【本】うろうろしなあかん: 島田紳助『自己プロデュース力』
島田紳助の「自己プロデュース力」の「うろうろしなあかん」という言葉は、若手芸人に向けたアドバイスだが、創作活動においても重要な示唆が含まれている。
「うろうろする」ことの本質は、未知の領域に自ら踏み出していく行動の重要性を説いている。
これは単なる放浪でなく、意識的に新しい経験や視点を得るための試みである。意図的に多様な場所や人、文化に触れることで、新たなインスピレーションが生まれる可能性が広がる。これにより、自分の枠を超えた作品が生まれる土壌が育まれる。
たとえば、音楽家が異なるジャンルの音楽に触れたり、画家が異国の風景を体験することは、作品に多面的な影響を与え、独自性を高めることができる。この「経験の意図的な増加」は、創作において絶対的な価値を持つ。
また、創作は単に新しい経験をすることではなく、その経験を記憶として蓄え、必要な時に引き出すことも重要である。
創作者は日常の中で見聞きしたもの、感じたもの、出会った人々との交流などを「素材」として蓄積し、それらを無意識のうちに作品に反映させていく。
「うろうろしなあかん」というアドバイスは、創作者にとっても非常に有益である。
それは、創作の源泉である「経験の蓄積」と「記憶の活用」という二つの側面を強調しており、より幅広い創作活動の基盤を提供している。
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