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るんぺんパリ【RunPenParis】詩集

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140文字詩
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2024年5月の記事一覧

互琢

避けて通ると道がまた 増える道で迷子になる 誰も捜索しない自分に 捜索願いを自分で出し 自分…

偽粘

なるほどなるほどなる そんな言葉は使わない 聞くのもまれにしかだ 納得したような風だな たぶ…

滞封

何もいらない欲しいが 欲しいが別にいらない そんな事は本当はない 何か必要だ分からない 何が…

思形

急いではいないが早く 自分の早くをさえぎる 掃除のおばちゃんの群 いらいらと広がり邪魔 ただ…

殉挨

元に戻すから壊れるだ 元通りという商店街は 売る気が無いお店だけ 残って繁盛し生きてる 一度…

貝聞

水道水を上から下から 水を飲むより読んでた 自動で出る水に緊張し いつ水が止まるのかを 気に…

飼如

物を申すその物とは何 言葉なのか生き物かと 生き物だとすれば魚か 魚だとすればうおだと 沢山申すでは無いのか それとも何かハチの巣 ミツバチの巣の大群か 吐き出す蜜は物かゲロ 金になるゲロを大群で それに揉まれながらも 綺麗ごとのように働く 上乗せされて泥酔して 二日酔いを乗り越えて また物を上乗せ物申す

洞我

もうそれでいいだろう 両想いだったというが その天秤ばかりは安い おもちゃの重りで軽い 愛し…

蝕次

待つという心は郵便物 舐めた切手は若干遺物 どんなに言葉を考えて 美味く甘く溶かしても その…

毒匿

美味しい毒なんてないのに 脳に何かを埋め込まれた脳 誰も望んでも無いその口に 誰も美味しい…

具悶

時間は寿命を知らせる道具 そのお知らせに質問すれば 答えは時間をかけて無回答 いらだちを巣…

紙恋

ぴんとした紙に手を切った 本当の愛はこの感じなのか 少し痛かったけど大丈夫だ そして紙をハ…

脳霧

脳をいじくったようだ それができるのは自分 他人は脳に影響してる だけど脳がいじくれる 自分…

絵後

この後は何をするのだろう 満足に青空から雲が消えて 目星が無くなり澄み渡った 何もかもが一つの行き先で その行き先に一つがあった もう誰も見なくなった絵は 絵になる時間の事が想い出 そういえばあそこの色だけ こだわりがあっての黄色だ 本当の色よりも好きな色で 誰よりも自己満足に仕上げ 誰よりも後を残す