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彼女は悪い子、酷い子、醜い子 制作裏話

 ゲームの後書きやTwitterで載せられなかった長めの話をここに載せてます。20000字程度
 当然ながらネタバレ全開。
 好きなものと性癖の話しかしていないグダグダした文章が以下続きます。ご注意ください。


製作開始まで 


 昔、ホルモンに関しての授業を受けたことが製作のきっかけです。女性ホルモンを投与すれば男性でも身体つきが女性らしくなるとかどうとかこうとか……いや〜人体って不思議だな! ってことは二次元ジャンルの男の娘も元から女の子っぽい見た目として生まれなくても、後からそういうふうにすることができるんだな……という発想から生まれました。
 それで色々あってクラスの美少女幼馴染が実は男だと知って、そこから色々ゴタついて、なんか脅されたりとか色々酷い目に遭ったりする話を作りたいな〜と……
 当時の私の中では、この話はヤンデレものではなかったし、最堂なんてキャラは登場させるつもりがなかったし、瑠美子はもっと性格が最悪だったし、そもそも男だって完全にバレてました。今お出ししている話とは全くの別物といっても良いでしょう。
 プロトタイプは性格最悪の男の娘の秘密を知ってしまったが故にヒロインが滅茶苦茶虐められる話なので、2割位しか合ってませんね……
 タイトルはその当時つけたものなので、彼女が指しているのは完全に瑠美子でした。
 彼女ではないけど、それを皮肉ってそうつけてます。そのまんま彼だと面白くないよな!っていう私の逆張り精神の賜物です。
 フッ……めんどくせー女……(通りすがりのイケメン)
 完全な別物になった現在でも同じタイトルをそのまま使っています。それにより彼女が指す対象が変化したように感じます。誰が悪い、酷い、醜いのかはプレイヤー様の判断に任せましょう(丸投げ)
 
 ・プロトタイプから現在の話になるまで
 キャラの細かい性格を考える際に瑠美子の性格が段々ヤンデレに寄ってきました。作者はヤンデレが好きなので、最初にヤンデレとして設定したつもりのないキャラがヤンデレっぽくなることが結構あります。勝手に感情が重くなるので後からヤンデレ認定を下すしかなくなる感じです。瑠美子のキャラがヤンデレになるにつれて、話の内容自体も失恋ものっぽくなりました。これも作者の性癖のせいだと思います。
 こうして初期構想から一変して少し切なめのヤンデレ恋愛青春ものになりました。それで瑠美子と芽衣子の二人がメインの物語としてプロットを組み立てていくつもりだったんですね。
 
 Q じゃあ最堂ってなんなの?
 
 A 初期プロットだとね、瑠美子が男だってことは完全に最初の段階でバラすつもりだったんですよ。でも途中で(これある程度隠した方が面白いんじゃね? 隠すか〜!!)と自我が暴走を始め、クソ見切り発車をすることに。となると、瑠美子が男だってことを隠す為に偽装工作が必要になるんですね。
 ジャンルをヤンデレ乙女ゲームとしてお出しする場合、ヒロインが好きな男が立ち絵無しモブだったら完全に瑠美子が男だってことがプレイヤーからしたらモロバレなんですよ!! だってメイン登場人物が二人しかいないんですから!!! 芽衣子が好きなクラスの男子は顔が良いんだぞ! 他のキャラには立ち絵があるのに、顔が良い割と話に関わってくるキャラの立ち絵がかまいたちの夜だったらなんか駄目でしょう!? 
 →でも今更キャラデザを考えるのが面倒です。
 →じゃあ構想中の他の作品からそれらしい設定のキャラ引っ張り出すか……
 
 そうして他作品から出張させたのが最堂です。
 顔の良い天才(性格に難があるけど)
 うん! ぴったり!! 採用!って感じでトントン拍子で決まりました。構想中の元作品自体の世界設定が彼悪と似てた……というか同じ現代日本の学園ものなので、流用しやすかったのもあります。構想中の別作品がファンタジーだったりsfだったりしたら彼を起用することは無かったと思います。(別作品の蚕の箱庭みたいに一見現代風でも不可思議な存在があったりしたら、作品間の繋がりは作りません。……と言いつつ、彼悪の世界にも幽霊位のファンタジーな存在はいます)

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 という流れで無事出演が決まった最堂ですが、最初はマジでおまけみたいな存在でした。一応立ち絵は作るけど……お前の掘り下げはそのうち公開する別作品でな!って感じです。当然彼視点の物語も無いので、あいつの本性を知るるのは数年後になっていたことでしょう。
 
 Q じゃあなんで奴のルートまで作ったんですか?
 
 A 最堂視点が無いと奴の行動が滅茶苦茶不可解だから…………
 
 彼悪は彼が芽衣子と仲良くなることで瑠美子との仲が拗れていくというストーリーラインにしました。
 独占欲つよつよのヤンデレなら、クラスのイケメンが好きな子とちょっと会話した! 監禁しなきゃ!!に話の流れを持ち込めますが、瑠美子はそういうキャラじゃないのでマジで恋人と誤解を受けるまでにベタベタしないといけない。つまり最堂はマジで芽衣子ちゃんに馴れ馴れしい奴じゃないとダメ。
 そこで、じゃあなんで最堂って芽衣子に急に近づいてきて優しくしてくれるの? 好きなの? という疑問が浮かんできます。
 作者は奴の本性を知っているので彼の行動に納得できるんですけど、プレイヤーはそうはいかない。
 彼が芽衣子に近づいてきたのは、彼の歪んだ性格からなる不安の解消の為。手を握ったりしたのはサービス精神()から。
 それを明かす為に彼視点の話を作りました。
 
 あくまで当初は最堂視点のおまけを作ろうとしたんですけど……
 
 Q なんであいつまで攻略できるようになったの?
 
 A なんでだろう…… あいつ、元の作品は恋愛要素皆無でcp組む相手も特にいなかったのに…… 本当にどうして?
 
 Q でもよく考えなくてもお前は、捻くれ者猫かぶり美少年と温和な引っ込み思案少女のcp好きだろ?
 
 A ソッスネ
 
 まあ紆余曲折あって登場人物の性格が大幅に変わったり、ゲームのジャンルが変わったり、登場人物が増えたりして現在の形になりました。グダグダですね。でも初期構想より今の方が楽しいと思うので良い変容だと思います。
 
 この作品が私にとって初めての少し長め(プレイ時間3時間程度)の作品になるので、本当に苦労しました。芽衣子視点→瑠美子視点→最堂視点の順にシナリオを書いたのですが、ぶっちゃけ最堂視点を書き終わった時泣きました。やった〜!! 終わったぞ〜!!という達成感、この作品は終わらない……終わらないんだ……という鬱屈とした感情から逃れられた開放感からうっかり涙を零してしまいました。
 この作品のテキストは大体8万字で、文字数だけなら並行して作っていた長編ホラゲの方でもう書いているんですけど、一つの表に出す作品として完成させたことがよっぽど嬉しかったのです。
 
 まあこの後気まぐれでエンディングを増やしたし、ゲーム製作はシナリオ書き終わってからが本番なんですけど……
 というか蚕の箱庭(別の長めのゲーム)の2周目を作り終えて読み直した後にも泣いた覚えがある。長めの作品を作り終えた時の達成感ヤバい。(まだ3周目のシナリオと絵を描く作業と組み込みが残っている状態です)


 
 作品テーマとか
 


 ヤンデレとか男の娘×女の子とか失恋とかですね。つまり全部性癖です。
 (こいつまた性癖の話してるな〜って自分でも思うのですが、ゲーム製作の動機が性癖から来てるので、制作裏話では性癖の話をせざるを得ないのです)
 
 ・ヤンデレ 
 ヤンデレゲームなのでヤンデレについて少し語っていきましょう。
 私がヤンデレというキャラ属性と出会ったのは小学生から中学生に差し掛かる頃ですね。有名なヤンデレの女の子に愛され過ぎて眠れないCDで初めて知りました。何故だか私はヤンデレの概念を知ってから、異様に惹かれてヤンデレについて検索しまくったりしました。そして、特定の人物に対する異様に重い愛情を抱えているキャラクターを愛好するようになり、果てに今では自分でそういったキャラを作っています。
 ヤンデレと一言で言っても様々な種類が存在しており、ヤンデレ愛好家が好むタイプも人それぞれ。想い人を殺すヤンデレ、殺さないヤンデレ。監禁するヤンデレ、監禁しないヤンデレ。嫉妬する範囲が広いヤンデレ、割と寛大なヤンデレ……とマジでヤンデレには色々なタイプがあります。
 今作のヤンデレは割と常識的というか……そんなに突拍子も無いことはしてない。多分してないと思う。してないんじゃないかな……
 比較的ソフトなヤンデレだと思うので、ヤンデレ初心者でも安心……グロ要素はあるけど……
 
 ヤンデレの一番重要な要素は愛の重さにあると思っているので、確固たる愛情さえ見せて頂ければ殺人でも監禁でもDVでも狂言自殺でも何でもOKタイプです、作者は。凶行に至るまでの感情の動きとか、恋心の暴走をワクワクしながら見守ります。
 あとメンヘラだったり、サイコチックなキャラはそれはそれで好きだし……
  
 それらとヤンデレの違いもやっぱり愛情なのかなと思います。勿論メンヘラ、サイコ要素のあるキャラが特定の人物に愛情を持つこともあるでしょう。でもそういったキャラは愛情を持つことが無くてもメンヘラであり、サイコであり続けられます。ヤンデレは誰かに愛を抱かなければヤンデレにはなり得ない。自分の属性、キャラクターとしてのアイデンティティすら好きな相手に依存している存在だと感じます。
 
 メンヘラキャラも好きと上で書いた通り、彼悪の後に作った『蚕の箱庭』の一葉とか、今年辺りに公開する予定の『負け犬の癖に吠えるな』の美咲は厄介メンヘラ男です。こいつら二人は恋愛感情があるかどうかはさておき、気に入っている人間に対してちょっとどうかしてる執着依存感情をぶん投げますがヤンデレキャラとは見なしていません。別に恋愛感情とか相手への気持ちだけで可笑しくなってる訳じゃないからです。気に入っている人間に出会う前から精神的にちょっとどうかしてる所があるのでメンヘラ分類に入れてますが、人によってはこの二人もヤンデレっぽく感じるかも。そこらへんは各々の感性におまかせします。
 
 あとやっぱり他作品の二人は利他よりも利己要素が強めかなと。利他=ヤンデレ、利己=メンヘラは結構雑な分け方だと思いますが。
 好きな人と付き合いたいから何でもするぞ!という気持ちはどちらかといえば利己的だけどヤンデレではあるし…… 私なんか必要とされてないんだ……皆の邪魔になるので死にます……はどちらかといえば利他的だけどメンヘラではあるので……
 
 まあやっぱり好きな相手を意識してるかどうかが鍵なのかな……?
 なんかゴタゴタ書きましたが、ぶっちゃけ私にはよくわからない! ヤンデレって難しいし奥が深いジャンル。
 なので、とにかく自分の好みのヤンデレを求めるなら自分で作った方が早いんじゃないかな(身も蓋もない発言)
 
 ということで今後もヤンデレ作品、作りたい! 作るぞ〜!
 
 Q ちなみに彼悪以外にヤンデレ作品あるんですか?
 
 A 『皮膜の翅』『蚕の箱庭』に出てくる揚羽晶は対象は傷つけないけどそれ以外は傷つけまくりで自分の身も捧げる崇拝型ヤンデレかもしれない(サイコクズ要素の方が多い)けど、今ある作品の中だとそんなにヤンデレ要素を見出すことができない。
 あとnoteの方にあげてる『夢想と憂鬱』の落葉ヒロもヤンデレ(サイコ殺人鬼でもあるけど)ですが、『夢想と憂鬱』だけだとサイコ要素の方が強いです。早く本編作れよ。
 おまけに今出してる作品だけだとまだ本領発揮してませんが、『徒花の天国』に出てくる狐火と吹雪も愛情が重いタイプです。
 サイコ要素もあると思うけど『花は惨めな私の恋』にはヤンデレっぽい人がいたりする。ヤンデレかどうかは置いといて、歪んだ愛情ではあるかな。
 
 つまり今のところ彼悪以外に大手を振ってヤンデレ作品と言えるものがないので、彼悪以外にもヤンデレ作品を出したいですね。メンヘラ男ばかり作りやがって!
 
 ・男の娘
 突然ですが私は女装男子が好きです。(男の娘と女装男子との間には結構な隔たりがあるそうですが、正直明確な違いはわかってない……)
 別に女装してなくても滅茶苦茶かわいい男の子が男の娘で、似合う似合わないはさておき女装してる男の子が女装男子……なんですよね?
 作者はとりあえず可愛かったり、綺麗だったりする子が好きなのでまあどっちも好きってことになるのかな……(ぶっちゃけそこそこ年食ってる奴が好きなので女装青年、中年辺りが好みど真ん中だと思う。高身長美形ダウナーヤンデレストーカー女装お兄さん(28歳)に拉致監禁されたので脱出する系の明るいゲームを作りたいと漠然と思っている)
 女装系以外で好きな属性が美青年、美少年、美女、美少女、長髪なのでとにかく可愛かったり綺麗だったらそれで良いよ、と思ってることがモロバレですね。
 しかしただ可愛かったり綺麗だったりするだけじゃ物足りないというか…… 可愛かったり綺麗だったらする上で性格が腐ってないと満足できないので、多分美形属性がメイン嗜好じゃなくてクズ属性+美形は最強だと感じているのかな〜と。(ギャップ萌えってやつ。ヤバい奴が美形だと外見と中身のバランスがとれて良い)結局のところ性格がヤバい奴が好きという基盤が築かれていますね。
 だから可愛さに焦点を当てている男の娘はそんなに刺さらないというか…… 見た目は愛らしくも中身は強かで、あわよくば残忍性を持ち合わせてほしいという細かい注文がありますね。
 あと女装男子×女子が超好き。これは理屈じゃない。もっとそういう作品を作りたい。
 
 ・恋愛とか失恋とか
 失恋って良いですよね! 私は特に失恋した後でもないのに失恋ソングを聴いていい歌詞だなぁ……と感慨に耽ることがあります。
 最近流行ったpretenderとか超良いと思います。あとボカロPのとあさんの曲が凄い好きです。
 失恋が好きだからです。勿論色々あって好きな人間と交際して幸せになる物語も良いと思うのですが、個人的に性癖に刺さるのが実らなかった恋です。手を伸ばしても届かなかったものとか、失くしたもの程素敵に見えるのは何でなんでしょうね。
 若者言葉の一つに“エモい”ってものがあるのですが、自分がエモいという言葉を当てはめるのはいつも死んだり砕け散ったりした美しいものです。心臓を拗じられたような、どうしようもない切なさこそが一番emotionalで得も言われぬものだと思っているのです。
 そんな人間がcp創作をするとこうなります。ご査収ください。
 性癖の時点で既にハッピーエンドから逆走を始めている。
 
 彼悪は恋愛ってマジで面倒くさいよな!って感じのゲームだと少し前にクリアした時に呟きました。そうだ。恋愛はマジで面倒くさい。
 必ず両想いになる訳じゃないし、両想いになってからも価値観の違いだとかで別れたりする。登場人物である芽衣子は恋に対して悲観的で、瑠美子は恋のせいで傷ついて色々とやらかすし、最堂なんか恋愛に対して滅茶苦茶批判的。でも芽衣子は最堂のことが好きだったし、どれだけ傷ついても瑠美子は芽衣子のことが好きで、あれだけ滅茶苦茶なことを思っていた最堂は芽衣子のことを好きになった。こんなふうに恋愛感情は本人の意識では制御できないバグみたいなものだと思います。好きになったものはどう足掻いても好きという。
 
 正直言って私は恋だの愛だのを礼賛できない人間で、そんなに持ち上げる程綺麗な感情ではないと思っています。
 よく言われる恋と愛の違いもあんまりよくわかっていません。恋情は愛情の一部。愛情は恋情よりも範囲が広いだけ。家族愛とか友愛とかも含んでるだけ。みたいな解答をするタイプの人間です。
 間違っても愛は見返りを求めないものなんて解答はしないでしょう。
 愛も恋も見返りを求めることはある。自分勝手で相手に押し付けるだけの感情になったりもする。
 そう思っているので恋や愛の為に暴走するヤンデレを、相手のことを考えていないからヤンデレではないとは思えません。そもそも愛とか恋とかは身勝手も含むものだと捉えているから、愛とか恋とかの感情が重いヤンデレも当然身勝手極まりない言動をとったりするだろう。
 そういった綺麗ではない部分があるからこそ恋愛は時折どんなものよりも美しい。だから私は恋とか愛とかのお話が好きです。
 
 ・三角関係
 せっかくなので三角関係の話もしましょう。
 三角関係もの。選ばれた者と選ばれなかった者に分かれてしまうので悲しい。上の方で失恋ものが好きと言いましたが、失恋ものと三角関係ものに出てくる失恋は違うんですよね。
 失恋ものは、恋は実らずとも一対一の関係でなんですよ。でも三角関係ものは一対ニで選ばれた者と選ばれなかった者が出てしまうんですよ。これが凄く悲しいことに思う人間なので、三角関係ものと謳いつつ今作は両方のルートを選んでも付き合わないし、付き合っても全然円満じゃないという……
 
 本作のメイン攻略対象は瑠美子ですね。芽衣子とは小学生からの付き合い。幼馴染です。
 恋愛ものだと幼馴染って王道属性で、メインヒロイン、ヒーローとして出てくることが多いイメージです。
 誰ですか負け属性って言った方は。そりゃ幼馴染属性のキャラは、突然空から降ってきたミステリアスな美少女(後に転校してきて主人公の隣の席に座る)(物語の根本に深く関わっている)にお株を奪われがちですがっ…… 作品がダブルヒロイン形式の場合、幼馴染ヒロインと途中参戦のミステリアスだったり高嶺の花っぽい感じのヒロインと争うことになったりしますがっ…… そういった場合、ビアンカとフローラ、エアリスとティファみたいにファンの間で論争になったりしますがっ……
 でも幼馴染属性のキャラはギャルゲーや乙女ゲーでは大体メインを務めるので。天下のときめきメモリアルさんのメインヒロイン、ヒーローは幼少期に主人公と関わりがあったりしてるんで…… 
 でも恋愛ゲームのメインって幼馴染だけじゃなくて高嶺の花優等生キャラも多いよな……
 そもそもときメモのメイン攻略対象は大体全パラメータを上げることを主人公に要求してくるハイスペックキャラが多いイメージ。
 
 ここまで考えて、彼悪ってもしかして男性向け王道ダブルヒロイン三角関係ものなのかな……という妄言が浮かびました。女性向け王道ダブルヒーロー三角関係ものと表さなかったのは、女性向けはどちらかというと俺様系黒イケメンと優しい白イケメン(大体こっちとはくっつかない)が対立するよなという偏見からです。実際のところ、最近の少女漫画はどんな感じなんでしょうか。
 
 ということでそのうち白イケメンと黒イケメンが泥沼の争いを繰り広げるヤンデレ乙女ゲームを作る必要が出てきましたね……
 
 最堂とかいう存在を加えることは予定に無かったので全くの偶然ですが青と赤、法律を気にしない常識人と法律を気にする非常識人……となんか良い感じに対比のある攻略対象になりました。芽衣子視点だと冷たいような瑠美子は内心デレデレで、優しいような最堂は内心ボロカスに貶してるし。
 二人共二面性がある猫被りで慢性的な嘘吐き。好きな人間のタイプが結構似てるという共通点もあるので、あっもしかして最初からこのゲーム用に作ったキャラだったかな?と錯覚を起こしそうです。 


 
 登場人物


 
 ・萌木芽衣子(モエギ メイコ)
 名前は最初に瑠美子の方から決まったので、それに合わせようと同じ〇〇子系の名前にしました。ちなみに二人共名前が先で、後から名字を決めてます。名前に合いそうな名字をその場のノリで考えました。キャラの名前をわりかし適当に決めるタイプなので、大体実在してない名字になります。
 一番初期案から変わらずに安定していた人。初期の頃から目立たない系の大人しい子です。作中のキャラ解説にも書いた通り、普通よりの感性の子を書くのは中々難航します。いや、普通よりの感性というか温厚な性格で頭の中でもそんなに悪態つかないタイプかな…… 作者自体が結構ネタに走るタイプの人間なので、なんか明らかにヤバい台詞とかエキセントリックな人格の人間を書きたい!という欲がね……
 芽衣子視点というか、この作品の前半部分はお淑やかな雰囲気というか綺麗めの作風にしたくて、あまりふざけた文章は書けなかったんで…… 最堂視点みたいなふざけた文章が一番書きやすいみたいなところがありますが、彼は彼で心理面が面倒臭いので書きやすいことはないです。総合すると書きやすかったのは瑠美子かな。
 今作のメインキャラは3人とも中学生二年生(14歳くらい)です。作中の季節とかあんまり細かく決めてませんが、新学期になってクラス変わってしばらく経った後〜夏休み入る前くらいを想定してます。立ち絵だと芽衣子&瑠美子が長袖セーラー服で、最堂が半袖なので長袖でも半袖でもどっちでもいい気候のイメージ。(まあこれは私がセーラー服は長袖がいい!絶対長袖!!という想いをゴリ押しした結果で、季節感を考えて描いた訳じゃないです。ガバガバだね)
 余談もいいとこだけど、キャラの誕生日全然決めない党の人間なのにこの前暇だから決めるか〜と唐突に誕生日を設定し始めた結果、芽衣子5/21、瑠美子7/29、最堂6/3になりました。これだと芽衣子、最堂は14歳でいいですけど、瑠美子はまだ13歳っぽいですね。ゲーム内のキャラ解説で彼の年齢を14歳と書いたような気がするけど…… ま、まあいっか! 誤差!!
 作中の時間経過とか考えるのが苦手なので、年齢とか季節とかかなりざっくりしてます。
 ということで芽衣子が3人の中では一番歳上です。ちょっとだけ。同じ学年だと歳上とか歳下とかそういう意識は希薄ですけど。
 誕生日の決め方ですが、実は彼悪のキャラは裏でこっそり花言葉が合ってたりとかでイメージに合う植物を勝手に決めてたりします。ゲーム内のキャラ解説の背景にしてます。その花が誕生花になる日を誕生日に設定してます。設定しただけで絶対忘れるし、誕生日当日になんかする訳じゃないけど。
 芽衣子の場合はカスミソウです。花言葉は清らかな心、幸福、永遠の愛、無邪気、純潔など。
 芽衣子は普通にその辺の学校の1クラスに一人はいそうな感じをイメージしてます。良くも悪くも普通の子。瑠美子も細かい設定はともかく、表向きの性格は1クラスに一人はいそうな友達が多くてかわいくて明るい子のイメージです。最堂? あいつは知らん。いや……1クラスに一人はああいう優等生タイプいる……いるかもしれない……
 中学生らしさというか、思春期感?みたいなのは全然わからないのでキャラクターが年齢相当かとか本当に全然わからないけど、何となく中学生っぽい青春っぽい青臭さというか?を作品の全体的に意識してはいます。そもそも作者の青春の感じ方がおかしいかもしれないけど。青春ってなんだろ…… キラキラした爽やかな未成年達の交流とか、中二病的な無鉄砲で向こう見ずな熱量とかを青春だと思うんですけど…… 個人的に、放課後の人の減った廊下で聴く吹奏楽部の練習音は凄くノスタルジーで青春を感じます。
 物語後半からは彼女視点の話は一切書かれません。瑠美子+最堂視点の話からおおよそ察しがつくかな…… そこらへんの詳しいことはプレイヤーの皆さんのご想像におまかせしとこ(丸投げ)
 だからなのかあんまり主人公って感じはしませんね。物語の観測者の一人といった具合です。
 
 これはどのキャラにも言えることですが、キャラデザには何かしら趣味が入っています。三編みとか伏し目がちだったり、三白眼だったり。目の色は名字が萌木だから緑系じゃろとクソ適当な理由で決められました。
 
 最堂への好意はほんのり好きって感じで、別に付き合えなかったら死ぬとかそういうのではないです。ヤンデレじゃあるまいし。だから別に最堂が他の人と付き合ってもちょっと残念ってだけで滅茶苦茶ヘコみはしません。というかそもそも付き合えるなんて考えていないので、滅茶苦茶ヘコむ程のめり込まないようにしています。普通なら同窓会で出会って、そう言えば昔好きだったな〜って懐かしむような存在でした。なので瑠美子も可能性が無かった訳じゃないというか……うん……
 
 ・璃々川瑠美子(リリカワ ルミコ)/チズル
 名前は美少女っぽい字面にしたい!という想いを込めてつけました。作中で芽衣子が述べている通り瑠璃のような美しい娘というイメージです。目の色も合わせて自然と青色に決まりました。
 瑠璃、ラピスラズリは宝石の中では一番好きだったりします。あと個人的な話になりますが、ら行の音が大好きです。なんだか綺麗じゃないですか。自分自身のハンドルネームであるルリエも上記の理由からつけてたり…… あと好きなホラー小説家であるH・P・ラヴクラフトの作品に登場する架空の都市ルルイエの別称、ル・リエーともかけてたりします。実はホラー由来。
 
 閑話休題。
 
 上の方で書きましたが、元々はかなり酷い性格にする予定だったのに色々あってそこそこ善良(?)な部類に落ち着きました。
 
 昔から女性ホルモンを打っているので、ちょっと見ただけでは男性だとわかりません。死んだ姉とは元々顔が似ていますが。
 ケーキの好みもそうですが、姉と彼は普通に違う人間なので完全に再現することはできません。
 元々かわいいものに惹かれるところがあるし、昔からやってて慣れてるので女装自体はそんなに嫌じゃない。持久走で走る距離少なくてラッキーとか、夏にズボンは暑いし……とか思ってそう。基本的に前向きというか、それ自体は自分の個性だと認めています。
 あとこれは単純に疑問なんですが、性別を偽って学校生活を送ってるキャラって学校側からどう認識されているのでしょうか(女子校に女装男子が潜入するとか、男子校に男装女子が紛れ込む系恋愛ゲームって結構あるよね)
 学校側が事情を汲んでいるパターンか、学校側も騙されてるパターンの2種類が想定されるのですが、瑠美子はどっちもありそうですね。
 ええ、そんな細かいことはマジで決めてなかったガバガバな人間であることをここで告白しておきます。
 多分彼の母親のことなので、出生届の時点でなんか色々とぐちゃぐちゃなことになってそう。
 ……ここらへん深堀りすると本当にヤバい話しか出てこない感じがします。
 学校生活に関しては、プールは体質の問題とかそういうこと言って毎回見学だろうし、修学旅行的な宿泊イベントには一応参加するけど何かと理由をつけて入浴を個別に行わせてなんとか誤魔化してると思います。
 トイレは個室使うから問題ないかな……って感じで普通に使ってると思う。あと体育の着替えも誤魔化しが効くかな。多分罪悪感はある。(全然関係無いけど学園ものの探索ホラゲの主人公って何の躊躇いも無く女子トイレも男子トイレも入るよな)
 
 普段の生活で、彼は芽衣子から同性だと思われていることをそこそこ良いように利用している節があります。小学生、中学生にはよくあることな気がしますが、彼女は自分とは異なるタイプの人間に話しかけるのを萎縮するので、性別が違うって時点で話しかけにくさが跳ね上がるみたいなところがあるし。絶対何回かお泊りとかしてるし。女友達の距離の近さに甘えてたというか、居心地の良さを感じていました。
 中学生くらいになるともうちょっと関係を進展させたくなってくるのですが、今まで騙してたという後ろめたさと、これで拒絶されたらもうお終いなので中々言い出せないという。
 これ、ヤンデレっていうほどのめり込んでなくて、普通に好きな人だったらフラレてもそこから這い上がれると思うのですが、ヤンデレにとって想い人というものは全宇宙で唯一無二の存在でフラレたら割と終わりなところがあるので慎重にならざるを得ないんですね。
 彼が錬金術師なら話は別ですが、錬金術師じゃない普通の中学生なんで……
 さっさと告白してたら上手いこと付き合えたとは思いますが、さっさと告白なんかできないレベルで大切な相手なんで……
 
 付き合えたら、まあ……そんなに束縛とか激しいタイプではなさそうだし、多分…… 余計なことがなければ良いパートナーになれるはず……死ぬほどベタベタしそうだが…… 最堂と違って子供できてもああいうことしないし……
 二度と別れられなくなりそうだけど。もし別れるどうのこうのということになったら、色々と問題が出てきそうだけど。
 
 私はヤンデレという属性はある程度のスペックを求められると考えています。監禁もストーカーも相当上手くやらないとグダグダになって失敗するかな〜と。
 言っちゃあなんですが、瑠美子は結構ポンコツな方です。いや一般中学生に犯罪技術を求めるのが間違ってるんだよ。
 富豪の子供だったら全部お金で解決できますけどね。やっぱり世の中金ですよ!! お金さえあれば盗聴器も発信機も監禁用地下室もヤバい薬も暗殺者も揃えられるし、多少の犯罪行為は揉み消し放題!(最悪)
 ただ瑠美子は感性が普通寄りなので、盗聴器とか仕掛けるのは駄目でしょ…… 気持ち悪いし……とお金があっても使おうとは思わないでしょうね。でも使ってみたいという欲求がないわけではない。
 こういった詰めが甘いところとか、中途半端に倫理観がはたらくところが駄目だとも偉いとも言えます。
 作中で最堂に対して嫌悪感MAXですが、瑠美子視点では別に何かされた訳じゃないし、一応好きな人の好きな人なので殺害には踏み切れません。ただ彼は最堂みたいに周囲の反応や法律を気にしているのではなく、あくまで自分の良心と、想い人の気持ちを考慮した上での判断なので、最堂がクズの極みみたいなことをして芽衣子に殺害依頼をされたら間違いなく殺しにかかります。
 生殺与奪権を勝手に芽衣子に明け渡してるというか、完全に依存してる系です。元々の自我が希薄なので、自分自身を蔑ろにできる。好きな人の為ならまあまあな悪事を働ける。絶対無いけど、芽衣子が深夜に死体持ってきたら何も聞かずに一人で埋めてきてくれるし、なんなら代わりに捕まってくれる。できるだけ好きな人を傷つけないように行動したい思いと、傷つけてでも恋人になりたい思いが二律背反する時がある。
 好きな人の好きな人ってだけで十分嫌いになりえますが、瑠美子が最堂のことを気に食わないのは、そもそも嘘吐きが嫌いだからでもあります。同族嫌悪みたいなもので、感覚的に嘘吐きを見極めることができます。普通の人間にはわからないので、最堂の演技が下手くそって訳ではありません。
 逆に彼は素直な人が好きです。彼が芽衣子のことが好きなのは、初対面での会話がきっかけではありますが、彼女の性格自体が好みなので出会い方が違っても惹かれていたと思います。ここらへん最堂と人間の好みが似てて面白いね。
 
 瑠美子がそこそこ地に足がついているというか、まともなままでいようとしてるのは母親を反面教師にしているからです。母親のことは嫌いではないけど、ああいう風にはなりたくないし、なれないと思ってます。なので芽衣子が死んでも妄想に縋ることはありません。想い人がいなくなった時点で速やかに自殺しますが、遺書の内容があれなので死なずに彼女を想ってずっと生きていく気がします。
 
 見た目がかわいい子が見た目通りの口調なのも好きですが、見た目と乖離しているのも好きです。瑠美子の場合は乖離しまくるようにしました。素の一人称は俺です。
 キャラデザは私の考える美少女像をそのままぶち込みました。美少女です。
 
 ここまで使ってきた瑠美子は彼の姉の名前そのまんまなので、自分を指す言葉としたくないと思っています。作者的には瑠美子の方が先に思いついて馴染み深いので瑠美子と表記しますが。
 芽衣子以外の人間にチズル呼びされるのはそんなによく思っていなさそうです。最堂なんかにチズル呼びされたらキレるでしょうね。(最堂には生きてるだけでキレてるのでは?)
 将来的に改名しそうです。改名したら芽衣子以外にもチズル呼びされるけど、それ以上に改名したい欲が勝ちそう。
 その場合、漢字表記は千鶴かな。チヅルって読む方が自然だけど、好物のチーズケーキが由来なのでチズルです。
 
 誕生日の由来となった花は薔薇(黄色)です。花言葉は愛情の薄らぎ、嫉妬、友情など。薔薇全般の花言葉は愛、美。
 
 ・最堂秀 (サイドウ シュウ)
 名前は優等生っぽい字面を目指した結果です。なんか優等生っぽいな〜と思ってくれたら良いな。
 実はとある小説の影響をバリバリに受けているキャラです。というかその小説を読まなかったら彼は絶対に生み出されていません。何の小説なのかは彼メインの作品の裏話にて話す予定です。今の時点でタイトルを当てられた人には豪華賞品が…………
 冗談です。でも当てられたら凄い!
 
 めっちゃ簡潔に性格を説明するとしたら、猫かぶり腹黒八方美人野郎です。表向きは良い人だけど滅茶苦茶性格が悪く傲慢。共感性が低く倫理観はあまり無い。
 じゃあサイコパスなの?というとそうでもないというか…… 一般的な人間よりもかなりドライってイメージです。それをサイコパスと言うんだよと言われたら、そ、そうですね……サイコパスですと答えるしかないです。
 
 いやサイコパスって難しいんですよ。日本語にすると精神病質者。精神病者とまではいかないけど健常者とも言い難い人、もしくは反社会性パーソナリティ障害の人のことを指す言葉です。この時点で2つの意味があってややこしい。
 主に使われる意味は後者の方で、前者の方はメンヘラという言葉に言い換えられる気がします。メンヘラという言葉も元々はメンタルヘルス、精神病者を指していたのですが現在では精神が不安定、病んでいる人間と広い範囲に使われるようになっています。
 こう考えると狭義的にも広義的にもサイコパス=メンヘラが成り立ちますね。
 
 ただ使われる後者の方、サイコパス=反社会性パーソナリティ障害って訳でもないような…… 
 ちょっと調べてみると反社会性パーソナリティ障害には犯罪という言葉がついて回っているんですよ。でもサイコパスだからといって犯罪者という訳じゃいし……
 よくわからなくなってきましたが、私個人の印象だとサイコパスは特徴、反社会性パーソナリティ障害はサイコパスな気質の人間がかかる精神疾患といった具合です。
 つまり反社会性パーソナリティ障害=サイコパスではあるが、サイコパス=反社会性パーソナリティ障害という訳ではない……みたいな。
 自身の性格が自分や社会に悪影響を及ぼさなければ、障害ではなくただの個性なのかなと。
 
 まあ私は別に精神疾患について勉強してる身でも何でもない人間で、全く見当違いなことを述べている可能性しかないので確実な情報を知りたい人はご自身で調べてみてください。
 
 さてサイコパスの特徴としてよく挙げられるのが以下の7つです。
 
 ・良心の欠如
 ・共感性の無さ
 ・平気で嘘を吐く
 ・無責任
 ・罪悪感が無い
 ・自己中心的
 ・表面上は魅力的
 
 うん! バリバリ当てはまってますね!!
 別に私はよ〜し!サイコパスキャラを作るぞ!!と意図して彼を制作した訳じゃないんですけど見事に当てはまってますね。紛うことなきサイコパスですよ。
 こいつはダンロン系のデスゲームで殺害できる人数に制限が無かったら自分以外の全員殺して裁判を発生できなくさせるタイプのクズですからね。
 (例:は? そんなのデスゲームなんか開く奴が悪いんだが? 僕は巻き込まれただけの被害者だが? 何か間違ったこと言ってますか?)
 法律が関係ない世界だと滅茶苦茶危険人物だけど、法律があるから良い人でいられる奴です。
 
 ただサイコパスの特徴として他に挙げられることの多い
 ・性に奔放(誰でも良いって訳じゃない)
 ・衝動性(どちらかというと計画的)
 ・スリルを求める(静かに暮らしたいタイプ)
 には当てはまってないんで……
 
 何より彼はサイコパスにしては滅茶苦茶臆病なんですよ。自信過剰なタイプではないというか、ぶっちゃけ陰キャレベル100のド陰キャだと思ってるんで…… こいつ人と会話するのが嫌だから美容院がクソ嫌いなタイプですよ。
 
 と、ここまで書いて本当にサイコパスは難しい用語だと思ったので断言せずに、サイコパスっぽいところがある位で留めておきます。
 ※普通にヤバい奴なのでサイコではあります。
 
 
 本人には性格がアレな自覚はあります。最堂の視点では結構な暴言とナルシストな文章がありましたが、彼は自己肯定力が強い人間ではありません。基本的に自分の評価を他人に委ねているので、彼が自分を褒め称える時に使う言葉は過去に他人から言われた言葉を流用しているだけです。思春期の全能感から来るものではなく(実際に能力はあるし)客観的な評価をあてがってるだけに過ぎません。本来の自分の性格にはかなりのコンプレックスがある為、他者に対して攻撃的な感情を抱きやすいです。
 具体的には他人を人間扱いしないこと。人間性への憧憬が強いので、普通に人間やれてる奴が嫌いです。
 彼が言われて素直に嬉しい言葉は多分“人間らしい”だと思います。
 相当な嘘吐きなので彼の視点のテキストのモノローグですら結構本心でも無いことを述べています。卑屈になっていない時の文章はあんまり鵜呑みにできません。
 滅茶苦茶な臆病者でもあるので、少々異常なまでに他者を気遣います。
 作中で芽衣子が指摘している通り、本人が良かれと思ってやってることが問題を引き起こしてたりもする。余計なサービス精神というか、いらない縛りを自分に科していることが多い。
 

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 乙女ゲーの攻略対象にあるまじき思考回路の文章である。元々乙女ゲーのキャラじゃないとはいえ、なんでこんな奴を……? 正直、こいつが人を愛するところとか想像できないな〜とシナリオ書く前は思っていました。
 そんな奴を何とかかんとか頑張ってヒロインと両想いにさせた昔の私は凄いな…… どんなマジックを使ったんだ?
 
 本編をやった人は大体この男のクソみたいな面倒くささをご理解頂けると思いますが、本当にこの男は面倒くさいです。
 
 好意を向けられる→どうせお前が好きなのは表面だけだろ死ね
 嫌悪を向けられる→僕は僕のことが嫌いな奴が嫌いだ死ね
 
 とまあ何やっても嫌われます。顔を褒めても頭の良さを褒めても運動神経を褒めても性格を褒めても好感度が下がります。とにかく長所を褒めると好感度にマイナスが入る仕様なので、攻略するには短所を頑張って褒めるしかないけど、本人は短所を見せたがらないという徹底ぶり。 
 
 ……なんなのこいつ?
 
 作中の会話で何となくわかると思いますが、彼が欲しい愛情はマジで自分のことを何でも受け入れてくれるような、真実の、永遠の、無償の愛です。
 だから顔に惹かれた人間とか自分の長所に惹かれた人を滅茶苦茶に嫌悪します。それは上辺だけで不誠実だから。
 じゃあどこに惹かれたら誠実な愛なのだろうか……
 
 うわ〜嫌だ! 無限哲学思考ロジックにハメ殺される!! 
 愛って……なんだ………?(無限哲学思考ロジックにハメ殺された者の末路)
 
 ちなみに好感度を稼ぐと某エンドのように若干本性出してきて試し行為的なことを始めだすのでマジで面倒くさいです。好感度が上がった状態の方が厄介です。
 
 でも彼みたいなデレツンというかツンギレのクソ面倒くさいキャラは好きですね…… まともなデレが死ぬ前の十秒位しかなさそうな奴……
 実際好きな人が死んだ後くらいしかまともにデレませんが。
 
 ここまで書いておいてなんですがヤンデレかこれ? メンヘラ、サイコ、ツンデレではあると思いますが……ヤンデレか?
 
 一応補足しておくと、一度好きになった相手のことは一生涯好きなままだし、裏切られたら一生赦さないまま毎日ネチネチ責めてくるタイプです。
 
 性愛と恋愛感情の関連性について本編で触れていなかったような気がするのでこの場で少し補足します。
 作者は、人間色々なタイプがいるんだから、性愛と恋愛感情が接続してたりしてなかったりするのも十人十色だと思っています。好きな人としかそういうことしない人間もいれば、特に好きでもない人間でもOKタイプもいるかな〜って。中には好きでもない相手なら全然大丈夫だけど、マジで好きな人間だとちょっと気後れするタイプもいるでしょう。ちなみに最堂はマジで好きな相手以外は滅茶苦茶拒絶するタイプです。
 
 誕生日の由来となった花は紫陽花(青)です。花言葉は冷淡、無情、高慢、あなたは美しいが冷淡だ、辛抱強い愛情など。紫陽花全般の花言葉は移り気、冷酷、和気あいあい、家族など。ちなみに死ぬほどではないけどよくわからない毒があります。


 
 エンド解説


 
 瑠美子編
 良い子エンド
 一番マシなエンドかと思います。特に何も起こらない! 平和!! 少女漫画でたまにあるイメチェンイベントをやりたかった。このエンドでの瑠美子の一人称は私に戻ってます。これは趣味ですが、男の人が女の人に化粧を施すのが好きです。具体的に言うとヤンデレが好きな子の死体に死化粧を施すのが好きです。
 この後、多分最堂に告白して晴れて付き合うことになるんじゃないでしょうか。上手くいくかは相手がアレなんでわからないですけど…… あと瑠美子がそれに耐えられるかもわからないですけど…… よく考えると一番マシではあるけど、ずっと何も起きないとも言えませんね。ずっと平和でいてくれるかな……
 
 悪い子エンド
 女装男子×女子のヤンデレものの特色がよく出てるエンド。別に自分とは付き合えないままでもいいけど、好きな人が他の誰かと付き合うのは全力で阻止したい。そういう独占欲良いですよね……
 ここらへんの最堂視点は作中ではないんですけど(えっ? 絶対嘘じゃん怖っ…… 断っても断らなくても殺されそうなんだけど)って思ってるでしょうね。素直に告白をOKしたのは、自分が瑠美子と付き合えば芽衣子の立場が少しマシになるかなと考えたのもある。
 Q なんで好きになったの?by最堂
 A なんとなくby瑠美子
 このシーンでい、意味わかんねぇ〜!死ね!くらいは思ってそう。
 お互いにしばらく付き合って自然消滅に持ち込むかと思ってるので、そのうち別れます。その後はどうなるんだろう。最堂はこの時点で芽衣子に目をつけてるので、ちょくちょく関わってこようとするだろうし。絶対ろくなことにならない(確信)
 
 酷い子エンド
 ちょっとやり過ぎてしまって、ろくなことにならなかったエンド。孤立誘導型のヤンデレは上手くいくと想い人のヒーローになれて好感度急上昇チャンスなんですけど、失敗するとこうなります。最堂視点のエンドと共通している部分があるので、別に瑠美子だけが原因ではないし、瑠美子自体は手を下した訳じゃないですが、大体瑠美子が悪いです。こうなった場合の瑠美子は上の方で書いた通り、特に自殺とか精神崩壊とかそういうことにはならずに静かに生きていきます。墓参りの頻度が高そう。たまに最堂と出会ったりもするんだけど、彼に怒る気力とかはもう無いんじゃないかな。
 
 醜い子エンド
 ろくなことにならなかったエンドその2。恋破れたらそりゃ死にますよね! あてつけに相手の部屋で自殺してやりましょうよ!!
 途中で急に正気に戻るんですけど……
 このエンドでの最堂&芽衣子は映画を観に来てましたが、最堂視点で映画を観ていたシーンとはまた別の時間軸? 世界線?です。でも観にいった場所は同じっぽい。どちらかというと狡い子エンドの方が近しい状況かなと思います。あっちとは繋がってなくてもいいけど、繋がってることにしといてもいい。
 好きな人とデートしてウキウキで帰ってきたら部屋がヤバいことになっていた芽衣子ちゃんの気持ちを想像すると泣けてきますね。一生モノのトラウマなんですけど。
 
 
 最堂編
 悪&酷&醜い子エンド
 最初に想定していたエンドです。瑠美子視点のエンドと繋がってます。芽衣子が死んだ直接的な原因は彼に告白を断られたからです。本当なら告白を断られただけなら死ななかったんですけど、あの状況だと最堂だけが頼みの綱的なところがあったんで。彼女が死ななければ、最堂は手紙を渡して自分から告白するつもりでした。彼は病的に素直じゃないので口頭で本心を語るのは苦手です。好きな人が死んだ為、彼は自身の恋心により自覚的になります。あと自分のことを口先だけじゃなくて本当に死ぬ程好きな人は滅茶苦茶好きなので、この出来事で好感度+10000くらいはしてます。攻略させる気あるのか?
 
 
 狡い子エンド
 上のエンドだけにしようと思っていたけど、せっかくだからこっちの方も選択肢を出したいし、最堂だけ綺麗に終わるのもなんかアレで、マジでクズな一面をお見せしようかなとして追加したエンドです。
 彼の冷血なところとか、死ぬほど恋愛が下手くそなところとかがよく出てる方かと思います。あとこっちだと結構な弱音を吐いてくれる。
 彼は前述の通り、自己肯定力マイナスに入っているので、自分が親になれるような人間ではないと思っていますし、実際それは間違ってない(失礼)そういった自分を世界で一人だけでいいから許してほしかったという。
 それから別に彼は性欲だけでああいうことに踏み切った訳じゃなくて、ただ誰かに受け入れた欲しかっただけです。ああいうことを許してくれる誰かがいる安心感を得たかったのです。
 結果失敗したけど、あの子は一度好きになったらかなり一途なので滅茶苦茶粘着するんだろうな……
 あの後どうなったのかは考えていませんが、瑠美子にバレた時のことを想像すると怖いですね。いよいよ殺されると思います。まあ一回位は刺された方が良いかな…… 瑠美子は最堂の血が入っていようと好きな人の子供なので、面倒見てくれると思うし……
 ただこのエンドは瑠美子視点の醜い子エンドに繋げようと思えば繋げられる為、そうなった場合逃げ場は完全に無いです。


 
 
関連作品の話


 
 今現在では関連作品は公開されていませんので、これから公開されるだろう作品の話になります。

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 まずこちら。今年の9月までには公開されると思います。
 ボーイズラブというかボーイズヘイトというか何かそういう感じのメンヘラクズに人生滅茶苦茶にさせられる系殺伐青春?BLゲームです。ジャンル全然違うじゃねえか!って思うかもしれませんが、一応舞台が同じなので関連作です。彼悪より一年前、つまり芽衣子達が中学一年生の頃の話になります。
 同じ学校が舞台として登場するだけで、芽衣子達が話に関わってくる訳じゃありませんが……
 作者もあまり意図していなかったことですが、この話が前日譚になることで最堂がいじめとか自殺とかに滅茶苦茶注意を払ってる理由が増えるような……
 多分彼悪とこれを両方プレイすると、この学校呪われてるよ……みたいな感想が出てくるかと思います。
 
 あと外せないのが最堂の元の作品ですね。こちらは来年辺りに作りたいな。ジャンルはなんだろう……サイコサスペンスかな……
 名門高校に入学して生徒会長となった最堂(18歳)が主人公です。

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 彼悪の最堂はこっちの姿から中学生時代を想像して描きました。なので作者的には高校時代の彼の方が馴染みがあったりします。元々は学ランの長髪美青年でした。
 中学生の時点で性格がアレな奴ですが、高校生になって変わるどころか悪化してると思います。まだ作ってないのでどうなるか私にもわかりませんが、彼悪でのエピソードが滅茶苦茶影響すると思います。元構想だけだと彼は恋なんて知らないまま育ったので。
 ちなみに彼悪の反省会で瑠美子が最堂だけどのルートでも死んでないと怒っていましたね。これには理由があります。
 こっちの方で死ぬからです。
 
 それから上記の最堂メインのゲームを作るんだから、芽衣子と瑠美子メインのゲームも作ろうかな〜とも思ってます。
 長い話じゃないかもしれないけど、中学校に入る前の二人のほのぼの日常的なの……

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 最堂メインが後日譚ならこっちは前日譚ですね。
 ジャンルはホラーにする予定です。
 
 Q なんでホラー?
 
 A 学校と言えばホラーだから。二人仲良く小学校の七不思議の調査とかして欲しかったんです。
 
 最堂メインの方も瑠美芽衣メインの方も一応彼悪やってなくても大丈夫なようにするつもりです。
 
 とまあ色々書いてて当時のことを振り返ったりして楽しかったです。せっかくなので絵を描きました。複数人の構図とかわかんないよ〜ってなったので、乙女ゲームっぽい構図を意識しました。乙女ゲームっぽい構図って何?

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 ここまで読んでくださりありがとうございました。プレイしてくださった皆様、使用させて頂いた素材サイト様、公開して頂いたゲームサイト様にこの場を借りてお礼申し上げます。

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