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高校入試と併願優遇制度

東京都には全日制の私立高校が約180校設置されている。
これは言うまでもなく国内最大数であり、お隣の神奈川県の約50校と比べると、規模感がまるで違うのがわかる。

これだけ私立高校が多い東京でさえ、一部の私立トップ校を除けば未だ「都立第一志望主義」は健在である。
学費などを考えれば当然とも言えるが、東京都が就学支援金の所得制限を撤廃したことにより、何かしらの変化があるかもしれない。

併願優遇の違和感

東京都の高校受験には「併願優遇」という制度?がある。
都立を第一志望として私立を滑り止めにする際、私立側の提示する成績を満たしていれば一般試験でほぼ確実に合格させるというものである。
これは随分古くからある制度で(私のときは併願推薦という名前だった)、受験生に気持ちよく都立を受験してもらって、落ちたらうちにきてくださいね〜というお約束受験となっている。

実際私が受験生のときももちろんこの制度を利用したが、私立側の人間となったときにものすごい違和感を感じるようになった。
それは今年の中学入試の影響だと思う。

中学入試は大学一般入試と同じように、試験の点数で合否が決まる。
成績関係なしの一発勝負(チャンスは何回もあるが)である。

今年はかなり厳しい入試であった。
受験生が多いが定員が決まっているため、倍率が跳ね上がったのである。
7割くらいの得点率がないと合格できない、なかなかシビアな入試となった。

それと比べ高校入試はどうだ。

成績の基準が足りており、先方の中学校とのお約束があるにせよ、3〜4割の得点率で合格させてしまうのである。

ホント、この前までの中学入試は何だったの?って感じだ。

かなりの時間をかけて作った入試問題も、ほぼ全員合格させるのなら作る意味ある?って感じだ。
申し訳ないが、3割しか取れない生徒は正直いらない。

公教育の崩壊による都立と私立の在り方。
そろそろ高校受験についても、見直す時期に来ているのかもしれない。

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