短編小説『魔王の庭の白い花』7(完)
「これはもうちょっとお塩を多めにした方がいいのよ、煮込んでると水分が増えるから」
「おお、そうなのか。君と料理をすると勉強になる」
二人はまた召使たちに無理を言って、厨房で一緒に料理をしていた。
「勉強しなくたって、私が作れるからいいのに」
「いや、私が作れないと意味がないんだ。君のために私がしてやれることはとても少ない、できることはなるべく沢山してやれるようになっておきたいんだ」
そう微笑む男につられるように、女も笑顔を浮かべた。
我々の仕事がなくなってし