勝手に自伝シリーズ 第3弾【Ma Deva Shaktiダクちゃん】

ようやく書けました……

凄く遅くなってしまって申し訳ありません。こんな感じになってしまいました……

では、以下本文です。

 ムーサ ~アオイデーダクちゃん~ 

 今、私の前にはMa Deva Shaktiことダクちゃんが座っている。

  正直私は今、目の前にこの人が座っている事に緊張を隠せない。現代の音楽界の神『アオイデー』と称えられている人が眼の前に座っているからだ。 ダクちゃんはそんな私の緊張を解すかのように、秋の柔らかい光に照らされた神々しいまでの笑顔を私に向ける。

  いつもの編集長から連絡が有った時、正直私は嬉しさと緊張のあまり返事をする事も忘れてしまっていた。編集長の『おい、どうした?』という声で私はようやく飛んで行ってしまいそうな意識を現実世界に戻す事が出来た。『できるか?』

  編集長のその言葉に私はすぐに返事を返す。「もちろん!」と。そして、それからダクちゃんを取材するにあたって、さらにダクちゃんの事を調べ出した。

  Wikipediaにはこうある。『ダクちゃんは現代音楽の創始者と言っても過言ではない人物。その功績は世界中で評価される。そして、ダクちゃんのコレクションに加えられたアーティストはその総てが世界中で注目されるアーティストになる。それゆえに、音楽の神『アオイデー』と呼ばれる。まさに現代のムーサと呼ばれるにふさわしい人物』

  そう、これ位の事はWikiを見なくても誰でも知っている事である。しかし、実際のダクちゃんには謎も多い。その謎についてダクちゃんへの取材の前に一通りおさらいしようと、私は取材を始めた。

  まずはダクちゃんの生い立ちを調べてみる事にする。

  しかし、これはすぐに非常に困難な壁にぶち当たる事になる。まず、ダクちゃんの過去を知る人間が殆どいないという事だ。そもそも日本人とギリシャ人のハーフであるということ以外ほとんどが解っていない。

  しかし『神』と呼ばれてはいるが、ダクちゃんも人間。調べれば何か過去の事が解るはず。私はそう思い、取材を続けた。

  そしてようやく一人、ダクちゃんの過去を知る人物に出会う事が出来た。ただ、直接話を聞く事は出来ず、電話でなら取材に答えるという事で取材の了解を得ることが出来た。

  以下に電話での取材の模様を書き記す。

Q「先ずはあなたとダクちゃんとの関係を教えて頂けますか?」 

A「すまないがそれは答えられない。ダクちゃんに口止めされてるからね」 

Q「それはなぜですか?」 

A「おっと、それ以上詮索するならこれ以上は取材は受けれないが……構わないかな?」 

Q「……わかりました。質問を返させて頂きます」

A「そうしてくれるとありがたい」

Q「では、ダクちゃんのこれまでの経歴を答えれる範囲で良いので教えて頂けますか?」

A「うーん……そうだな……やはりこれ以上は答える事が出来そうにない。取材はこれで終わらせてもらえないか?」

  突然の取材打ち切りに私は驚いたが、それでも何とか話をきけるように説得した。

Q「そこを何とかお願いできませんか?」

 A「いや、ダクちゃんの事は本当に硬く口止めされてるんだよ。俺からいう事はやはりできないな。申し訳ないが、直接聞いてみてくれないか?」

  そう言って電話を切られてしまった。いったいなぜこんなにもダクちゃんの事について皆隠そうとするのだろう? 私の疑問はいよいよ深まっていく。こうなったら直接ダクちゃんに聞くしかないだろう。そう言う思いで、私はダクちゃんとの取材の日を迎えた。

  そして今目の前にダクちゃんが座っている。その笑顔に私は少し緊張の糸を緩めるが、それでも、今まですべての事を秘密のベールに包まれていた存在が目の前に座っている。そう、その私が求めた秘密の総てを知る張本人のダクちゃんが目の前に座っているのだ。これが緊張せずに入れるだろうか? いや、それが誰であっても無理だろう。そう、静かに微笑むダクちゃんを目の前にして私は最初の一言を言葉にしようとした時、ダクちゃんはそっと、私の口にそのしなやかな右手の人差し指を当てる。

  そして彼女は話し出す。しかし、その言葉の総てはまるで音楽のようで、私はその音楽のような言葉を聞き入るだけで、気持ちは穏やかになり、それ以上ダクちゃんに対して何かをしようという気持ちが湧いてこなかったと同時にすべてを理解した。

  そう、ダクちゃんは現代の神などではなかった、ダクちゃんはすべての『音楽を生み出した者』そのものであったのだろう。

これからもダクちゃんに導かれし音楽たち、はさらなる発展を遂げていくだろう。