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不育症ってなに?

不妊症と不育症の違いについて、リスクや検査法、治療法について紹介します。

不育症とは?

不妊は妊娠をしない状況のことを言います。

定義としては、一定期間避妊をせずに性交を継続的に行っているのにもかかわらず、妊娠しない場合とされています。

一定期間としては、1年というのが一般的です。

一方で不育症というのは妊娠はするけど流産や死産を繰り返す場合です。

22週以前の流産を繰り返す反復流産

連続3回以上の流産を繰り返す習慣流産

死産・早期新生児死亡を繰り返す場合

以上の場合を不育症と定義されています。

不育症の定義にあてはまっても、その半数はたまたま運悪く流産などが続いた偶発的な事例だと言われています。

偶発的なケースだと特別な治療を行わなくても次回の妊娠時には期待ができます。

残りの半数のケースは不育症のリスクが隠れていることがあるので、原因を調べて必要があれば治療をしなければなりません。

不育症の検査と治療法は?

不育症の検査はたくさんありますが、日本産科婦人科学会のガイドラインでは、

抗リン脂質抗体

カップルの染色体検査

子宮形態異常検査

などが挙げられています。

抗リン脂質抗体

抗リン脂質抗体症候群は動脈や静脈で血栓(血のかたまり)ができたり不育症、妊娠高血圧症候群などを起こす病気です。

血液中の抗リン脂質抗体が検出されることで診断されます。

日本では約10%の人にみられるそうです。

治療は血液がサラサラになる薬を妊娠前、または妊娠直後から使用します。

これは血のかたまりができて流産を起こすのを防ぐためです。

カップルの染色体検査

妊娠初期流産の約6割は偶然起こる赤ちゃんの染色体異常によるものだと言われています。

日本では約5%の人に不育症のリスクとなる遺伝子を持っていると言われており、カップルの染色体検査をすることでリスク評価をすることができます。

ただ、染色体異常に対する治療法はありません。

しかし、検査をしておくことで染色体異常がないことが分かっていればその他の不育症の検査や治療を早期に行える可能性があります。

染色体検査は遺伝子検査ですので、検査結果については慎重になる必要があります。

カップルのどちらかに異常がある場合は、カップルでトラブルになる危険性もあるからです。

遺伝学的カウンセラーのいるクリニックで行うことをおすすめします。

子宮形態異常

子宮形態異常は子宮が小さい、子宮の部屋が2つある、子宮に壁があるなど色々あります。

日本では約8%の人に認めるそうです。

検査はエコー検査やMRI、子宮鏡などを行って子宮のかたちを確認します。

子宮形態異常のなかで、中隔子宮という異常は不育症、不妊症の両方の目的で治療がされています。

治療は中隔(子宮の壁)を切り取る手術です。

手術は子宮鏡を使った手術で比較的低侵襲な手術で有効性もたくさん報告されています。

治療法があっても不育症はつらい!

不育症の中には治療法があるものもあります。

でも流産って一度すると次の妊娠が怖いです。

僕たち夫婦も2回の流産の経験があります。

流産を繰り返すと、妊娠をしても喜べなくて、流産の恐怖があります。

エコー検査を頻繁にして赤ちゃんの状態を細かく確認すれば安心できますが、あまり頻繁にエコー検査をするとかえって不安になって毎日確認したいという気持ちになる方もいるようです。

不育症の方が妊娠した場合はクリニックによっては他の方よりも妊婦健診の回数を増やすこともあるようです。

クリニックの先生とよく相談して妊婦健診の回数などを決めましょう。

先生に相談しにくい場合は看護師や不妊カウンセラーなどに気軽に相談してみましょう^^


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