虎に翼 第10週「女の知恵は鼻の先?」(50)

 やったー、トラちゃんリブート! 
 恩人である、穂高教授に『先ほどまでは 平等な社会のために 真っ向から戦ってらしたのに 今は 私を女だからと 排除しようとなさってますか?』と、ここで『排除』という強い言葉で穂高の言葉を否定、自分の主張をはっきり伝える、『私は好きでここに来たんです』。そして、憲法を誦じる。審議会では、神保に対して堂々と反論する。『個人としての尊厳を失うことで守られても、あけすけに申せば、大きなお世話だと』これはやるなぁ。この雰囲気のなか、女性がただ一人で、トラちゃん自身の個人の尊厳を守って主張するためには、『大きなお世話』という言葉で振り向かせる必要があった。そしてダメ押しが『不断の努力によって守ろうじゃありませんか?』すごいよ。これはもはや現代の人が忘れていることではありませんか。戦後80年近く経つのに、結婚後、夫の姓が90%以上。『不断の努力』ということ、それを改めて思い出すべきなのです。
 そして、これはいまの『選択的夫婦別姓』の議論に通じる。強烈なメッセージだ。『氏が変わることで愛情が変わりますか?』まったくいまの保守派にも聞かせたい。
このドラマをわたしも若い頃に観ていたら、人生が変わったかもしれない。『個人の尊厳』を『不断の努力』によってわたし達が守らないといけないのだ。誰かに守ってもらうものではない。わたし達自らが主張し、抵抗して勝ち取り、守るものなのだ。#虎に翼

 それにしても、花岡さんが死んだ、とはどういうことだろう? なぜ死んだのか、自死か?
来週がまた楽しみだ。

 わたし達は、古くは『根性ドラマ』いまでも『教養小説』的な枠組みに囚われすぎていたのではないだろうか?
 人間は子どもの頃は親に、教師に従って『成長』していくことで、『一人前』になれる。そして大人になって会社に就職しても上司に従い、『敬老』精神を忘れずに『謙虚』に生きるべき。このような儒教的な『規範』が知らず知らずのうちに備わってしまっているのではないだろうか?
 もっと『個人の尊厳』を守っていいのではないか? いや、守るために社会と対峙し、必要なら抵抗して、一人一人が『不断の努力』をすることで、この憲法の精神は生かされる。それは『好きなこと』をする、できるようにすることが第一であることをこのドラマは教えてくれた。
 この『虎に翼』は義務教育で必修科目にしてはいかがだろうか? いまのように先生の言うことを素直にきくだけが学校ではないと言うことがわかるだろう。自らの尊厳を守るためには、政治の行方、立法のされ方にも興味を持って、なぜこの法律が必要か? みんなが『はて?』と考えることが大切だとわかる立派な教材になりうると思いますが。

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