勝手に自伝シリーズ torikaさん

さて、勝手に自伝シリーズ第1弾完成しました。

こんな感じになりました。

うーん……いいんでしょうか?

どうなんでしょう?

まあ、次は みなもり ふみさんです。

ご覚悟下さい。では以下本文です。


 トリップ ~torika風と共に……~ 


 一陣の風が吹き抜ける。颯爽と峠を下って行く風。

  そう、torikaは風のように峠の道を走っている。愛車GROMのエンジンは低いエンジン音を響かせ、まるで自らが風になったかのように愛車を走らせている。

  私が彼女に興味を持ったのはつい最近の事だった。とある取材の帰りの事だったが、その取材場所が山奥だった事と、予想外に取材の時間が掛かってしまった事もあり山を下りるのが遅くなってしまったこと。それが私とtorikaの出会いの切っ掛けだった。私は愛車のセローを走らせ、少しスピードを上げて下っている時の事だ。突如として背後からもの凄いスピードで近づいてくる一台のバイク。私も少しはバイクの走りには自信がある方だったので、そのスピードについて行こうとアクセルを捻ったのだが、そのスピードに全く着いて行くことができず、あっという間に引き離されてしまう。 その圧倒的なスピードを私はただ見送る事だけしかできなかった。それほどtorikaの走りは尋常なスピードではなかった。 

 そして私は山を下りるとすぐに自宅に戻り、今日見た事をありのままSNSに書き込みをしてみた。するとそれについての情報がかなり寄せられたのだ。

  以下にその情報を箇条書きで書き記す。 

 『実は昔はプロのレーサーだったらしい?』 

『広島辺りに出没するらしい?』

 『家に帰る事を生業としているらしい?』

 『実は超能力者?』

  いろいろな情報が集まったが、情報を総合して私が出した結論はこうだ。「?」

  そう、この情報だけではよく解らなかったのだ。昔はプロのレーサーで広島辺りに出没し、家に帰る事を生業とした超能力者…… つまりどういう事なのか? とにかく私は次の日からtorikaの取材を行う事にした。

  もし本当にプロのレーサーだったのだとしたら、もっとその辺りで情報を得られるはずだ。そう思った私は三重県の鈴鹿サーキットに向かった。そこで私はtorikaをよく知る人物と出会う事が出来た。そこで聞けた話を総合するとやはり元プロのレーサーだったという事らしい。そしてあの天才レーサー阿部典史(あべのりふみ)ことノリックと同時代に活躍し、良きライバルだったという事だ。そしてノリックが事故で他界した後torikaの独壇場になるかと思われたが、torikaもちょうど時期を同じくしてレース中の事故で負傷。『復帰は絶望か!?』とまで新聞の見出しを飾ったほどだったが、奇跡的に回復したtorikaだった。しかし、その後取かはレーサーを引退。その報道はかなりの衝撃をもって世界に配信された。まだ怪我は完全に治っていなかったのか? それともノリックというライバルを失ってしまった事でレースに出る気力が失われてしまったのか?

 そう言う憶測が飛び交ったが、torikaは多くを語らずレースの世界を去った。

  なぜレースの世界を去ったのか? 私はその疑問を解決する為にtorika本人に取材を申し込むことにした。取材申し入れをしてから一週間後、取材の許可が取れた私は一路広島に向かう。

  広島駅を降りたところでtorikaらしき人物が私に声を掛けてくれた。軽く自己紹介を済まし、私はtirrikaに案内されよく行くという喫茶店に案内される。

  歩く事一時間、かなり迷いながらようやく到着した喫茶店でコーヒーを頼み、それが来たタイミングで私はtorikaに取材を始める。

  以下はtorikaとの対談形式で書き綴る。

 流「早速ですが、単刀直入にお伺いします。なぜレースの世界を去られたんですか?」

 tiroka「どこまで話をご存じなんでしょうか?」 

流「torikaさんが事故を起こして引退されたことは伺いましたが、その引退の理由までは解りませんでした」 

torika「そうでしょうね……それは誰にも言ってませんから」

 流「どうしても教えて頂く事は出来ませんか?」

  少し考え込むtorika。ようやくその口を開き話し出す。

 torika「ここから先の事は記事にしないでいただけますか?」

 流「……」

 troika「出なければお話しする事は……」

 流「わかりました。ここだけの話にしておきます」torika「わかりました。ではお話しさせて頂きます」

  残念ながらtorikaとの約束を守る為これ以上の事は書くことはできない。しかし、これだけはtorikaから掲載の許可をもらった。事故の後の怪我もそれほど酷い物ではなく、今でも十分にレースに復帰する事は出来る事、そしてある能力に目覚めてしまった事。そしてそれが切っ掛けでレースの世界に復帰する事が躊躇われた事。

  そう、やはりtorikaは超能力者だったのだ。そしてその能力『エニウェアトリップ』の能力で復帰しないという事。

  その能力がいったいどういう物か? それを教えてもらう事は出来た。しかし、それを記事にする事は出来ない。私は記者ではあるが、それでも約束を守らない訳にはいかないのだ。だが、これだけは言える。

torikaは今日もどこかでつまづいている……