【歌詞批評】愛の比喩: Le Couple『ひだまりの詩』

 ル•クプルの「ひだまりの詩」の歌詞は傑作である。
 それは「まるで ひだまりでした」という愛の比喩が優れているからである。
 
 これは恋人への愛情を表現する強力な比喩で、その愛情が温かく、包み込むような存在であったことを示す。ひだまり、つまり日差しの暖かさが届く場所を想起させ、そして愛情の質を表現する。それは一時的な炎ではなく、穏やかで持続的な暖かさ、つまり安心感や居心地の良さを示唆している。

 さらに、この比喩は全体的なテーマとも深く関連する。失恋という寒い冬を越えた後、主人公が新たな春、すなわち自己の再生を迎えるという物語の中で、元恋人への愛情が「ひだまり」であったという比喩は、それが過去の暖かさを象徴し、冬を乗り越える力を与えてくれたことを示している。

 このような比喩表現は、単に「愛していた」と言うよりも感情の深さや複雑さをより詳細に伝えることができる。
 「ひだまりの詩」は、言葉の力を見事に示す優れた歌詞である。

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