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蚕の箱庭 製作裏話、解説等


 ゲームの後書きやTwitterで載せられなかった長めの話をここに載せてます。17000字程度
 当然ながらネタバレ全開。
 好きなものと性癖の話しかしていないグダグダした文章が以下続きます。ご注意ください。まともな解説とか期待しない方がいいです。


  
・ゲーム製作の始め
 

 構想はかなり前からありました。3、4年前かな…… 病み系青年が何やかんややって女の子を洗脳して一緒に仲良く暮らすけど、最終的に逃げられる話として。その時に考えてた題名はsilk wormです。(直球過ぎる)

 昔から生物の生態について調べるのが好きで、特に虫は多様性があって惹かれる存在でした。中でも蚕はかなり好きな生き方をしています。見た目も可愛い。そんな蚕と人間を絡めた話にしようとしました。誰かに縋らないと生きられない生物は別に蚕に限ったことではないので。

 当時揚羽というキャラクターは脳内に存在しておりましたが、虫をテーマにした話繋がりはあるはずなのに何故か彼(女)を話に出すつもりはありませんでした。後に一般人が洗脳とか無理過ぎだし、ここは非現実要素持ち込み要因の揚羽さんにひと肌脱いでもらうしかないのでは? 虫繋がりだし……いる世界を接続しても良いでしょ……と思った為に関連を持つようになりました。むしろなんであっちの世界と繋がってないと思ってたの?? 

 そこから登場人物のキャラデザと大まかな設定を足します。作者の趣味100%でロリをツインテに、お兄さんを長髪メカクレにしました。 コンビニ定員の病み系お兄さん(三十路)×お兄さんに懐いている純粋元気ロリの構図はこの時点で完成しています。

 作者はコンビニでバイトした経験が無いので、参考の為に学校の図書館にあった芥川賞受賞作村田沙耶香さんの『コンビニ人間』を読みました。これが滅茶苦茶面白くて、好きな本を10冊あげろと言われたら必ず入れるまでに気に入りました。主人公とその元同僚の白羽さんの絶妙に噛み合っていない関係が好きです。滅茶苦茶面白いし(なんたって芥川賞受賞作です)、蚕の箱庭が刺さった人は多分好きなんじゃないかなと思うので是非読んでください。 

 一葉の年齢は最初30歳に設定していましたが、若過ぎるな……と思い6歳引き上げました。途中で流石に27歳差はやり過ぎだよ!!と正気に戻りかけたけど、何とか打ち克って年齢の引き下げを拒絶しました。正気に戻るな。(そういえば『コンビニ人間』の主人公も36歳でした。偶然なのか、刷り込みなのかは自分でもわからないです)  

・コンビニ人間について  


「皆が足並みを揃えていないと駄目なんだ。何で三十代半ばなのにバイトなのか。何で一回も恋愛をしたことがないのか。性行為の経験の有無まで平然と聞いてくる。『ああ、風俗は数に入れないでくださいね』なんてことまで、笑いながら言うんだ、あいつらは!誰にも迷惑をかけていないのに、ただ、少数派だというだけで、皆が僕の人生を簡単に強姦する」 村田沙耶香『 コンビニ人間』 文藝春秋 より

 申し訳ないが、『コンビニ人間』の話を続けさせてもらいます。
 
 少々エキセントリックな性格の36歳コンビニバイト未婚の女性が主人公。彼女は自身の普通ではない性格を周囲から咎められるのを疎み、普通の人間であろうと努めていた。そんな彼女はコンビニバイトを天職とし、自らの生活に大いに満足しているのだが、周りの人間は30代半ばで正社員ではない未婚の彼女にやたらと干渉し始める。主人公はそれから逃れる為に元バイト仲間であった白羽という男と同居する。
 
 これが大まかな話の流れです。
  
 「普通の人間とは何か」をテーマに、読みやすく淡々とした文体の一人称視点で語られる本作の結末はハッピーエンドだと個人的に解釈しています。
 コンビニ人間の主人公は共感性が乏しく酷く合理的な、俗にサイコパスと呼称されるだろう人間。一般的な人間の感性から大きくズレた彼女目線の他人事のような冷めきった文章と、周囲との温度差がシュールで面白かった記憶があります。あのラストはきっと彼女だからこそ辿り着けた答えなのでしょう。
 
 恋愛しない。結婚しない。会社で働かない。
 
 私は人間としての経験が浅い上に、家族が結構好き勝手させてくれるので、あまり実感はありませんがそういった人間に対しての風当たりは強いみたいです。
 コンビニ人間の彼女に対する周囲の反応は悪気は無いと思いますが酷いもので、感受性が希薄な主人公でなければもっと陰惨な地の文になっていたでしょう。

 それはさておき主人公のサイコ感と白羽(上の引用した台詞を言った人)のクズ感が凄く好きだから読んで。お願い。


・製作中のあれこれ
 

 とまあ色々人生に疲れた男と、特に何の罪も無い少女の上辺だけほのぼのしてる生温い地獄みたいな内容にすることは制作前から決めていました。私の作るプロットは適当にも程があるので製作途中で滅茶苦茶な仕様変更が起こります。これがいきあたりばったり創作。


 本作は
 1 蜜の視点から描かれる日常生活
 2 一葉の過去回想 彼が死ぬまで
 3 揚羽の干渉 一葉視点の蜜との日常生活
 の3章構成になっています。
 ……が、途中まで一葉が死ぬ予定はありませんでした。作中で選択肢が出ることは一度も無く、END分岐の無い一本道ノベルにするつもりだったんです。(今も実質一本道だけど)


 でもね…… 増やしたくなるじゃん…… 
 何か途中で思いついて増やしたくなったんですよ…………
 
 原因は何か?と問われた場合、一つ思い当たる節があります。
 個人的に滅茶苦茶推してるボカロ作曲者様の溝野あわさんのとある曲を聞いてからEND2が生まれたので……


 https://youtu.be/hrgkdDBuOqk
 ↑この曲です。アルバム「ぶちゃ」に収録されている「ぶちゃ」という曲です。タイトルチューンだ……
 リンク先の動画は作曲者である溝野あわさん本人が紹介していた手描き動画です。アルバム収録曲で本家動画が存在しない為、貼らせて頂きました。
 中毒性のあるメロディ、木琴?のコロコロしてる可愛らしい音、心を抉り取ってくる歌詞に叩きつけるような歌声……
 さ、最高〜〜〜〜!!!! 好き〜〜!!!
 溝野さんの曲はどれも好きですが、特にこの曲の最高さは突き抜けていると思います。前トラックの「死んだ女の記録」と続けて聴くと入りが天才的に良くて…………
 
 ……さっきから好きな本と曲の紹介しかしてないな?
 
 「ぶちゃ」は絶望、自己否定、劣等感の末に自殺を図る話だと解釈できる歌詞をしています。一見(一聞?)粗暴に映るサビの歌詞が全部自分に向けて放たれているところが何とも言えませんね。
 
 この曲を聞いて、上記の解釈に至った結果END2ができました。一葉は一応同情の余地はありますが、やったことは邪悪でしかない為何処かで禊が必要だとは思っていたので。
 まあ……一旦死なせるかって具合です。
 あと一葉は基本的に無害寄りの人間なので、犯罪ルートから外れた結末も要るよねってことで。
 本来の彼は死ぬ元気も罪を犯す勇気も無いので、そこの壁を何とかぶち破る最後の一押しを揚羽が担っています。 

・作品のテーマとか


 おにロリほのぼの日常ものというジャンルのゲームなので、おにロリの話をします!!!
 おにロリとはお兄さん×ロリのことですね。年上の青年と幼い女の子の組み合わせ、カップリングのことです。
 ここで一つの疑問が生まれました。
 御白一葉36歳(アラフォー)はお兄さんに含まれるのか?
 看板に偽りがあるわけにはいかねえ!
 と思い立って調べてみましたが、お兄さんという言葉の定義はかなり曖昧で具体的に何歳までを指すのかは人に寄るという結論を得ました!
 
 いかがでしたか?
 
 せめて40歳以上ならお兄さんじゃないからおにロリというかおじロリだな!と断言でき、30代前半ならお兄さんの範囲に入るだろ!と自信を持っておにロリ表記を使えるというのに如何せん中途半端な年齢にした為に訳がわからなくなりました。
 体感的に彼のことはお兄さんと言ったほうがしっくりくるのでおにロリにしてます。あくまでおにロリ“風味”と表記して誤魔化してはいます。
 おにロリって書いてあったから20代の青年と女の子のいちゃいちゃ作品かと思ったのに話が違うじゃないか!!とお怒りの方がいたら申し訳ないですね。
  
 (調べる過程で一応Twitterで36歳って検索しようとしたらサジェストに独身とか童貞が来て形容し難い気分になりました)
 
 前置きはここまでにしておいて、おにロリの話をしましょう。
 おにロリは大きく2つにわけられると思います。
 恋愛関係を伴うカップリング路線か、恋愛ではないコンビ路線か。
 これはおにロリという組み合わせの性質上避けては通れない区分けだと思います。
 おにロリは歳の差cpの一種。
 この歳の差が開きすぎると人によっては地雷要素になる。片方が未成年になると殊更。
 フィクションであっても受け入れられないという人はいるでしょう。
 教師と生徒の恋愛とか、職場での色恋沙汰とか、風邪ひいてる人に無理させたりとか……
 創作内でもこれはちょっとな〜というのは誰だってあると思います。まともな大人は子供に恋愛感情を抱かないし、さらに年齢制限つきの行為が伴うとなると内なる倫理観との葛藤が起こること間違いなし。
 恋愛感情のない兄妹親子みたいなおにロリは好きだけど、ガチ恋愛は苦手……だってこのキャラはロリコンじゃないし……というお方もいらっしゃることでしょう。(未成年×成人ならOKという矛盾を持つ人もいる)
 
 私はこの作品を世に送り出した奴なので察してください。現実ではできないこともできるのがフィクションの醍醐味ですから。
 この作品がやたらと注意書きが多いのはそういうのが苦手な人への配慮というか……
 ある程度好き勝手やっても怒られないようにする免罪符でもあります。
 私は倫理観の無い作品を誰にも邪魔されずに倫理観が無いな〜って笑って楽しみたいので。背徳感と犯罪臭がどうしようもなく好き。
 
 このゲームのおにロリは非恋愛と恋愛、非倫理と倫理の間の子って感じです。
 倫理観かなぐり捨てて犯罪に走るか、倫理観を保って死ぬか この二者択一酷いね
 恋愛感情はお互いにあるような無いような微妙な関係にしてます。やってること自体も恋愛関係っぽいような親子兄妹のようなものが混ざってる。
 これは意図してやった訳ではないので、ただの偶然です。作者の性癖の一つに恋愛のようで恋愛じゃないようなよくわからない関係があるので、こうなっただけという。
 とは言っても今作の二人は不穏寄りなので、光のおにロリ……青年少女?もそのうち作る予定です。(出す作品が光とは言っていない)
 
 ちなみに年齢差cpで成人しているキャラが未成年に手を出す描写を特に違和感なく挿入できる方法が無い訳では無いです。
 単純な話、登場人物の倫理観をはなから投げ捨てれば良いのです。首の無い死体のある部屋でご機嫌に人肉食を嗜むタイプの青年が一回り年下の女の子とイチャラブした場合、それ以前にツッコミどころが多い過ぎる為問題なくイチャラブできます。逆もまた然りで少女側の性格を著しく常識からズラすのも有効です。何なら両方とも倫理観を飛ばしましょう。世界設定自体を狂わせてみるのもありですね。
 私は一葉が存外まともだったせいで理性を飛ばすのに7万字かかりました。
 
 Q じゃあ最初から揚羽みたいな男を起用してたら早く終わったのでは?
 
 A そこそこまともだった男が色々あってメンタルをヘラって何も知らない少女に生命預けるまで依存する話を読むことでしか得られない栄養素があるんです。


 最後に

 おにロリはお兄さんと少女の体格差と身長差を目で味わい、二人の可愛らしく微笑ましいやり取りに頬を緩め、事案に興奮できる素晴らしいジャンルです。ご理解頂けましたらオススメのおにロリ作品を紹介するか、おにロリ作品をこの世に一つ増やしてください。特に病気でもない私の命がかかってもいないけど、とにかくお願いします。
 


・メインキャラの話
 

 御白 一葉(オシラ カズハ)
 何て形容したら良いかよくわからない人です!!! わからな過ぎて製作途中で何度も自己解釈を見直しました。わからないというよりは思考が複雑でこんがらがりましたね。
 書きながらこいつさぁ……とかうっわ〜!! もうこいつの思考書きたくね〜!!とかバタバタさせられましたね。生々しいというか駄目な方向の人間らしさに満ちているキャラです。
 自罰的でネガティブで……調子に乗る時は乗るタイプ。周りに流されやすい。人との交流が苦手。自己肯定力が低い。寂しがり屋。承認欲求が強い。絶対SNSやっちゃ駄目な人。インスタで良い感じの写真見てヘコんで、フェイスブックで昔の同級生のアカウント見てヘコんで、Twitterで周りと反応比べてヘコんで、ラインで既読無視されてヘコんで…… まあとにかくやっちゃ駄目な人です。SNSに手を出すな。
 ただ彼の承認欲求は量より質派です。皆に褒められたい!認められたい!じゃなくて、誰でもいいから1人だけでも自分の存在を至上のものとして欲しいのです。自分がいなきゃ生きていけない蚕のような存在を何よりも望んでいました。
 親と子が似たような関係でしょうか。ただ彼の理想は自分の巣から羽ばたかない雛なので、健全な親子関係が築けそうではありません。
 じゃあペットでも飼えばいいじゃん!ってなりそうだけど、言語の通じる人間じゃないと満足できないんだろうな〜
 というか言語の通じる人間のペットが欲しかったんだな、この人…… 
 
 ぶっちゃけ彼がやるべきことは満たされない感情を満たそうとすることではなく、自身のコンプレックスと向き合って渇望自体を減らすことなんだけど、それができれば苦労しないんだな〜これが。
 彼の周りは善良寄りな人間が多いので、助けを求めればちゃんと応えてくれてたはずなんですけど、一葉は助けを求めるのがすっごい苦手。人から嫌われたくないので、誰かの負担になるということができずに殻にこもって一人で抱え込むタイプです。かなり面倒臭い人ですけど、自分が面倒臭いことを理解していて、それ故に本心を打ち明けずに気丈に振る舞って、皆が安心してる内に黙って首括るやつ。
 蜜には絶対の信頼を置いている(洗脳してるから)のでその辺のガードが甘い。
 彼が揚羽みたいに優しさの欠片も無い人物なら、もっと楽に生きれたと思います。罪悪感に縛られる方なので。
 
 
 作中でやたらめったら自分のことを卑下しまくってますけど、彼は彼が言うほど駄目な奴ではないです。歌の才能は確かだし、生活能力は普通以上にありますし。
 しかし、RPGでMP上限が低いパワー型ジョブの覚える技がMP消費の激しい上級魔法ばかりではいくら魔法が強くても使いこなせる訳がないのと同じで、彼は何というか、とことん向いてないんですよね。人間が。(それ言ったらもうどうしようもないよ)
 後に覚える特殊能力も強大ではありますが、pow8の彼が精神関係の特技を覚えるのは何とも皮肉めいたものを感じます。
 
 内面とは反対に見た目はできるだけチャラめ? 軽め?にしました。長髪メカクレ属性は何も考えずに作者の性癖で投入したので、後からそうなった理由が勝手に本編で生えてきてヘ〜知らなかった〜(他人事)って感じです。
 ピアスとかスプタンとか服装とかの趣味は全部友人の影響です。
 こいつギャルみたいな服着てるな……とか思った方ご安心ください。今回の件で心境に変化が起こり、もっとギャルみたいな服を着るようになります。
 メタ的なことを言うと性癖だけじゃなくて、それっぽくした方が後の過去話の伏線になるかなって意図して入れてます。
 こいつ性癖しか詰めてなくない?
 それから蟲関連のゲームに出てくるメイン犯罪者キャラは目か口、もしくは両方に何らかの特徴を入れるようにしてるというか…… そういう傾向があるというか…… 揚羽がギザ歯三白眼なのでそういった兼ね合いもあります。
 ノベルゲームはキャラの立ち絵が出せるのが小説との相違点の一つ。立ち絵を出すことで外見の描写が省けますし(私はあまり省かないけど)、何より話しているキャラがわかりやすいのが長所だと思います。私は絵を描くのが得意ではないので描き分けできているかはさておき、なるべく似たような見た目にならないようにわかりやすい外見の属性やイメージカラーを分けるようにしています。性癖もあるけど。
 あんまりゲーム内に出せなかったけど、仕事中とか身体を動かす際には髪をくくります。凄く長いので暇を持て余した蜜に弄られることもあるでしょう。一葉の心と作者の性癖の問題により伸ばした髪が切られることはありません。過去の話を出すとしたら短くなってますが。
 ゲーム内に出せなかったといえば彼、特殊能力入手前だとちゃんとコンビニの制服着てくれるんですけど、入手後は客とか店員の脳味噌弄って堂々と私服で勤務してやがるんですよ。よってバイトの制服姿は闇に葬り去られました。
  
 メカクレの目が見える方が好き、ずっと見えないでいてほしいという性癖の衝突はメカクレという属性には必ず付属してくる問題です。
 私はメカクレは絵面が好きなだけで目が見えるか見えないかは割とどうでも良かったはずなのに、一葉のせいで普段は表情が読めなくて余裕そうに見えるのに焦って前髪が崩れて表情が出ることでいつもの余裕が消え去る外面が剥がれた感じがかなり好きだという“気づき”を得ました。私は推理物で犯人が追い詰められて焦りから豹変して支離滅裂なことを言い出すのが好きな人間です。
 真面目な話をすると顔の一部を隠すことで実年齢がわかりづらくなるという作劇上のギミックにもなっています。
 喋り方といい性格といいなるべく実年齢より幼い印象になるようにしたので。
 御白一葉というキャラクターのテーマは大人になりきれなかった蚕の蛹ですから。これはタイトルやエンド名等で示唆しています。
 
 苗字の御白は東北地方で信仰されている蚕の神オシラサマ由来です。調べてみると色んな伝承があって面白かったです。禁忌を犯すと祟るタイプの神らしい。怖い。
 名前の一葉はどこから来たのかはわかりません。いつの間にか名付けてました。
 ってことは彼は東北地方の出身なのでしょうか? 作者本人もそこは決めてなかったです。10年以上地元離れているんで標準語が基本になってますが、酔っ払ってきたら方言が出てきて、蜜が何言ってんだろう?って顔するのかな…… ありだな……


 幼少期に父親の浮気が原因で両親が離婚したので恋愛感情の永続性を信じていません。結婚願望も低いです。ただ失った家族という存在には強い憧れを抱いています。
 行動原理はEND2のあれが全てです。本人の知らない内に過去に囚われています。
 蜜に恋愛感情を抱いていないが、死ぬほど執着と依存はしています。
 本人に自覚は無いけどサディストの気がある。
 彼の世話焼き&過保護は父性から来るものではなく、相手のことを全部管理したいという支配欲の強さの顕れです。
 対等な関係が嫌いというのは絶対相手に捨てられたくない、逃げられたくない、ずっと一緒にいたいという想いの裏返しですね。臆病者過ぎない?
 正しいか正しくないかで言うと完全に正しくない感情だけど、蜜のことは大好きです。
 こういうところがアレな方向に走った結果が例のシーンです。お察しください。
 
 この人、弱い人っぽいというか実際かなり弱い人なんですけど時折滅茶苦茶怖いなって思うところある。
 女として生まれてたらバンドマンをヒモとして飼い殺してるでしょ多分。
 自分がいなきゃ駄目な状況に物凄く惹かれる、クズ男にハマる女みたいな心理してる。その上支配欲が強いのでマジで自分がいなきゃ駄目な状況に追い込むし、そうじゃなかったら切り捨てるんだよな〜 最悪だと思う。
 
 蜜ちゃん取り返しがつく内に逃げてくれ〜って応援したい気持ちもありますが、彼女がいなくなった瞬間に人類の半数が終わる可能性があるので……
 凄く重い。そんな感情幼女に向けるな。
 
 彼の力は言ってしまえばチートでしかないですね。END2で飛び降りる前に彼が気紛れに一曲歌っただけで運悪く耳聡かったマンション内の人間は死んでいたでしょう。そういう展開も入れようかなと考えていた時期はありましたが、一葉は殺人だけはしない方向にしたかったので止めました。人を殺した経験の無い一般人寄りの感性のキャラが一人はいた方が良いと思ったのです。揚羽とその他の連中は息を吸うように殺すので。
 
 ゲーム内で童貞じゃないという記述があった通り、非童貞です。学生時代に彼女いました。彼の性格からして自分から告白とかは絶対してない、できない。
 昔は結構モテてました。見てくれは悪くないですし、性格も表面上は取っつきやすく感じますし。しかしながら、友人関係では露呈しにくいけど、恋愛関係となると途端に面倒臭さが顕著になりがちなのでそこらへん上手くいってなさそうです。
 
 なんで私は非実在アラフォー男に対してこんなに文字数を使って解説をしているのだろうか?
 
 おまけ 
 目と耳と舌と、見えないものが多い人なので実はこういう感じになってるよっていう落書き
 

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 絹衣 蜜 (キヌイ ミツ)
 本作のヒロイン。被害者
 何かと一葉とは対極的な存在だと意識して作りました。イメージカラーも白と黒で正反対です。
 生々しい一葉と違って、彼女は二次元的というか夢幻っぽいキャラ付けをしています。
 現実にこんな男(女)に都合のいい女(男)いないよ〜(いないから作ってんだろ!!!)みたいな感じで、あまり現実にいなさそうな少女のイメージです。
 いや皆まで言うな。言いたいことはわからないでもない。

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 つまりこういう感じになるのが嫌なのだろう!?(決めつけ)
 まあ、蜜視点の彼女は普通に一葉にって都合の良い存在です。彼がそういうふうにしたから。自分の首を絞めるのが上手いですね、彼。
 
 というか一葉の中身がアレなので、この子まで捻くれてたら終始暗くなりますしね…… 明るくせざるを得ない。
 対象的なコンビが好きな作者の性癖とか、キャラクターの性格のバランスを鑑みてキャラ設定を考えています。凹凸がかっちり合うタイプの二人、三人組好き。意外なところに共通点があったりするのも良いですね。
 (ただ心中とか共依存タイプは似た者同士なのが好きかもしれねえ……)
 ヤベえ奴が好きという性癖に全力投球した話を作りたい! その一心でゲーム製作をしている為、キャラクターの性格に偏りが生まれがちではあります。けれどヤベえ奴にも多様性がある。一葉と揚羽のヤバさが違うベクトルのものであるように、できるだけ同じ属性の括りであっても完全に同じにならないように意識しています。
 
 ちなみに揚羽はあんな奴が現実にいてたまるか枠なので二人とは別物です。
 
 蚕モチーフっぽく白を基調に、髪型はツインテール。瞳の色は黒にしています。ツインテールロリは作者の性癖。
 まあ彼女は蚕モチーフではないのですが。
 どちらかというと名前からしてそうですが、蚕を覆う繭の方です。
 名前は蚕(サン)→3つ→蜜というしょうもない連想ゲームからの産物です。途中で蚕と蜜の漢字の雰囲気が似ていることに気づいて、ヘ〜偶然〜って思いました。そうそう、わかってて名付けたんだよね。
 他人の不幸とか、どうしても手に入れたい甘美な物の暗喩として作中で使われていたりもします。偶然にはとことん乗っかろう。
 マジでライブ感で創作してるな。
 
 好奇心旺盛で読書好き、勉強はできる方です。身体を動かすのもまあまあ得意。特出した才能はありませんが、全体的なパラメータに偏りがない品行方正文武両道優等生です。クラスで隣の席になったら嬉しがられるタイプ。そこそこ良いところのお嬢さん。
 彼女の知識は読んでる本に依存していることが多いです。覚えている物事に変な偏りがあります。
 かなりませてる方ですが子供っぽいところは子供っぽいです。
 最初は彼女の視点から始まりますが、あの状態の彼女は一葉の力の影響を受けているので一葉への感情とか、将来の夢とか色々捻じ曲げられています。そうでもしないと安心できないからね。

彼女は一葉の好みど真ん中の憧れの存在で、どうしようも無い嫉妬の対象です。彼は彼女みたいな良くできた子になりたかったんだと思います。
 
 私、洗脳系能力が性癖なんですけど……こういう能力使って気になってた子とイチャラブしたりする展開あるじゃないですか。薄い本とかで。
 そういうのを見ると、それって虚しくならないか? 自分は素面では全く相手にされません、と告白しているようなものじゃないか?
 ……とつい思ってしまいます。
 いやいや、いいんだよ。君が納得済でやってたり、何か面白そうだからやってみましたwwってノリなら全然構わないよ。
 ただ、私はそういう能力を使って手に入れた関係に心地良さを感じて、相手をかけがえのない人間だと思うようになったところで洗脳が解けて掌返しで酷い対応をされる展開が凄く好きです。
 片想い好きを拗らせるとこういう人間になるぞ。気をつけよう。
 適切な順番をすっ飛ばして得た関係性に満足しつつも、人形遊びでしかないそれにどうしようもない虚無感を抱えて生きてほしいですね……
 
 彼女の状況、控えめに表現しても詰んでいます。関わった相手がアレで、何処にも逃げ場が無いという。
 それでも彼女は幸せだと思いますよ。好きな人とずっと楽しく暮らせるので。
 

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 この顔好き。
 
 揚羽 晶(アゲハ アキラ)
 性別と年齢は特に設定していません。キャラクターやプレイヤーに解釈を委ねています。
 間違った認識をされていようと揚羽本人が訂正することはありません。彼(女)は自身の個人情報を明かすことを嫌っています。(一部例外あり)


 蚕の箱庭は揚羽にスポットライトを当てている話ではないので、この作品内での彼(女)は何かよくわからないけど凄い力を持っている碌でもない奴程度の認識で構わないと思い、作中での不思議な現象には詳しい説明が入っていません。一応関連作である『皮膜の翅』をプレイすれば何となくわかるかなといった具合です。それでも解決しない謎はあるので、そのうち彼(女)の掘り下げをしなければと思っています。


 神出鬼没でいつの間にかいる。鍵がかかった部屋にも(頑張れば)入れる。ストーカーの友人の手助けもありますが、割と一葉が何処にいても(頑張れば)監視できます。いつも見てるぞ。
 上に書いた感じだと超人的な存在っぽいように見受けられますが、人間らしいところが無いことは無いです。


 一葉に対して当たりが強いですが、基本的に人間という存在自体が嫌いなだけで一葉自体を憎んでいる訳ではありません。結構単純なので趣味が似通っている蜜には対応が柔らかいです。それでも殺そうと思えば何の躊躇いもなく殺すでしょう。それから、かなり嫌味な人物ですが、事実無根のことで相手を責めたりはしません。多分。


 甘味好きで辛味、苦味、酸味のある食べ物が嫌いです。自分の身体が普通じゃないことを良いことに滅茶苦茶な食生活をエンジョイしています。


 一葉の想像通り数え切れない程の人間を殺しています。そのことに罪悪感を覚えることはありません。バレたら面倒だから後処理はちゃんとしなきゃな〜程度の感情しか湧き上がりません。虐待も過干渉もしていない善良な両親を自分勝手な理由で殺してさえいます。根本的に一葉とは理解し合えない、相性が悪い存在ですね。


 登場人物から見たらかなり有害な人ですが、作者的にはいてくれると助かります。
 全くうじうじしていないというか、湿度が低い性格をしていて、その場にいると暗い雰囲気が緩和される気がするので……
 あとこいつ、言ってしまえば邪悪なドラえもんなんで、いると話が広がって大変助かる。学者タイプでちゃんと状況を説明する係も担当できるし(肝心なことは全く説明してくれないけど)
 大体不思議な力で何でも願いを叶えられる系ストーリーは主人公が調子乗ってきたところで掌返しするか、最初から歪な形でしか願いを叶えないか、代償が重すぎるという法則に従って揚羽もそんな感じのことをします。事前に説明しろ。
 まあでも! 一葉のお願い事はあらかた叶えてくれたような気がするし、結構協力的なところはあるし? 割と善良な方では……?
 了承無しに人間辞めさせられたけど。
 
 とにかくこういうヤバそうな奴から受け取ったものは使わない方が良いですね。

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  お 前 が 言 う な
 

 今作ではかなり一葉に対してやりたい放題していますし、後の話でも多分無理難題を押し付けていくパワハラ上司ムーブをしていくでしょうが、たまにやり返されることもあるかと思います。
 
 途中の会話に出てきた知人は過去作「人間標本」に出てきます。相手から友人認定はされていません(ギブアンドテイクの協力関係って感じ たまに敵対)が、揚羽はそこそこ趣味が合って人間味の薄い知人のことを気に入っています。一目置いていると言っても良いでしょう。
 
 苗字の由来は勿論アゲハチョウから。
 名前は揚羽に続いて“あ”繋がりで口にした時にテンポがよく中性的にしようとして、晶にしました。
 こういう意図が無くても名前を適当なノリでつけると中性的な感じになってしまいますね。一葉とかも中性的だし。小学生時代のあだ名五千円札でしょ。
  


・伏線とか意図した演出的なの
 


 作者はこういうの全部わかってるけどプレイヤーからすると、こんなんわかんねーよ! もう少し説明入れとけ!!ってなる部分なのでこの場を借りて大体解説します。
 
 蜜視点と御白視点の違いとか
 これは個人の好みの問題なのですが、私は背景に写真を用いることが多いです。過去作まではほとんど実写背景だったはず。
 統一感が出しやすいとか、被りにくいとか、合う背景が探しやすいとか、ホラー(今作はホラーではない)というジャンルに合うからとか、何となく好きとか理由は様々ですがとにかくイラスト背景をメインで使うことはあんまりありません。
 しかし今作ではイラストをフル活用しているシーンがあります。
 最初の蜜視点ですね。
 同じ部屋のシーンでも蜜視点と御白視点では背景が違います。

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 こんな感じ。
 それからフォントも違っています。
 今作のテーマはおにロリ……もとい大人と子供なので二人の見ている世界の違いをがっつり出す為にこうしました。蜜視点の物語に現実感の無いふわふわした雰囲気を出したかったというのもあります。
 文体も少し変えています。蜜視点の文章は気持ち漢字少なめ……ほんの気持ちだけですけど……
 一時期、蜜の設定に合わせて小学四年生までに履修する漢字だけを使って書こうかな〜と想っていたのですが、思った以上に使えるものが少なく読み辛いので止めました。あと面倒臭いし。
 蜜視点だけでも2万字近くあるんでね…… それ全部ひらがなばかりだとキツイっていう。
 
 もう一つ違うものが色彩の有無です。
 今作、キャラクター・背景共に色味がほとんどありません。蚕の色味の無さからの連想されたものでもあるのですが、それ以外の意図もあります。
 タイトル画面の毒々しさからは一変して蜜視点の画面はモノクロでシンプルです。御白視点になると色彩が復活しますが、後半からどんどんモノクロになっていきますね。
 
 タイトルについて
 ここで唐突ですがタイトルについて話します。最初につけたタイトルはsilk wormなんですけど、あまりにも直球なので変えました。
 監禁もの(だから監禁はしてないってば!!)なので、それを連想させつつ神秘性のある“箱庭”という単語を使用してます。蟲関連の話は作者が今まで読んだ幻想怪奇系小説の影響を色濃く受けてるところがあるので、それにつられてかタイトルがシンプルになる傾向があるような気がする。
 はじめは監禁されて外に出られない蜜と彼女の唯一の世界となったアパートのワンルームを指してのタイトルっぽいのですが、段々別の意味にも感じられるようになっています。作者自身は監禁ものだから箱庭とつけたはずなんですけど。
 な~んか最近同じところしか回ってないな〜って思うことありません? えっ、ない? そんな……
 とりあえず、あるということにしておいてください。
 自分が出不精なせいが十割の原因ですが、たまに少し思います。家の周りと学校or勤務先とをずっとぐるぐる回ってる感じ。たまに遠くに遊びに行くこともあるけど、県外に行くことは滅多にないな〜って。地球は広いですが、広い故に全てを周れる人間は限られています。大抵は国内たまに海外で、インドアを極めた人間は県外にも出ないかなって。フットワーク軽い人尊敬する。
 そういった行動範囲の狭さを指しての箱庭ともとれます。一葉は蜜と違って、部屋から出て何処にでも行けますが行動範囲は狭いです。
 それは精神的な範囲にも当てはまります。
 大人になって世界が広がる人がいれば、逆に狭まる人もいます。
 魔法使いになりたいとか、アイドルになりたいとか…… 今ならyoutuberでしょうか。
 昔は何の躊躇いもなく将来の夢欄に書けたのに、高校生くらいになると自分の手の届く範囲のことしか書けなくなる。問いの見かけは同じでも、要求されている答えの重さが違いますから。
 ここまで顕著でないにしても、いつの間にか自分にはできない、どうせ無理だと考えてしまうことって多かれ少なかれあるのかな〜
 そういう自分で作り上げた見えない壁に囲まれて何処にも行けなくなった彼の世界は、きっと箱庭と何も変わらないんでしょうね。
 話を戻しますと、そんな感じで狭まった視野をモノクロの背景で表しています。
 最初の蜜視点の彼女は洗脳されていて、思考が制限されているので背景がモノクロになっています。

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 昔の記憶を思い出しかけている前編の終盤には少し彩度が上がります。

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 御白視点では最初は背景に色味がありますが、途中の分岐点で“✗す”を選んだ時と蜜の両親から奪った紙を細切れにした時の二段感で彩度が下がっていきます。

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 画面がモノクロになるにつれて手遅れの状態になります。
 
 キャラクター立ち絵と音楽
 
 メインキャラクターのデザインですが、背景色の彩度の低さに合わせて白と黒で構成されています。一葉も蜜も白、灰、黒以外の色を使っていません。
 例外は揚羽です。彼(女)のキャラデザは蚕の箱庭を作る以前に考えたので、白黒の色合いが被っているのは全くの偶然です。一応今作の雰囲気に合わせる為に髪の色を完全な黒に塗っています。
 本来は前に落書きしたやつみたいな薄めの黒です。
 完全に彼(女)を今作の画風に合わせるなら目の色を黒く染めた方が良いのですが、揚羽は閉塞とは縁のない自由気まま過ぎる奴ですし、白黒の二人に対する異物感を出したかったので作中のセオリーに倣わず目の色は赤のままです。
 作者の性癖である黒髪赤目属性を消したくなったのもある。赤目を黒くするのは黒髪赤目に対する冒涜。(それでも一葉視点だと徐々にモノクロになります)
  
 立ち絵が出るタイミングも法則があります。
 誰が話しているのかをわかりやすくする為の立ち絵なので基本的に会話シーンで出すようにしていますが……
 御白視点では全く立ち絵が表示されないところと、表示されるところがはっきりわかれています。揚羽、蜜以外との会話シーンで一葉の立ち絵が表示されることは作中ではありません。モブキャラクターの立ち絵を影絵にして出す案は考えましたが、一葉にとっての夢である蜜視点と対比して御白視点では極力イラストを使わない方針をとった為に没になりました。一葉の立ち絵が表示されるのは、揚羽や蜜といった(彼にとっての)非現実的な存在と関わっている時だけです。
 音楽も似たような法則で流しています。蜜や揚羽が出てこない御白視点の前半の部分は環境音を多めにして、非現実感を無くしています。
 


・テキスト部分の解説


 ノベルゲームの要であるストーリー、テキスト部分についての解説をします。
 

 ・日常
 蜜視点と御白視点での対比は上でも述べましたが、物語上でも対比してます。
 最初に蜜と一葉の日常のシーンがありますが、後に一葉の一人の日常シーンとやってることは同じです。
 家帰ってご飯食べて、テレビ観て、入浴して、寝るっていう何気ない日常の描写ですが、蜜がいない彼の生活は何とも味気ない感じで文字数も割かれていません。前半で楽しそうに観ていた心霊番組をボロカスに言っています。
 眠りにつく前に表示されるテキストはモロに似通わせています。
 

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 ・揚羽の台詞

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 なんでこんな意地の悪いこと言うの……?
 これはほとんどの人が義務教育中に習ったヘルマン・ヘッセ作「少年の日の思い出」の登場人物エーミールの有名な台詞ですね。
 めっちゃ簡単に説明すると完璧優等生タイプのキャラを妬んでいる主人公が、そいつの蛾の標本を盗んでぶっ壊したことを謝ってから言われる台詞です。
 妙に一葉の状況とマッチしてて最悪ですね。
 別にこのシーンにこの台詞を引用するつもりは私には毛頭なかったのですが、何かよくわからないけど途中で揚羽が勝手に言い出しました。人を煽る為に生きてるのか?
 
 ・呼び名
 御白一葉という本名を蜜が知り得るのはEND2のルートです。END1のルートだとずっと御白さんで通しています。
 友達とか家族とか恋人とか言う対等な関係を信用してない→支配関係であるペットと飼い主に拘っている→自分の名前を教えない。
 っていうバグみたいな思考回路で下の名前を教えていません。ちなみに揚羽が一葉のことを下の名前で呼ぶことは無いので、蜜にうっかりバレることはありません。基本的にお前、たまにカスとかクズみたいな罵倒語。
 逆に名前を明かしているEND2の方だと彼女と対等な友人であると彼が思っているということです。
 
 ・お幸せに
 作中で3回「お幸せに」という言葉は使われています。2回は一葉から友人へ、最後は揚羽から一葉に向けて。

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 言葉通り相手の幸せを願っているのではなく、断絶や放棄の意味で言われています。もう知らないから勝手によろしくやってろよって感じ。
 最後の揚羽の言葉で御白自身もお手上げにされてます。お前は人を煽る為に生きてるのか?
 
 ・END1とEND2
 実は時系列的にはEND1→END2
 END2→END1 どちらの順番でも違和感が無く通るように……できてる? できてるかな……
 プレイヤーが通るのはEND2→END1のルートですね。END2の後にバラバラになった一葉の身体を揚羽が修復。(裏で絶対キレてる。監視カメラから目を離した隙に万引きにあった店長を思い浮かべてください)
 一部の記憶を無くした一葉が蜜と再び遭遇という流れでEND1と繋がります。
 END1→END2
 蜜のマンション以外の高いところから一葉が飛び降りる→身体がバラバラになったショックでその際の記憶が飛ぶ→蜜と遭遇→END1の後に蜜の記憶をリセット、何事も無かったかのように公園から再会してEND2へ
 こんな感じになるかな…… 
 揚羽が蜜のマンションから飛び降りたと明言していないこと、飛び降りの衝撃で記憶が飛ぶこと、蜜の記憶を弄るのが簡単なことの3つが鍵です。
 どれが正しいのか知ってるのは力の影響を受けない揚羽だけですね。
 今後一葉と蜜を別作品に登場させる場合はEND1の続きからじゃないと成り立たないので、あくまでEND1から何事もなく先に進んだ場合の未来だと思ってください。

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 ところでEND1の揚羽から一葉への台詞と、END2の一葉から蜜への台詞はかなり似ています。過去に揚羽から言われたことを無意識に引きずっているのか、過去に一葉が言ったことを引用して揚羽が煽り倒しているのか、単なる偶然なのかはご想像にお任せします。
 2番目だった時の揚羽の性格の悪さ凄いな……
 
 

・今後の作品

 

結局この作品で描きたかったのは一葉と蜜(あと一葉と揚羽)の出会いですね。
 シリーズものならスタート地点か、過去編みたいなエピソードになるので今後関連作を出す可能性はあります。
 蟲関連の作品は特にナンバリングの無い、どこからやってもOKなようにしたいです。登場人物と世界設定に同一のものがあるだけで、話の大筋に深い繋がりは無いとかそういうあれ。
 同一世界設定の次の作品はおそらく揚羽の妹がメインの短編ホラーになると思います。

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こういう感じの子が怖い話してくれるゲームの予定。揚羽の妹なので当然エキセントリックです。揚羽とは雰囲気が正反対……でもちょっと似てる見た目にしようとしました。


 作者が次に作るつもりの長めの作品はおにショタBHノベルになります。

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 メイン2人です。

 メンヘラクズお兄さん×根暗少年の極悪バイオレンスって感じの話。
 BLゲームだと思って作りますが、恋愛要素はあんまりありません。というか皆無です。
 一葉と同じクズヘラ属性で歳の差cpという共通点がありますが、今作よりも殺伐要素が多く、お兄さんはもっと性格が溝です。冒頭だけちょろっと書いてた部分を友人に見せたら、「こいつは殺すことが決まった」と殺害予告が来ました。(ちゃんと殺せます)
 2作とも次のティラノフェスに出せたらいいな〜(希望的観測)
 
 上に書いた妹の話を公開したら次は揚羽とか一葉&蜜とかの短編話まとめみたいなゲームを作ろうかなと考えています。
 これはタイトル画面ラフという訳でもないただの落書き。なんかこんな感じの話を入れるよ〜っていうイメージ。
 

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こっちはいつ作るか未定です。

あとせっかくだからメイン2人の絵を描きました。肩車する一葉と、髪型をおそろいにしようとする蜜。

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ここまで読んでくださりありがとうございました。好き勝手にやりたい放題やった作品ですが少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。

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