さんざん振り回された一人旅

こんにちは。たけるりです。

今日は、初めて投稿したnoteで次回書くと言っておきながら
1年半以上も放置してしまっていた(しすぎ)、

「私の初めての旅」

について書いていこうと思います。

お時間ある方はぜひこちらも読んでみてください。
TABIPPO入って1ヶ月経ったかなくらいの頃に初めて書いてみたnote。
なんかすごく、若い。笑

序章 旅に出るまで

私にとって初めての旅は、
3年前、地元大阪から在来線で東京まで行ったことでした。

主な目的は、大好きなアーティストが東京で毎月開催していた小規模のライブ。

応援し始めて4年ほど経ち、大学生になってやっと
所謂「遠征」ができることになり、とてもワクワクしていました。
しかもライブ当日は、私の19歳の誕生日。

私は18歳最後の日に、
前々からずっと興味があった在来線で
わざわざ9時間もかけて東京に前乗りすることを選んだのでした。

別に夜行バスを使えば前乗りする必要はなかったし、
昼間の公演だったので新幹線を使えば日帰りも十分に可能だった。

でも、どうしてもやってみたかった。
好奇心しかありませんでした。

いつも大学への通学に使っているJRだけど、
大学は比較的近場にあり40分ほどで行けたので、
毎日目にする路線図の端っこのその先が
どうなっているのか、どこまで続いているのか、
全く想像がつかなくて、
知ってみたい、見てみたいと思ったから。

第1章 最寄り駅→安城駅

東京へ向かうその日の朝、

いつも大学の1限の授業に向かうより2時間も早い
ほぼ始発の電車に乗り込みました。

電車は走り、地元から離れていくにつれて、
ワクワクはどんどん大きくなっていきました。
もちろん、全く知らないところへ向かうことへの一握の不安もあり。

電車はさらに走り、次第に聞き覚えのある駅名も少なくなり、
全てが初めて見る景色になっていき。
私の知る路線図の端っこ、米原に降りたつと、
初めて見る電車が止まっていました。

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ここからは、今までは想像すらできなかった世界でした。

いつの間にか、車窓から見える景色から目が離せなくなっていました。
高い山を横目に田畑の中を走っていたと思ったら
住宅がぽつぽつと増えていって、気がついたら岐阜県に入っていて
名古屋へ着く頃には周りは高い建物ばかりに。

この時点で出発からおそらく3時間ほど。
3時間もずっと電車に乗っていたのも、
ここからさらに6時間もかかるのも、
すべて新鮮な感覚だった。

第2章 安城駅→新安城駅→豊橋駅

でも、この初めての旅は順調ではなく…

名古屋を出てから40分ほど経った時、
理由はなんだったか忘れてしまったけれど、

「この電車は当駅で運転を見合わせます」

との車内放送が。

名前も知らない街で、
初めて来た降り立ったこともない駅で突然足止めをくらい、
振替輸送で名鉄とやらを使うことになりました。

降りたJRの駅から名鉄の駅まではかなり距離があるらしく、
バスの乗車票をもらい駅前のバス停でバスを待ちました。

でも振替輸送で人が増えているのに対し本数は全然足りていなくて、
結局名鉄に乗れるまで1時間近くかかったのかな。

結構イライラしていたし、
知らない街に突然降り立つ羽目になった心細さもあった。
あのまま電車の中で運転再開を待ってれば良かったのでは?とも思った。

確かバス停のすぐ横が商店街みたいなところで、
休日だから何やら催し物をやっているのをなんとなく眺めて

これがこの街の日常なんだな〜

と思って気を紛らわせていた記憶がある。

そうしてやっとの思いで乗れたバス。
混み合うバスの車窓から安城の街を眺めていると、
早く元の路線に戻りたいという焦りと
一人ぼっちで知らない街にいる心細さの中にふと

もし電車が止まっていなかったら、
私はこの街の様子を知らないままだっただろうな。

という気づきが生まれました。
そう思うと少しだけ得をしたような気になれた。

そうして、元々乗り換えをする予定だった豊橋に
どうにかしてたどり着くことができました。

第3章 豊橋駅→熱海駅

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この時点で時間はだいたいお昼どき。

駅の売店でとりあえず買ったおにぎりをホームでかじり、
再びJRに乗って東京方面へと走り始めました。

豊橋を出て比較的すぐにたどり着いた浜松には、
遠い親戚だったか父親の友人だったか(忘れた)が住んでいて、
小さい頃は何度か家族で訪れていました。
昔家族に連れてきてもらったところに自分の足で辿りついたのは、なんだか不思議な感覚だったのを覚えています。

しかし。
この時点で自分が感じていた以上に、
この日の私はとっても運が悪かった。笑

次のハプニングは、
確か富士山を贅沢に臨めるような駅でのことだった。

「〇〇駅で線路内に人が立ち入ったため運転を見合わせます。」

またかよ!!!!

すぐに電車は動いたんだけど、前が詰まって動いては止まりの繰り返し。
電車はロングシート。しかも遅延の影響で次第に混雑が激しくなってくる。
車窓から臨める綺麗な富士山も、人に隠れてよく見えなくて。
しかも熱海まであと一歩なところでなぜか余分に乗り換えを余儀なくされ、
人で溢れた狭いホームで電車を待たなければならなかった。

こんなについてないバースデーイブが果たして今まであっただろうか?
と、かなり萎えていました。笑

待つこと十数分、次の電車が来て
やっと次へと進むことができたと思ったら、
熱海に着く手前で電車は長い長いトンネルに入ってしまいました。
この時の私にとってはこの長いトンネルですら気に触る要素だった。笑

電波すら届かない真っ暗なトンネルを抜けるのをじっと待ち、
ついにトンネルを出た。

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私の目の前の車窓に写ったのは、
眼下に綺麗な海の見える熱海の街の景色でした。

大阪と京都の狭間で揉み消されそうな、
山と川と田んぼしか見えないような内陸部で育った私には、
車窓から綺麗な海が見えることはただただ衝撃でしかなかった。

その真っ青な海に、ここまで積み重なったイライラはどこかへ消えてしまいました。

第4章 熱海駅-目的地

この旅もやっと残すところ3分の1というところ。

熱海駅のホームに止まっていた次の電車は、15両という信じられない長さの電車。
普通の電車にグリーン車がついている衝撃もかなりのものだった。

その新しそうな電車の停車駅のアナウンスにもとうとう「東京」という言葉が聞こえるようになりました。
ここまで本当に長かった。笑

熱海を出てからもしばらくは、ずっとどこまでも続く広い海が見える景色でした。
当初の予定より随分と西に傾いた陽が眩しかったのを覚えています。

そしてここにいる人たちにとっては、この景色も日常の一部。
こんなに広い海を毎日車窓から見れるって、贅沢すぎないか…

気づけば箱根駅伝を見ていると耳にする駅を通りすぎ、
大好きなアーティストに縁ある駅を通りすぎ、
電車はついに東京のビル街の中へ。

一歩電車から降りると、都心らしい人混みに一気に呑み込まれました。
これ以前にも新幹線で日帰りで東京に来たことはありましたが、
その時とは感覚がまったく違っていたのは確かでした。

遅延の影響もあり12時間も電車を乗り継いでようやくたどり着いた、
憧れの街、東京。

新幹線で来た時よりもずっと遠く、ずっとおもしろい旅だったと感じました。

私の非日常と、誰かの日常が乗り合わせたり、すれ違ったり、
それが数えきれないほど重なって、私の旅路になったわけです。

やっぱりこの感覚を味わえるのは電車旅しかない、と今でも思います。

この感覚を味わうために、いろんな日常をこの目で見つけるために、
私は電車で旅に出るのだろうな。