【団塊の世代】
【団塊の世代】
1945年8月15日に大日本帝国はポツダム宣言を受諾して、第二次世界大戦に敗戦しました。生き残った日本兵が復員、社会復帰、見合い結婚して、1947年頃に第1次ベビー・ブームになりました。その時生まれた子供達が団塊の世代です。
団塊の世代が小学生になると、全国でプレファブ校舎が急造され、中学生になると高度経済成長時代になりました。当時日本は工業国で、団塊の世代の親達は、自動車の運転免許さえ有れば、誰でも就職できて、職場は工場か工事現場で、大企業ではボーナスや各種保険や労働組合が有り、労働組合は日本労働組合総評議会=総評か全日本労働総同盟=同盟に加入し、総評は毎年春闘を闘って、基本給上昇=ベース・アップ=ベアを勝ち取り、日本社会党の選挙運動に駆り出されました。団塊の世代はアメリカやソ連に追いつけ追い越せと、詰め込み教育を受け、小学生は皆25m泳げましたし、世界各国の首都名を言えました。
団塊の世代が高校生になると、ビートルズ・ブームが起きました。労働者階級の子供達が大学進学を目指して、受験戦争が過熱し、東大は数百人に一人の狭き門になりました。
団塊の世代が大学生になると、日本大学10万人、早稲田大学4万人などのマンモス大学が現れ、教授はマイクロフォンで授業をし、学生は双眼鏡で黒板を見るのでした。ヒッピーの影響で、フリーセックスが当たり前になりました。労働者階級の子供達は、全学連の統制を無視して、全共闘を結成し、社会党や共産党を否定し、ソ連や中国も否定し、暴力革命に目覚めました。
団塊の世代が社会人になると、何でも買って、何でも捨てるのが当たり前の大量消費社会になり、ゴミ問題が深刻化しました。団塊の世代が恋愛結婚すると、1974年頃に第2次ベビー・ブームになりました。
団塊の世代が30代になって、職場の第一線に立つと、石油ショックにもめげずに、優秀な商品を輸出して、ジャパン・アズ・ナンバーワンになりました。だが、まだ収穫してない農産物や、まだ製造してない工業製品や、まだ造成してない土地を取引し、中身の無い空前のバブル景気になりました。
団塊の世代が40代になると、課長の椅子や部長の椅子などの職場のポストが不足し、年功序列制が崩れ、初めから終いまで求人広告ばかりの就職情報誌が飛ぶように売れ、終身雇用制も崩れ、「サラリーマンなんかやめて、自営業でもやるさ」と、脱サラもはやりました。自営業と言っても、設備投資のかかる工業はもうできず、サービス業を始めたので、日本は工業国からサービス業国に変わりました。サービス業となると、従業員は数人で、ボーナスも各種保険も労働組合も無いのが当たり前、労働組合の組織率は下がり、日本社会党は支持基盤を失って、長期低落が止まらなくなりました。日本共産党はあらかじめ労働者階級を見限って、商工自営業者に軸足を移していたので、低落は免れましたが、公明党と支持層が重なって、犬猿の仲になりました。労働者階級はどんどん貧乏になり、商品を買えず、企業は商品が売れず、バブルがはじけて、平成大不況になり、街にはホームレスが溢れました。山一証券や日本長期信用銀行などの一流企業が潰れ、東大や早稲田を出たハイパー・ホームレスも現れ、24時間営業のネット・カフェに寝泊まりし、朝になるとシャワーを浴びて、スーツを着て職探しに出かけましたが、何十社も面接を受けるのが当たり前になりました。
団塊の世代が50代になると、若者がゆとり教育と学力低下で、福井県と福岡県と福島県の区別もつかなくても国立大学に入れるようになり、就職氷河期を経てフリーターやニートになり、代わりに団塊の世代がこき使われて、過労死や自殺に追い込まれました。優秀な技術者は中国の企業に引き抜かれて、そして使い捨てられました。
団塊の世代が60代になると、一斉に定年退職して、2007年問題が勃発し、日本の企業の実力は一気に下がり、NECなどは中国の企業の子会社になりました。日本は韓国や中国に追い越されて、先進国から転落し、三等国になりました。本格的な少子高齢化社会になり、健康保険や年金制度が破綻し始め、若者は年金保険料の負担に耐えかねて、未加入者が増え、ネトウヨが団塊の世代を目の敵にしました。
団塊の世代が70代になると、デイ・サービスなどの老人相手の商売が花形産業になりました。団塊の世代が築いたインフラは老朽化しましたが、若い世代はそれを直せず、テレビが老朽化・低俗化しても、テレビを見ずに、ユーチューブを見るのでした。団塊の世代は全共闘運動の時にマルクス主義の史的唯物論の洗礼を受けているので、もう仏教には戻らず、仏教寺院は京都・奈良の観光寺院や、日蓮宗や浄土真宗などの教団仏教以外は廃れ、住職のいない廃寺からは仏像が盗まれ、墓じまいが流行って、無縁仏や納骨ロッカーが増えました。
団塊の世代が寿命を迎える頃には、無宗教の海洋散骨が主流になると見られています。
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