アニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」第12話について語り散らかす記事
まず感想としては、
「とんでもないアニメに出会ってしまった……」
という一言に尽きます。
衝撃の11話から一週間、死にそうになりながらも「このアニメなら大丈夫」という絶対的な信頼の元、相当な気合を入れて再生ボタンを押した今話。
その完成度は筆者の想像をはるかに超えるものでした。
1000文字overのクソ長文感想をTwitterに投下し、その後何週もして理解を深めた気になっていた11話。
あまつさえこの12話に対して「恐らくこうこうこうなってこんな展開になるだろう」と、展開の予想すら立てるほどにはその理解に自信を持っていた11話への自分の解釈が、全てひっくり返されました。
しかも、良い意味で。
「こんな12話だったらいいな」を軽々飛び越えて、今までのストーリーの全てに新たな意味を与えられて。
もはや言葉にできない感情が渦巻いていて、本当に感無量です。
ただ、そのまま衝動的にTwitterに感想を書き始めたのはいいものの、前回の11話感想でやらかした10スレッド一斉投下と同じ末路を辿る事が目に見えていたため、今回はこっちでゆっくり書くことにしました。
今まで140字に縛られていた分自由の翼を全て焼き切るつもりで書くため、クソ長くなると思いますがご容赦をば。
ということで、本格的な感想に移る前に注意点をいくつか。
※上にもありますが、筆者は11話までTwitter上にて本アニメの感想を投下していたため、~11話の感想記事等は存在しません。
※当たり前ですが、12話のネタバレが含まれます。含まれますというか、全文ネタバレと言っても過言ではありません。12話まで視聴済みであることを前提とした記事になっていますので、未視聴の方は今すぐ見てきて下さい。
※筆者はラブライブ!シリーズは(音ゲーが苦手すぎるため)アニメしか追っていません。原作であるスクスタでのストーリーは全く知らないため、筆者が「原作と明らかに食い違った解釈」をしている可能性が大いにありえます。その辺は大目に見て下さい。
※隠喩描写や細かい演出に関しては、キリがないので話の流れで触れるものだけ触れます。僕も全て網羅している自信はありませんが、それでも本当に凄いです。この記事で満足(できるかは知らんけど)せずに何周もすることをお勧めします。
上原歩夢が本当に恐れていたこと
歩夢「私、侑ちゃんだけのスクールアイドルでいたい。だから、私だけの侑ちゃんでいて……?」
前話の“あの”セリフです。
今までの歩夢にとって、自身の存在は侑がいて初めて輪郭を帯びて成り立つもので、高咲侑という存在はもはや自分の一部になっていたように思えます。
侑のことを何でも知っていることや、侑にとっての一番でいること、侑が自分にとって一番の存在でいることは当たり前で、かつそれが自分にとってのアイデンティティのようなものになっていた。
でも、そこから侑が離れようとしている。
侑が自分を置いて、どこか遠くに行こうとしている。
だから、前者の「私、侑ちゃんだけのスクールアイドルでいたい」というセリフは、『侑が自分を見ていてくれればそれ以外何もいらない』というある種懇願のようなもので、次の「私だけの侑ちゃんでいて……?」というセリフに繋げるための言葉だと思っていましたし、だからこそ僕は『この二人は完全に食い違ってしまっている』と思い込んでしまいました。
しかし、そうではなかった。
いや、それだけではなかった。
歩夢「私がスクールアイドルを始めたのは、みんなのためじゃないんだ。見て欲しかったのは、たったひとりだけだったの」
せつ菜「……侑さんですね」
歩夢「だけど今は変わってきてて。こんな私を“良い”って、応援してくれる人がたくさんいて。その気持ちが嬉しくて、大切で……」
歩夢「今は私の大好きな相手が、侑ちゃんだけじゃなくなってきて。ホントは私も離れていってる気がするの」
天才すぎる。
自身の認識や解釈をひっくり返されてこんなに爽快な気持ちになったのは初めてかもしれない、と言えるレベルで度肝を抜かれました。
歩夢が恐れていたのは、侑の変化だけではなかった。
自分自身の変化もまた、歩夢にとって恐ろしいものだった。
上にも書いた通り、“高咲侑”という存在は、歩夢にとってもはや欠かせない一部になっています。
『高咲侑という存在こそが歩夢のアイデンティティ』と、そう言ってしまってもスクールアイドルを始める前の歩夢なら否定しないのでは、と思えるほどに。
1話で「私の夢を、一緒に見てくれる?」と問いかけた願いに対して「もちろん」と。
10話では「これからも、ずーっと一緒にいたりして」という未来予想図にも「そうだね」と、「よろしく頼みますよ、歩夢おばあさんっ?」と、歩夢の願いをずっと肯定してきたのは侑でした。
1話では自分がかわいいと思う服を正直に「好き」と言うことすらできていなかった歩夢。
そして12話でも、今日子ちゃんたちとのミーティング後に、
「自分ではいいところなんて分からないけど」
と言っています。
そんな『自分に自信がなくて少し内気な少女』にとって、自分自身や自分の願いを肯定してくれる侑の存在がとても大きなものだったのは疑いようがありません。
そしてその感情に愛着を持ってしまうことも、『侑ちゃんが一番大事』という自分にとって救いだったはずの感情や考え方が、いつの間にか『守らなければいけない決まり事』に、『絶対に破ってはいけないルール』に、そういった呪いのようなものにすり替わっていくのも、珍しいことではありません。
『一番好きだったもの』が二番目になりかけた時に感じる、その感情の変化に対する若干の抵抗感は、誰しもが経験しうるものです。
しかし、その変化への抵抗感は歩夢にとって耐えがたいほどに大きかった。
侑に対する感情の大きさや、蓄積された時間の長さ。
それらを一人で振り払って前に進むことは歩夢にはできなかった。
それもそのはず。
歩夢が未来へ一歩進むとき、いつも侑の肯定がありました。
侑がいるから、自分の未来に、行動に、感情に自信が持てていた。
今まではそれでなんの問題もなかった。
むしろそうして、ずっと2人一緒に過ごしていくはずだった。
この関係性で既に完成しているはずだった。
1話で歩夢が渡したパスケース=定期券という、決められた範囲の中での人生で十分に幸せなはずだった。
でも今、それら全てが崩れようとしている。
それどころか、関係が瓦解するのは侑の変化のみによるものではなく、自分自身の変化が大きな原因になっている。
今まで通り、侑にとっての一番でありたい。侑を一番に想っていたい。
でもファンのみんなのことも大切。
『大好き』が増えていって、今までとは違う自分を知って、周りもどんどん変わっていって。
何気なく過ごしていた日々という『停滞』の時間はいつの間にか過ぎ去っていて、気づかないうちに自分も進んでいた。進んでいきたいと思っていた。
でもそれは、過去の自分が望んでいないはずの一歩だった。
1話での一歩は、侑と共に歩む一歩でした。
でも今回の一歩は侑と離れていく一歩。
同じ「夢への一歩」でも、孕んでいる意味は到底同じとは言えません。
11話ラストで零した「私は1話での約束を守りたい。だからあなたにも守ってほしい」という願いにも、侑からの肯定の言葉はなく。
侑がいない未来に一人で歩きだすことが出来るわけもなく。
どちらの気持ちにも優先順位をつけることが出来なくて。
自分がどこに向かって歩いて行けばいいか分からなくなって。
ついには自分の核すらも見失ってしまった。
だから彼女は呟きました。
「私、もう……動けないよ……」
と。
歩夢にとってそれは、地図にない道に迷い込んでしまったかのような、そんな不安で恐ろしい変化だったはずです。
正直に言えば、11話を見てからの1週間「歩夢から見てファンの存在はどんな風に映っているんだろう?」という疑問はありました。
しかしそれに対して「ひょっとすると、歩夢はファンのことを意識的に認知できていなくて、本当に侑さえいればいいと思っているのでは」と考えていた部分がありました。
2話以降着実に積み重ねられてきた、言動の端々から読み取れる歩夢から侑への想い(重いではない)にはそれほどのものがありました。
だからこそ、「きっと12話でファンの存在を知って、その思いを受け取って、自分が“スクールアイドルとして楽しんでる”ことを自覚して……からのハッピーエンド!」みたいな予想を立てていました。
しかしそうではなかった。
「自分では良いところなんて分からないけど……今日子ちゃんたちがああ言ってくれるのは嬉しい」
「同好会に入って数ヶ月。スクールアイドルとファンが一緒になって、どんどん世界が広がってる!」
「侑ちゃんもすごくはりきってて、楽しそうで良かったなって……そう思ってるのに……」
「恥ずかしい……」
歩夢は筆者が立てた予想のはるか先を歩いていました。
ファンの存在をちゃんと認知しているからこその悩みだった。
思えば、11話でせつ菜から侑がピアノを弾いていたと聞いた時の、
「私、知らない……」
という言葉の意味も、『今までなら当たり前のように把握出来ていたはずの侑の行動や言動が、大切なものが増えたせいで把握出来なくなってきている』ことに対する恐怖と捉えることも出来ます。
自分の侑に対する優先順位が下がっていて、自分の心が侑から離れていっているということを自覚させられてしまった。
それに加えて、侑がピアノを弾いていることを自分ではなくせつ菜だけが知っているという情報によって、『侑も自分から離れていっている』という不安と合わさってしまった。
正直「ピアノの話だけであんなにキレ散らかすか?」という部分は『歩夢から侑への想いの大きさ』で納得していたのですが、今話で「そういうことだったのか……!」と心の底から納得しました。
そういえば、侑が夢を語ることを頑なに拒絶し続けていた歩夢。
転科ということからも分かる通り、相当の覚悟を持って歩夢に話そうとしていたにも関わらず、11話ラスト、12話アバン、12話Aパート終盤と3度に渡って夢を語る事すら拒絶されるしんどさは後で触れるとして、その理由に関して。
11話時点では、
と書いたんですが、それだけでは全く足りていませんでした。
少し話数を戻し、話を変えて10話。
侑「アイドルじゃない私だから出来ることもあるって、そう思うから!」
に対する歩夢のこの表情。
侑が自分以外のために頑張っていることに対してのモヤモヤの表情だと思ってたんですが、歩夢が「自分がアイドルとしての活動やファンのことを大切に思っている」ということをはっきりと自覚していて、さらに「でもそれは自分が侑から離れていっていることとイコールである」ということに対して悩んでいると分かった今、この表情の差し込みにようやく明確な意味が生まれてきます。
2人の立場を考えた時、1話以前と比べると、侑は「スクールアイドルを知らなかった歩夢の幼馴染」から「スクールアイドルが大好きな観客」に変化したのに対して、歩夢は「スクールアイドルを知らなかった侑の幼馴染」から「スクールアイドルそのもの」へと立場が変わっています。
この時点で文字通り『夢に向かって一歩踏み出した』のは、歩夢だけです。
そしてその一歩によって、二人は『ただの幼馴染』から、『スクールアイドル』と『スクールアイドルのファン』という違う立場に分かれることになりました。
歩夢「侑ちゃんがあの時、私のスクールアイドルの夢を、一緒に見るって言ってくれたの、すごく嬉しかったなぁ」
侑「スクールアイドルの夢……そっか」
侑「あの時、歩夢が勇気を出してくれたおかげなんだ」
歩夢「?」
侑「歩夢の夢を一緒に追いかけて、今の私がいる」
歩夢「うん」
侑「そして、みんなとも!」
歩夢「え?」
侑「周りにどんどん輪が広がって、いつの間にか、スクールアイドルが好きな人たちで、凄く大きな力が生まれてた!」
侑「ありがと!歩夢!」
歩夢「ぁっ……」
侑「私も勇気を出して、今の自分にできること、やってみる!」
歩夢「出来る、こと……?」
直前のこの会話によって、侑は歩夢の夢のおかげで自分のやってみたいことが見つかったのだと、歩夢に感謝の言葉を述べています。
今まで何度も繰り返してきたはずの、『歩夢が願いを口にして、それを侑が肯定する』というやりとり。
2人の関係性を確認するかのような、その何気ないやり取りが発端となって、自分“が”侑“から”離れていっている。
夢へと歩き出したことが発端となって、1話でした約束から自分が遠ざかっていっていることを自覚しているのに、侑も夢に歩き出したら「もっと離れていく」って考えるのは、よくよく考えてみれば当然の帰結なんですよね。
だから歩夢は、侑の夢を聞くことが出来なかった。
それを口にされることは『別離』と同義だったから。
理解を深めれば深めるほどに、その完璧な心境変化の構築に「こんなんありかよ……?」と困惑してしまいます。
本当に凄いよこのアニメ……
優木せつ菜と高咲侑と上原歩夢
前項からの繋ぎになりますが、11話での買い出しのシーン。せつ菜の
「新しい“好き”が増えるって、素敵ですよね!」
という言葉、二重の意味で歩夢に刺さってますね……
しかし、そんなせつ菜が12話で歩夢の再起を促します。
せつ菜「私も、我慢しようとしていました」
歩夢「え……?」
せつ菜「大好きな気持ち。でも……」
せつ菜「結局やめられないんですよね」
歩夢「……!」
せつ菜「始まったのなら、貫くのみです!」
ここで歩夢が思い出したのは、自分が最初にスクールアイドルになろうと決意した瞬間に自ら発した、
「それでも……動き始めたなら、止めちゃいけない。我慢しちゃいけない」
という言葉。1話では、
「私……好きなの!」
「ピンクとか、可愛い服だって、今でも大好きだし、着てみたいって思う!」
と、歩夢がずっと抱いていた『大好き』を叫ぶ台詞へと繋がっていました。
せつ菜の叫んだ『大好き』が、歩夢へ渡り、それを侑が受け取って。
3話ではせつ菜のファンとして侑が叫んだ『大好き』がせつ菜を救い。
そしてそのせつ菜が10話で侑に、今話で歩夢に、大好きを叫ぶ勇気を、素直になる勇気を与えました。
この後歩夢が叫んだ、
「みんな、大好き!」
とか、もうほんとね……
巡り巡って1クール。
『一人だけど、一人じゃない』、『それぞれの大好きを尊重する』という、虹ヶ咲スクールアイドル同好会の核を体現したような構成。
そりゃ泣くわこんなん……
高咲侑が見つけた夢
遂にその口から発せられた、高咲侑の夢。
「私ね、音楽やってみたいんだ」
大枠に関しては予想通りだったものの、その覚悟は筆者の想像のはるか先にありました。
「2学期になったら、音楽科への転科試験を受けようと思ってる」
“音楽科への転科”まで考えているとは思っていなかった。
そもそも、前話の感想では、
という感じで、『歩夢のための曲を作るためのフラグ』程度の認識でいたので、『作曲してみたい』的なニュアンスのものだと思っていました。
なので、『本当に物理的に歩夢と離れる選択肢』だとは思っていなかったというのもあります。が、それよりも何よりも。
音楽科への転科って、文転理転とは必要な覚悟が全く違うはずです。
『高校2年生で音楽を始めて、その道で本気で将来を考える』って、並大抵の覚悟ではありません。
特に隙がないにも拘らず自分語りをしてみると、筆者はとりあえずで理系登録していたものの、高校2年の最後ら辺で学んでみたい分野がはっきりした結果、文転することになりました。
当然取っていた授業も変わったし、受ける大学もどうするとかいろいろあって、そこそこ悩んだりもしました。
しかし、侑は音楽科です。
もはやそういう規模の話ではありません。
『実は親が音楽関係の人』みたいな描写も特にありません。
そう考えると本当に茨の道だとは思います。
そしてそれをまず歩夢に話そうとしているのは、彼女の誠実さはもちろんですが、やっぱり誰よりも応援してほしい存在だからなのでしょう。
それだけに上で触れた通り、3回もそれを話すことすら拒絶されるというのは……知ってから見る11、12話マジで心臓痛い……
ただ、かといって歩夢に対して「ちゃんと侑のこと応援してやれよ!」と安直に非難する気にはどうしてもなれないんですよね。
「だって侑ちゃんがこんなこと言うの初めてだもん」
12話Aパート終盤での対話拒否シーンのこのセリフが全てを物語っています。
……ていうかこのシーン、
「私ね……やりたいことが――夢が出来たんだ」
という侑のセリフで、「あれ、もうライブ始まる?」
とシークバーを確認し、その直後の、
この表情で「侑ちゃんが……目逸らしてる……!?」と絶望し……と感情が乱高下で大変なことになってたんですが、それは置いといて。
話を戻して、
歩夢「それって、私と一緒じゃなくなるってことでしょ!?」
歩夢「分かるよ……!」
歩夢「だって侑ちゃんがこんなこと言うの初めてだもん!」
歩夢「やだよそんなの!」
歩夢「私のスクールアイドルの夢はまだこれからなのに!」
歩夢「侑ちゃんが一緒じゃなきゃ、私は一歩も前に進めないよ……」
侑「そんなこと……!」
歩夢「あるよ……!」
歩夢「あるんだよ……」
という一連の流れ。
最後の「あるんだよ……」の演技力がヤバすぎて感動と絶望で感情ぐちゃぐちゃになりながら泣いたのも置いておいて。
歩夢が言う『こんなこと』。
『夢を語る』というポジティブな内容に対する言葉では到底ないんですが、考えてみれば、確かに侑が夢を語るのは初めてなのでしょう。
幼馴染として長くいすぎたことによって、言葉にしなくても大概のことは把握できるほどに関係性が成熟し完成してしまっていた2人。
わざわざ面と向かって、決意を言葉にして相手に伝える機会も必要性もなかった2人。
完成し、停滞していた関係の中、11話で『わざわざ自分を呼び出して』、なおかつ自分が今まさに侑から離れる原因になっている単語である『夢』を語ることを、『今までの関係はこれで終わり』という宣言だと捉えてしまった。
そして流石歩夢というか、実際それは全く間違っていませんでした。
『侑が誠実な性格である』という事を誰よりも知り、そしてそれを信頼しているからこそ、その誠実さを以て『自分から離れることを宣言しにきた』ことが分かってしまう。
更に言えば、上でも書いた通り、自分が夢への一歩を踏み出した結果として侑から離れていっていることを自覚している以上、侑が夢へと歩き出せば、それは確実に別離の道になる。
そこまで分かっていた歩夢にとって、この宣言を拒絶することは『自分と侑はいつまでも幼馴染のまま』という精神的支柱が崩れないための最後の砦のようなものだったのかもしれません。
だからこそ終盤およびCパートの幸せ具合がすんごい。
対人能力はずば抜けて高いけれど、それでも1クール通して見ていれば分かる通り、彼女も完璧ではありません。
歩夢相手には心境を読み間違えるし、1話ではスクールアイドルのことも早々に諦めていました。
10話ではせつ菜に、
「いっぱい練習したら、もっと上手くなるかなぁ」
と、まだまだ腕に自信がない様子も見せています。
夢を語ろうとしながら歩夢から目を逸らすような、そんな弱さを持っている彼女が、せつ菜や歩夢たちスクールアイドルの『大好き』を一番近くで見ていく中で、これだけ本気になれる夢を見つけられたのも「本当に良かったね侑ちゃん……」という感じで最高。
で、Cパートで今まで真っ暗だった侑の部屋に明かりが灯ってて感動したのはいいんですけど、この子本当に作曲しだしましたね?
いや確かに「侑ちゃん歩夢のために作曲してるんやろなぁ」みたいなことは考えてましたけど、よく考えたら作曲ってそんなポンって簡単に出来るものじゃないような……
ピアノの上達速度も異次元だし。
ただ、それこそ好きこそものの上手なれ。
今までもさんざんその覚悟は見せつけられてきましたが、どれだけ本気なのかが伝わってきて普通に応援したい気持ちでいっぱいです。
ただそれだけに歩夢の対話拒否シーンが本当にしんどい……(無限ループ)
(てかこの子が視聴者の分身ってマジなの……?ハードルの高さヤバない?)
Awakening Promise
結局、『自分だけを見てほしい。侑だけを見ていたい』という願いは、歩夢も侑ももう叶えることはできなくなっていました。
例えば蕾に水をやり続ければ、それがいつか花開くように。
最初の約束だけを守り続けるには大切なものが増えすぎてしまった。
だから、これからは新しい約束を。
ずっと変わらぬ想いで繋がっている2人のそれは『描いた未来、いつか、いつか叶えよう』という、新しい『2人の夢』。
歩夢について言えば、
『Dream with You』を根底にしながら。
『Dream with you』を新しい夢に。
そしてそれを叶えることこそが、侑との新しい約束の形。
完璧な構成すぎて脳が幸せを享受しきれないよ……
「歩夢を最初っからかわいいと思ってたのは、私なんだからね」
というセリフも、
『侑を一番に思っていたい、侑にとっての一番でありたい』
という変わらぬ想いと、
『スクールアイドルとしてファンのみんなにもっと見てもらいたい』
という新しい夢の共存を表していて本当に良い……
そして止めの、1話での約束のパスケース=バスから、自分の足で歩くことにした2人が手を繋いで階段を登りながらの、
「私たちの答えはまだ分からないけど、一緒に歩いて行こう。これからも、ずっと!」
というセリフ。
「私、もう……動けないよ……」
と、先の見えない未来に動けなくなっていた歩夢のこんなセリフ聞いて泣かないわけがないし、こっからのEDイントロが染みる染みる……
久しぶりにこのイントロで心地良い余韻に浸れて最高でした……
ただそんな余韻もつかの間、直前のセリフに対して、
「どこに向かうかまだ分からないけど、面白そうな未来が待ってると笑いあえる君がいれば嬉しい」
「今日もありがとう!」
「さぁこれからはそれぞれの地図(マップ)」
「広げたら気軽に飛び出そう」
「夢見て憧れて、また夢が見たいんだ」
「見たい、見たいんだ!」
EDのサビがぶっ刺さって涙腺破裂しました。
「……は、え……、は……?」
って言いながらED見返しました。
FULL買ってめちゃくちゃ聴いてるはずなのに12話でED周回するアニメってマジで何?
歩夢が遂に本当の意味で『虹ヶ咲スクールアイドル同好会』の一員になれたのを、EDも使ってこれでもかと伝えてくるスタッフにはほんと頭が上がりません……大好きです。
10~13話について
一貫して侑の『大好き』の話をしてますよね。
このアニメにおける『個人回』を、『大好きを表現する回』とするならば。
歩夢やせつ菜、スクールアイドル同好会、そしてスクフェス。
その一つ一つが侑の『大好き』で、歩夢と同好会のみんながライブをするスクフェスこそ、みんなの夢を叶える場所であると同時に、侑の『大好き』を表現する場所。つまりライブパートの代替になるんじゃないでしょうか。
10~12話で、今までの個人回同様、『歩夢』という自分の『大好き』に欠かせないものの話をして、13話で満を持して『大好き』を表現する。
つまり、13話丸ごと、侑のライブパートなのかなと。
「璃奈」
りなああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!?!!??!?!?!?!?!?!?!?
いやいやいや。
これはだめよ。
あなた最初は“天王寺さん”だったでしょ?
それが“璃奈ちゃん”になったじゃん。
もう僕それでおなかいっぱいだったから。
あれで僕泣いたから。
それをお前……呼び捨て……?
あそこからまだ先があるの……?
俺を殺す気か……?
他の一般感想たち
ということで、上に少し漏れましたが一般感想です。
かすみんのファン
ここでかすみんだけファンが来ない……っていう展開にならないのが本当に良い。
スタッフがキャラクター一人一人を本当に大事にしているのが伝わってきます。
あとここでファンの子が「かすみん……?」って言ってるのも、ただの友達ではなく『スクールアイドルの中須かすみ』が好きでちゃんとファンなのが伝わってきて本当に好き。
彼方ちゃんのお昼寝を眺める会
なんかここだけめちゃくちゃ異様な風景で笑ってしまったww
君たちミーティングは……?
って思ったけど、推しの寝顔を傍で眺める時間……幸せすぎるな……
あんなん起こせる人おらんやん……
そりゃああもなるわ。
せつ菜と副会長
せつ菜クッソ緊張しててめちゃくちゃ笑ってる。
しかし推しと並んでも凛々しい副会長……初対面の時どんな反応だったのか気になりますね……
足プラプラりなりー
凄くかわいい。
それだけ。
ほんとかわいい。
「ずるーい!」
歩夢が侑に抱き着いた時のモブちゃん達のセリフ。
この距離感がスクールアイドルすぎて本当に好き。
歩夢が自ら手を広げて抱き込むのもスクールアイドルしてて好き。
まとめ
ということで、『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第12話について語り散らかしました。
1万字超えてました。
これをTwitterにまとめようとしてたとか正気か……?という感じです。
こっちにしてよかった。
次回、最終回『みんなの夢を叶える場所(スクールアイドルフェスティバル)』。
タイトルは虹色です。
1色では成り立たない。
様々な色が合わさって、初めて形作られる『虹色』。
最高のエンディングに向けて、あとはウイニングランを残すのみです。
唯一気がかりなのは、次が最終回ということのみ。
このアニメを失って俺は来期正気でいられるのか……?
という感じで、約束された最高の最終回への期待と、その後への不安がない交ぜになって凄いことになっていますが、とりあえず2種類の涙を流す用意だけはしておこうと思います。
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