気になる方はそちらをご確認ください。

実使用

剛性/安定感

筐体自体は金属パーツではなく非常に厚みのあるしっかりとしたプラスチック系で、上部パネルボタン付近と底面にそれぞれ一枚ずつ金属パネルを搭載する事で必要な重量を得ているタイプのようです。
そもそもの筐体の材質がかなり堅牢なのもあり、かなり安心してガシガシ使える剛性があります。多分、台パンし続けたらコントローラーの前に手が壊れるでしょう。そしてプラ部分の厚みもあり、金属パネルが二枚しか使われていない割にはそれなりにずっしりとしています。

底面の滑り止めは少し小さいです。
滑り止め類との相性が悪めのテーブルを使っている場合などは、少し角度がずれる事があるかもしれません。滑り止めシートなどが少し欲しいです。
また小さい滑り止め用のゴム脚パーツが追加で付属しており、これを取り付けると少し高さが増します。
滑り止めの接地面積は減りますが、材質もあってかこちらの方が滑り止め性能も高く感じるので、ゴム脚は取り付け推奨かもしれません。

ボタン配置

ボタン配置はいわゆるビュウリックス配置で、小指側が若干上に上がるような並び。
すべてのボタンを指で押すプレイヤー向けで、例えば右下端のボタンを掌底で叩くプレイヤーには少々不向きではありますが、許容範囲でしょう。実際私もその方法でパリィを押して問題がないので、よっぽどの事でも無い限りはそう問題にならないと思われます。
アーケード版スト6もビュウリックス筐体なので、アーケードでもプレイするから感覚を揃えたい!という人には特に良いでしょう。

レバー/ボタン

レバーやボタンの質感については特に言う事もありません。いつも通りの三和製品です。
セイミツと比べて明確にクリッキー感が少なく、打鍵音が小さく、抵抗が少なく、アクチュエーションポイントが非常に浅い。厳密な入力はセイミツと比べ若干難しいものの、コンマ0.01秒程度の差にはなりましょうが操作速度に優れると考えられます。
一般的なネジでバックパネルを取り外して分解できるのでパーツに不満がある場合も容易に交換できますし、その気になれば基板乗っ取りもそう難しく無さそうです。
また、標準で装着されている4方向のレバーガイドの他に、8方向のレバーガイドも標準で付属している点が非常に有り難いです。
アーケードと感触を揃えなくてもよい、ガチャ昇龍は要らないのでそれ以外のシーンの入力を正確にしたいという場合などには8方向ガイドに交換すると良いでしょう。私はアケ6と揃えたい上にガチャりたいので4方向ガイドに戻しましたが……

遅延

PC接続時の実プレイの中で操作遅延を感じるような事は特にありませんでした。
発売初期のファームウェアでは遅延が大きいという情報をネット上で見かけたので、購入後即座にファームウェア更新を行ったのももしかしたら一因かもしれません。
Switch接続時は流石にSwitchというハード自体の仕様でどうしても一定の遅延は感じましたが、コントローラー側で遅延が上乗せされているような感触は特にありませんでした。コントローラーどうこうというより、単にSwitchの設計に問題があるというだけの話っぽいです。

機能

速度を2段階に調整可能な連射機能、レバーをパッドのどの部分として扱うかの切り替え機能(左スティック、右スティック、方向キー)、ハードに合わせた接続方法切り替え機能が備わっています。
連射機能は格闘ゲームにおいては何の役にも立ちませんが、シューティングゲームなんかをプレイする時にはかなり嬉しいですよね。こういう格ゲー以外の方も向いているアケコンって、esportsの波に押されて昨今は減ってきているような気がします。
そしてレバーの切り替え機能が中々に便利で、例えば多くのプレイする際は方向キー扱いにする事で他の多くのアケコンと同様の扱いになるようにしつつ、一部のスティックしか移動に回せないゲームに対応する事ができます。
更にこれは完全に悪ふざけの領域ではありますが、移動と視点を同時に操作する必要性のないFPS操作のゲーム(8番出口など)であれば、このスイッチで左右のスティックを切り替えながらプレイすると、ゆっくりにはなりますがアケコンだけでFPS操作のゲームをプレイする事ができてしまいます。率直に言ってアホな遊び方ですが、中々に楽しいです。

その他

表記上の対応機種数が凄まじいです。
まあ実情としては、汎用的な規格で対応できるもの+PS等の「レガシーコントローラ」扱いで上手く使う為の認証偽装機能が合わさっている、くらいのものではありますが。
それでも、例えばPCとPS5とXBox Series SとSwitch、PS5とXBoxの標準コントローラーが揃っていればそれらすべての環境で同じアケコンを使えるというのは、中々に魅力的なポイントなのではないでしょうか。

今のところ、不具合のようなものは1度も遭遇していません。

PS4以降のPS、360以降のXBoxに接続した際はいわゆる「レガシーコントローラ」やそれに準ずる扱いになり、別途純正コントローラーかMagicBootsを本体のUSBポートに接続しないといけない点については要注意です。
この点と連射機能の存在から、オフライン大会では使用できない可能性がある事については強く留意する必要があります。
大会などで見られることのあるGP2040もレガシーコントローラ扱い且つ連射機能対応なので、なんかあっさり使えちゃいそうな気もしますが、正直GP2040も禁止に値する仕様をしているので(大会規定で連射とマクロ機能の搭載はどちらも禁止が明文化されているにも関わらず両方に対応したものが使われてしまっている)、まあオフライン大会には持ち込まないのが吉でしょう。連射機能がスト6においてほぼ何の役にも立たないとか関係ないですしね。

話はそれますが、ラズパイ基板のGP2040を禁止する事を考慮するとなると、以前のPunk Workshop製品がラズパイ基板だった事もありラズパイ一律禁止というのは酷い話になるでしょうし、GP2040のCPT精神準拠フォークなんかを作って対応してほしいものです。

天板下のシートの型紙が公式サイトで配布されているので、それに合わせた画像を印刷すればデザインを自由に変更する事ができます。
推しでアケコンを飾って台パン予防なんてのも良いんじゃないでしょうか。

総評

低価格で購入でき、安定して動作し、機能面も充実している優秀なコントローラーです。
レガシーコントローラである、連打機能が搭載されている(その為CPTルールにその一点のみ抵触する可能性が高い)という点はありますが、一般プレイヤーが自宅で格闘ゲームをプレイする用のコントローラーとして見る範疇においては何ら欠点の見られない製品と言えるのではないでしょうか。

数カ月間、かなり力任せの高速2回転を多用する、休憩がてらZero3のオリコンで変なコンボをして遊ぶ、レミーを使ってソニックマシンガンを練習するなどハードに使用してきた上で問題が生じることもありませんでしたし、正直最近は精神状態の荒れからJP戦やJP戦やJP戦やリリー戦やリリー戦やJP戦やJP戦やJP戦やJP戦やリリー戦やJP戦やJP戦やJP戦で頻繁に軽めの台パンをしてしまっていましたが歪みなども無いので、耐久性にも信頼を置けると言って良いでしょう。

最初の方に書いた条件に合致する人であれば、かなり「買い」なのではないでしょうか。特にPCとSwitchで併用したい人なんかにはガッツリお勧めします。
スト6ブームでアケコンに手を出してみたいと思っているそこのあなた、是非。



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