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訪問者は!? 思わず先輩と顔を見合わせる。 「今朝は来客予定ってありましたっけ」 首を横に振る先輩を見やりながら入り口へ向かい扉を開けた。 すると、そこには若い女性が立っていた。 「おはようございます。耕助さまはいらっしゃいますか」 返事も待たずに事務所の中へ一歩入ってくる。 その凛とした姿勢に気圧(けお)され、後ろに下がって道を開けてしまった。 「あ、あのぉ……」 立ち止まることも、振り返ることもない。 (無視かよ!) むっとした気持ちを抑えて、いま言われたば