狂愛ソングは国が違えど良いものよね
狂愛ソング。
ジャニーズのカップリング曲に多かったり、明るい曲調の洋楽なんかも歌詞が意外と重かったり、男性アーティスト、特にアイドルがよく歌っていますね。
歌詞をにはファンタジー要素が入っている傾向があるため、多様なシチュエーションを思い浮かべて楽しむことができ、個人的にとても好きなジャンルです。
そこで、久しぶりに衝撃を受けた韓国のアイドルグループONF(通称:オネノプ)の狂愛ソング、「사랑하게 될 거야(We must love)」という楽曲を、新規の解釈ですが、紹介したいと思います。
デビューしてから清涼コンセプトの楽曲をこなしてきた彼らが初めて挑戦した、大人っぽい雰囲気のある楽曲です。
楽曲もMVも非常に凝っており、ファンタジックな雰囲気で一気に心を掴んできますね、、、
早速、冒頭の歌詞を見ていきましょう。
지금부터 내가 하는 말을
今から僕が言う話を
전부 믿기는 힘들겠지만
全部信じるのは難しいだろうけど
널 알게 된 그 날부터
君を知ったあの日から
내겐 이상한 일들 투성이야
僕には不思議なことばかり起こるんだ
強烈な語りかけ。何を言われるんだろう、と緊張してしまいます。(私が)
イントロをほぼ使わないことでよりこの歌詞のインパクトを出し、聴き手を引き込んでいるのではないでしょうか…
少し飛ばして、Bメロ部分からサビにかけての歌詞。
기억을 잃은 걸까 우리 둘이
記憶を失くしたのかな 僕ら2人
과거 혹은 미래에 다른 세계에서
過去か未来に 違う世界で
무슨 일이 있었나 모르겠지만
何があったかはわからないけど
한 가지는 알겠어 그건 말야
1つだけ分かってる それはね
넌 날 사랑하게 될 거야
君は僕を好きになる
난 너의 전부가 되고 말 거니까
僕は君の全てになるだろうから
좀 더 지나 보면 알 거야
もう少し経てばわかるよ
넌 나를 넌 나를 넌 나를 yeah
君は僕を
사랑하게 될 거야
愛するようになる
なんというファンタジー、なんという狂愛。何度見ても頭を抱えてしまうような歌詞です。
MV中にも時間を行き来したり、記憶を失くしているメンバーがいたりと、歌詞に合ったストーリーになっています。
続いて2番Aメロの歌詞。
괴물 같은 이 현실들이
怪物のようなこの現実が
점점 덩치를 불려
だんだん大きくなって
널 덮쳐 올 것 같지만
君を襲ってきそうだけど
별일 아냐 내 뒤에 숨어
どうってことないさ 僕の後ろに隠れて
슬픔에 관한 면역력은 내가 더 세
悲しみの免疫力は僕の方が強い
個人的に好きな部分です。この2人はどんな辛い世界を生きているんでしょうか。
2番では1番とは少し違うサウンドを使用していたり、だんだんと疾走感が出てきますね。
次は最も盛り上がる大サビにかけてのCメロ部分の歌詞。
이름조차 없어져 버린 전혀 다른 별에서
名前すら無くなった全く別の星から
잃어버린 너를 찾아 긴 여행을 온 기분
失った君を探して長い旅をしてきた気分
반응한 건 머리 아닌 마음이야
反応したのは頭じゃなくて心だ
내가 먼저 널 알아봐 다행이야
僕が先に君を見つけられてよかった
너는 나여야 해
君には僕しかいない
「「「君には僕しかいない」」」
この高音パートは何度聞いても卒倒ものです。
最初から歌詞を見ていくと、ただ語りかけていた始めの時とは違い、だんだん訴えかけてくるようになっています。意志が強くなっていく感じ。
曲の起伏に合わせて歌詞の狂愛さがクレッシェンドになっているのに気づいた時、鳥肌が立ちました。
そしてこのCメロ部分、とてもファンタジックで、ハウルのお話を思い出させるよなストーリーになっていませんか?過去か未来で会った人をずっと探し続けて旅をしている、そして2人が一緒になることは彼にしかわからない。
古においてきた夢女の人格が目を覚ましそう。
回りくどくなくはっきりとした歌詞であり、どこか現実的で無いが胸に刺さる台詞。ぜひ全文の歌詞を読んでみてください。
さて、この曲の良さを伝えるためにもう1つ知ってほしいものがあります。
私がオネノプにハマるきっかけになったサバイバル番組「Road to kingdom」でのパフォーマンスです。
第3回目の競演では自分たちの楽曲をアレンジしてパフォーマンスを作り上げるもの。ONFはwe must love をメイン曲とし、同事務所の先輩でありQueendomにも出演していましたOH MY GIRLのユアちゃんと一緒にステージを作り上げました。
コンセプトはマリオネット。
人形であるONFは人間で人形遣いであるユアに叶わない恋をしている。という設定です。
始めから操られている振り付けがあったり、タクトや仮面を使っていたり、わかりやすく切ないストーリーが編曲、振り付けのそこら中に散りばめられています。
冒頭のシーン。初めは操られていた人形たちですが、歌い始めると一気に状況が変わります。
1サビ部分。タクトを使いユアを操るメンバーのおかげで彼らの魔法は解け、しばらくの間、人間になることができます。
ここでユアの仮面も外れ、彼女を追いかけるようにペアダンスが始まりますね。
このサビのパート、ぜひ原曲と聴き比べてみてください。編曲の大人っぽい雰囲気に合わせて歌い方をやブレスの長さを変えているように聞こえます。
Cメロ部分です。時計を回して時間を巻き戻そうとするような振り付けがあります。人間でいられるタイムリミットが迫ってきているのでしょう。
一度は振り向かせることができたように思われましたが、タクトを使っていたメンバーは眠り、ユアは仮面を取り戻してしまいます。結局彼らの願いは叶わず、主人に手を伸ばすも届かないところでラストを迎えるのです。
ざっとこのようなストーリーになっています。
歌詞やバイオリンをメインにした編曲も相まって、よりファンタジー映画に入り込んだような気持ちになりませんか?
ダンサーを除けばたった6人で作り上げているんです。どんなクオリティだよ。
音楽、構成、ストーリー、歌唱力やパフォーマンス力、すべての武器を装備し、オネノプすげえ。シンプルにそう思わせる実力を見せつけてきたステージだったと思います。
パフォーマンスの最後、We must loveが終わり、人形遣いの元へ戻っていく時に歌っていたもう1つの曲があります。
Moscow Moscow という曲。こちらも彼らの楽曲ですが、歌詞が見事にストーリーにマッチしているんです。
눈빛이 마주치던 그 순간
目があったその瞬間
낯설지 않은 이유를 내게 말해줘
違和感がない理由を僕に教えてよ
어쩌면 우린 아주 오래전에
もしかしたら僕達は遠い昔に
마법에 홀려 기억을 뺏겼을지도
魔法にかけられて 記憶を奪われたのかも
もう鳥肌モンでしょ、こんなのありですか。
ちなみにパフォーマンス冒頭で流れる語りもこちらの歌詞になっています。
この曲を足すことによりストーリーがよりまとまってわかりやすくなっているのではないでしょうか。
こちらの曲もフルで聴いてみてください。また違ったイメージが浮かぶと思います。
We must loveは冒頭では狂愛ソングと記載しましたが、原曲では歌詞ではなく、いくつも重なる様々なサウンドに集中すると面白いです。曲の世界観がどのような音から成り立っているのかを探すのも、音楽の楽しみ方ではないでしょうか。
とにかく、私はこの曲に出会うことができて本当によかった。
Road to kingdom を教えてくれたフォロワー、マジありがとう。
この曲に出会ったのが発売当時だったら、ここまでハマっていなかったでしょう。
コロナ渦の中、現場に行けなくてカラカラに干からびたオタクに対し、頭上からバケツをひっくり返されるどころか滝に打たれたような潤いと刺激を与えてくれた一曲でした。
宇宙を大きなテーマとして持つONF、カムバまであと一週間。来週が本当に楽しみです。
よし、明日も生きようね。
#K -POP #ONF #Roadtokingdom
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