さるの脳みそを食べた日

むかし、俺は自動車の塗装工場に設備を納める仕事をしていました

入社2年目のときに四川にあるT社の工場に行った時のことです

その時は2年目なのでPM(プロジェクトマネージャー)ではなく手伝いとして行ってたのでたいした仕事はしていなかったのですが、なぜかお客さんに気に入られていて個人的に飲みに行きました。

建築系で飲みに行くと言ったら現地のキャバクラというかスナックというか、そういう女の子のいるお店です。

そこに行ったらもうジャパニーズサラリーマンにとっては接待なのでとにかく盛り上げないといけない。

普通にそういう店は苦手だけど好きなふりしてカラオケ歌って酔っ払ってる感じで女の子とふざける。この仕事をしてたときに1番疲れる時間だったけどNoと言わない日本人なのでいつも頑張ってた。

まぁそこで盛り上げたのが功を奏したのかお店の女の子が終わったあとにみんなでご飯を食べに行きたいと言い出した。

なのでお店が終わる24時まで店にいて、その後T社の人2人、お店の女の子2人、俺でご飯を食べに行った。

その時に行った店がなかなか衝撃的だった。

まぁ、まず店というか屋台?公園みたいな広場にプラスチックのイスと机がたくさん並べてあって明かりは街灯だけなので暗くてよくわからない

机には鍋があって火鍋らしいんだけど暗くて中はよく見えない、普通に闇鍋

はじめて食べる火鍋がまさかこんな形になるとは思わなかったけど、女の子たちのオススメらしくオーダーは任せて食べることにした。

はじめて食べる火鍋はとても辛いけどホントに美味しかった。暗いので何を食べてるかわからないけど美味しかった。

いくらか食べたころに女の子が思わせぶりこれを食べろと皿に入れてきて、なぜか俺に注目する女の子たちとお客さん

こんなん絶対にゲテモノ的なやつやん

わかっていたけどそこはジャパニーズサラリーマンなので「えーなんすかーこれ、まずいやつですかー?」と言いながら食べる

見た目は暗くてよく見えないけど白くて豆腐やあん肝みたいなやつ、食べると濃厚で旨味があり火鍋のスープともマッチしてて美味しかった

食べたあとにみんながどう?どう?と聞くので、とても美味しいです、何ですかこれ?と聞くと

「これは猿の脳みそなんだよ」と嬉しそうに言うお客さん、ここで、えーマジすかーと言いながら吐くふりをするのが正解だったんだろうけど普通に感動して「え、マジすか、インディージョーンズに出てくるあの猿の脳みそですか、感動!普通に美味しいですね」と答えてしまった。

だってさ、映画で見た時に猿の脳みそ食べるなんて信じられなかったし、まさか自分がそんな体験をする日が来るなんて思わないじゃん。普通に感動してしまった。

そんなリアクションだったけど、それでもお客さんも女の子も笑っていたのでよかった。

そのあともニワトリの足とか、何かのキンタマとかいろいろ食べさせられたけどそれも美味しかった。

たぶん四川にいた時に食べたものでこれが1番美味しかったと思う

結局、ここでなんだかんだと食べて飲んでホテルに帰ったのが4時、朝起きるのが6時

なかなか次の日つらかったけど、今でも覚えてる貴重ないい体験でした。


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