【映画】フロムから考える愛する力: 『そして僕は途方に暮れる』

「こいつは友達ってゆうか、親友って決めたら、ちょっとやそっとのことではブレないっていうか。お前はこの一カ月間、ただ失敗しちゃったんだろうなって。お前という人間のたまたまの失敗作なんだなって。」

 映画「そして僕は途方に暮れる」の上記セリフは秀逸である。
その理由は、愛する力を描写しているからである。
 このセリフは友情と人間関係の本質についての考察を含んでおり、その魅力を理解するためにはエーリッヒ・フロムの「愛するということ」を引用することが有効である。

 エーリッヒ・フロムは「愛するということ」において、「愛とは、愛する者の生命と成長を積極的に気にかけることである」と定義している。
 さらに、愛とは「他人の可能性を『信じる』ことである」と強調する。
 真の愛は相手の成長と幸福を追求するものであり、一時的な失敗や過ちによって揺らぐものではない。

 この映画のセリフは、まさにそのような深い友情の一形態を描写している。友人を一時的な失敗や過ちで判断するのではなく、長い目で見て彼の本質を理解し、受け入れる姿勢を示している。

 映画「そして僕は途方に暮れる」のこのセリフは、友情や愛の本質について考えさせられるものであり、エーリッヒ・フロムの「愛するということ」の視点から見ても、秀逸なである。

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