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写真と詩

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映るもの、響くもの。
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2022年6月の記事一覧

新生

怠惰な生 強制される生 補完される生 腐臭を放つ生 溜息混じりの生 奔放な生 慟哭に満ちた生 …

らまん
2年前
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カエル

カエルが見たい あのヘンテコな生き物を あのフォルムを愛でたい 水でも陸でも生きられるあの…

らまん
2年前

呼吸

過去を規定する今 未来を想定する今 心に共存するそれら 全てを許して 全てを賭す 渾然一体…

らまん
2年前
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磨く

宝石 ナンジュウネンかの積み重ね 不純物を取り除いた 透明のカタマリ 届く光、放つ光 プリズ…

らまん
2年前
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ある日曜日の朝

私がいるところ 私が行くところ 私が戻るところ 私に戻るところ 私がいるところ 彼女がいると…

らまん
2年前
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和解

和解する 心の中で和解する あれほど憎たらしくて もう仲良くしてやんない そう思っていたの…

らまん
2年前

旅心

そこには見知らぬ景色と見知らぬ人がいる 湿気を含んだ大きな空気の塊に太陽の光が閉じ込められている 背の高い楠が青々を繁っている 素敵な娘と逢引の約束を交わす 役場の扉を出ると生暖かい空気に入り込む この町には結界が張られているみたい 何を守っている 私は異物だ この町を脅かしてはいけない 透明になって礼儀正しく通過せなばならない あの娘は来るだろうか あの娘を見知ったとき私はただでは帰れなくなる 結界に些細な風穴を開けてしまう 気づかれないでいられる