【日本語の成立】
日本語の成立の概要は次の流れで良いでしょうか?
① まずホモ・サピエンス=現生人類の言語が旧石器時代にアフリカ→ユーラシアと広がった。
② ①が南方系と北方系に分離。
③ ②の北方系の古層がアイヌ語やニブフ語や北南アメリカ先住民へ。
④ ①とは別に新石器時代以降にオリエント→ユーラシア各方面に広がったのがアフロ・ユーラシア語族。
⑤ ④の支流はインド・ヨーロッパ語族やシナ・チベット語族やウラル語族やアルタイ語族。
⑥ ⑤が②の南方系や北方系を辺境の環太平洋に押しやり、環太平洋語族が成立。
⑦ ⑤のシナ・チベット語族やアルタイ語族は朝鮮半島に達して、③の北方系に合流して、環日本海語族になった。
⑧ ②の南方系がスンダランド→ポリネシア→サフル大陸へ。
⑨ ⑦の環日本海語族の新層が弥生時代に朝鮮祖語と日本語に分岐。
⑩ ⑦⑨の環日本海語族はアイヌ語とニブフ語と朝鮮語と日本語が生き残った。
⑪ そのため、朝鮮語と日本語は次の共通点がある。
・古代朝鮮語の母音 e は日本語の母音 o2 に代わり、古代朝鮮語の母音 o は日本語の母音 u に代わるなど、規則的である。
・単式流音である(lとrの区別が無い)。
・助数詞(数詞に付く単位)がある。
・名詞や代名詞に性別格変化(男性名詞や女性名詞)が無い。
・敬語表現に動詞の活用を伴う。
・主格の格助詞がある。(文のどこに有っても、主語だと分かる。)
・擬声語と擬態語が発達している。
・クレオール言語(合流言語)である。
・名詞の単数形と複数形の区別が強制的ではない。(机達、椅子達という必要が無い)
・人称無表示(三人称単数現在形などというものが無い。)
・対格型格表示(自動詞でも他動詞でも主語は変わらず、目的語には目的格の格助詞などが付く)
・包括人称欠如(「人間というものはなあ」という意味の人称代名詞が無い。階級社会の成立と共に失われた。)
・「象は鼻が長い」式の二重主語
河野六郎著作集1
風間伸次郎「アイヌ語はどの言語と似ているか」
長田俊樹「日本語系統論の歴史と展望」
松本克己「世界言語の中の日本語」によると。
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