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ツイステッド都市計画 暁光の街を見てみよう!(絹の街を据えて)

こんにちは。普段noteのほうではルクハン怪物書という名の7章考察やらなんやらを書いてます筆者です。 
今回はとうとう来てしまった夕焼けの草原の観光イベント!
地図にテンション上がりすぎた筆者による暁光の都の都市計画やら近代の歴史やらを推察していきますよー!
ってか7章Chapter2直前に夕焼けの草原ネタってもう関係アリアリのアリってことですよね???

※ATTENTION

こちらはゲーム「ツイステッド・ワンダーランド」にて2月現在開催されているイベント「タマシューナ・ムイナ」にて初登場した夕焼けの草原暁光の都についての考察となります。
よって最新のネタバレがありますのでご了承ください。

また、この考察は以前Twitterにあげた暁光の都の都市計画話をより詳しく解説するものとなります。そのため現実の事例としてアフリカ(特にケニア)の話を多数引用いたします。ご了承ください。

・絹の街から見えるツイステの地図の緻密さ

まず、ツイステのマップは毎回すごく生活がわかる緻密さで描かれてます。

例えば熱砂の国の絹の街
あそこはジャミルくんが本編でも語ったとおり運河(水上路)→陸路→内陸の順番に整備してきた流れの関係上、既存の街に無理矢理道路を通した痕跡があります。

それがこの赤丸あたり。元来大きな船が通る船着場だろう花火会場とラクダバザールの真ん中をつっきる片道四車線道路。
まだ車や機械が存在せず、水路がメインだった時代を想像すると、ラクダバザールと船着場を道路で分断するのは運搬の妨げになるため不自然です。

推測するに、この道ができる前までは青丸の川幅が狭くなる箇所の橋の方を利用していて、水運と陸運両方が合わさる中間地点にラクダバザール、ザハブ市場の原型が出来真ん中に運搬の主要交通たる水路を通したのではないでしょうか?

(昔の動線はこんなイメージ)
(今の動線はこう。右奥は恐らく飛行場)

こうやってみるとアジーム御殿と市場を分けてる道路は交易が拡大したこと。
車両や飛行機等、新しいかつスピーディーな輸送手段が増えたこと
などなど、ラクダ市場との繋がりよりも、主要道路を真ん中に置いたほうが輸送が効率的な時代になった証左なのでしょう。
(ラクダ市場への輸送も機械で行えるようになった今なら手早く終わらせられますしね。)
最初からメイン道路がアジーム御殿前の道路であるならザハフ市場の位置が道路から見えない位置にあるのは違和感がありますが、水路がメインだった時代の位置のままと考えると腑に落ちる位置にあります。
このように。ツイステの地図は細かく分析するとその土地の歴史の編纂を想像できるくらい緻密に作り込まれています。
そのため、今イベントが開催されている夕焼けの草原の暁光の街も無論。地図から見えてくるものには意味があるのです。

・暁光の街の都市計画

・暁光の街は田園都市

さて、絹の街同様、暁光の街の街並みについて分析していきましょう。
まず目につくのは真ん中の円を中心としたら整備された街並みです。実はこの形状、恐らく有名な都市計画理論を使用しています。

それがこれ。田園都市と呼ばれる都市計画理論です。

これは19世紀末イギリス発の理論で産業革命による都市部の人口過密や環境汚染を憂いたエベネザー・ハワード氏による「自然と人間の共生」
重きにおいた理論であり、今でもあらゆる郊外都市を作る上で参考にされてる理論です。

無論日本でも使用されており、関東に走っている「田園都市線」内にある田園調布と言う街はこの田園都市計画理論を参考に作られています。
この理論の特徴は公共機関等都心に必須なものを環の中心に置き、そこから放射線状に住宅や田畑などの空間にグラデーション状に繋がっていく形状です。

暁光の都はまさにこの形。
ちなみに放射線状である理由はできる限り公共機関へアクセスできる距離を均一にするというか平等の精神に基づいています。

・合理性の塊すぎる都市計画区分

更に細かく分析していくと、明らかに有機的な道路が城下の水場と繋がることから川は暗渠にして蒸発をふせぎつつ水を確保。(水色ライン)近くに配水槽らしき丸い施設があったことから飲み水は恐らく左奥にあるだろう川上の水を取り入れた浄化施設→配水槽の流れ。かつての川のラインは木々への散水などに使用する用水路なのではないかと推測しています。
下手したら噴水下あたりに万が一に備えた貯水槽があるかもしれませんね。

そこから赤線の人工的な街道を整備してまさに城を中心とした円形状の街にしようと言う施政者の思惑が見えてきますね。配水池がある近くの道がやたら直線なのでこの道沿いに浄水場やら他インフラ用施設あるかもですね。これを踏まえると…

細かくエリア分けするとこんなかんじ。

暁光の街は真ん中の道路を境に居住エリアと観光エリアが別れており、
紫のエリアにショッピング施設
水色のところにリゾートホテル
オレンジのとこに恐らく学校や病院等の主に住人が使用する施設(恐らく浄水場とかもこの延長線上)
黄色の線と赤の線下側に住宅街を儲け、オレンジの区画にある住民用公共エリアに双方平等にアクセスしやすいようにされているといった形。
そして真ん中の円には公共、ビジネスエリアとなり。ゆるやかな円を描く高層ビルが建っているといったかんじでしょう。

・交通網の話

そして。町の中心たる噴水広場の横には大きなバスロータリーがあるところから街の人々の主な交通機関はバスで基本郊外→中心地へという形で綺麗に集約していくのだと思います。実際ケニアの主な交通手段に近しいですね

中編にて言われましたね!

バスは自国生産していなくても工業国の中古を輸入する形でもまかなえる可能性がありますし、単独の車で移動するより交通トラブルや排気ガスによる環境汚染も減らせます。
実際都市はなるべく車じゃなくて公共交通機関を使うよう街づくりをしたほうが効率がいいため、開発するにしろまず中心部の位置を決める→道路の整備とバス運行から始めるみたいな流れとなるのです。
このような感じで夕焼けの草原の街並みはまさに、用途に合わせた分離、区画整理をすることで交通網がゴチャゴチャしないようしっかり計画された街です。

一周回って違和感を感じるほどに。

・過去は要塞だった?暁光の都開発前の姿の想定

ここで以前の夕焼けの草原を知ると思われるリリアの発言を見ていきましょう

この発言と、タマムイレオナのホームボイスを考慮に入れるとリリアは昔まだ地形の形状からして違ったころに足を運んでいたらしく、その頃には街整備が行われていなかったことがうかがえます。

え?でもその話リリアのことだし100年単位で前の話で参考にならないかとおもいきや、タマムイリリアのホームボイスの発言からして恐らく大体50年〜80年前の話であることが伺えるのです。加えて先程話した田園都市計画という理論は現実世界で19世紀末に発案された100年とすこし前のもの

以上のことを踏まえると、少なくとも50年前あたりから暁光の街付近は街整備のための大規模開発を行っていたということになります。実際父親の執政時代には街整備が始まっていたといっているため祖父王と父王、二代に渡った大事業なのだと思います。

そう。違和感はここ。
古い城塞を今でも使用しているだろう王宮に比べ街形成があまりに近代的すぎるところ。

そして街と王宮があまりに近すぎることなのです。

・暁光の都の違和感①王宮と都市の年代が違いすぎる。

まず。王宮の作りは堅牢な城塞です。夕焼けの草原の王朝は古くからつづいてる王室なのは6章でマレウスが示唆してますし、今イベントの伝統行事の力の入れ方からして明白です。

もしそんな古くからある王家の周囲で
「自然を傷つけないために同じ地域で暮らす」
のような発想の元、かなり昔から内部に街がある城塞都市であった場合。街の計画はもう少し入り組んだものになるのではないでしょうか。

これはエチオピアに実際にある城塞都市の資料と航空写真なのですが時代とともに発展するタイプの城塞都市というのは外壁の中に街を詰め込む関係上かなり込み入った形状になりやすいのです。

暁光の都は車の運転を視野に入れた広めの道路を整備してある街ですし、そもそも上に書いた通り使用してる都市理論がかなり近代のものです。
もし、古い街並みを大改装して今。となるならば上で言及した絹の街の道路みたく敷地を分断した痕のような。

それこそかつて都市まで入れた城塞であったなら、外壁の痕跡なんかがありそうなものですが見当たりません。

花の街は道路通したくて敷地割ってるのが分かりやすい。ツイステ地図ほんと生々しい

実際元ネタの街からして大規模改装してる花の街には敷地を分断した痕跡があるのですが暁光の街には見当たらないのです。

そうまるで。ここ数十年で更地から街をつくったかのように。



…次に民の生活の観点から。
中編にて語られたように夕焼けの草原は多民族が暮らすため、発展させづらいお土地柄で農地すらそう簡単につくれないという話がでてきています。

実際マサイ族のような狩猟民族は放牧系の牧畜運営をしているため農地を作るタイプではないのです。
イメージ湧かない方は森薫先生作「乙嫁語り」に登場する中東の騎馬民族とかを想像すると分かりやすいでしょうか?
(実際放牧系は大量生産には向かず、安定供給に向かないものの動物にストレスがかからないため肉がおいしいものをあるのです。)

しかしこの手の民族というのは牧草地を変えながら暮らすため常に移動していくため都市形成に向かず、

上の記事読むに織物の伝来は絹の街からなんだろうな…そら国賓になりますわ。

ルーツや名産品鑑みると織物産業や手工芸の材料を採取する上で大規模農業はせずとも一定の農地、土地は必要という暮らしをしています。
ライオンキング本編を鑑みても城塞は元来ライオンの王家が草原に暮らす民(動物達)を見守るために高地の断崖絶壁に築いた要塞だったと見たほうが自然です。(実際主なモデルだろうエチオピアやケニアの首都はかなり標高が高い。)

・暁光の都の違和感② 城塞と都が近すぎる。

かつて城塞都市ではなかったと鑑みると今度は都と王宮が近すぎます。

日本の山城にしろ基本、防衛をかねた城は本丸、二の丸、三の丸…と複数の防衛ラインがあるのが常であることを鑑みると

正直本丸御殿の周りに一つ防衛網があるだけですぐ都市という現状は昔のことを考えたらあまりに手薄すぎるのです。

やっぱこれ。昔は外側に最低もう一つ防衛ラインあったんじゃ?

となりますよね。

そういや民族衣装すごくカンガちっく

加えてタマムイレオナのホームボイスからしてリリアは昔の地形に言及してることから地形が変わってるのは明白。

ならばと。第二防衛ラインがあるだろう位置と
夕焼けの草原の王城のある高台は防衛拠点のため開けた場所ではなかった可能性と上にも描いた川の流れを考慮すると…

このような感じで城の外にもう一つ防衛ラインががあり(黄緑の線)川(水色の線)が堀のように周囲を囲っていたのではないでしょうか?

更に断崖絶壁にある城の仕様上、王宮内部に客人を招けないため双方に迎賓館兼真田丸のような出城を置いていて(オレンジ色の部分。いざという時は普通に防衛拠点にするため王家所有)それが今ホテルとなっているのではないでしょうか?
この路線でいくなら図らずもレインツリーマーケットのあたりが交易地点たる城下町として機能します。

加えて川のラインとは別の道路に違和感のある凸凹線を追うとかつては崖ないし高台だったんじゃとなる敷地も見えて来くるのです(茶色の線)
となるとその高台の線と川の線がちょうどここ↓↓↓↓

入り口だとすると緑地なのは納得…

川が王宮に向かってながれはじめる場所の不自然に空いた緑地にたどり着くのです!!!
推測するにここにかつての第二防衛ラインの入り口があったのではないでしょうか?
昔はここが崖きわきわだったのであればとても守りやすい場所となりますし、王城の入り口の位置の遠さ的にも守りに堅くなり納得しかありません。更に言えば開発していない理由も入り口の遺跡やら魔術トラップ残りやらで開発が難しかった等色々な理由が考えられまずしね。

纏めると。夕焼けの草原の城塞は、赤線の本丸、青線の第一防衛ライン、黄緑の第二防衛ラインからなる城で川を堀代わりに使用。

緑地にあっただろう第二防衛ライン入り口と迎賓館兼出城、3つの防衛ラインで守られていた堅牢な城だったのではないでしょうか。
…何というかこう。出城と迎賓館が普段つかわないからと兼用されてて迎賓館の客が悪さをしようとも2の丸城壁(青色の線)の門番が即座に対応できるだろう立地ってのがいやらしいかつての城の形が幻視できるのなんでだろう…

・開発の発起人は誰だ??夕焼けの草原近代史

さて、真面目に解剖したらこの城塞計画したやつよっぽどの戦クレイジーマンかな?みたいな姿が見えてきてしまったのですが、今となってはかろうじて面影があるのみで完全に市街地の一部となっています。

しかし、キファジが使う建前からして基本王家はバリッバリの自然保護推進派。開発や建設に乗り気でなさすぎるあまり今でも近場にある人気観光地の道路整備すら行っていないのがその証左です。
にもかかわらず、城の堅牢な防衛ラインの敷地を潰す形で都市開発が出来てしまってる。
しかも上で書いたように各エリアの明瞭な分離化と公共エリアへのアクセスを限りなく「平等」にしようという理念が伝わるこの感じ……


…これ。50年前ぐらいのサンセット・ウォーリアーのリーダーが自身の管轄だった第二防衛ラインを、時代の趨勢を鑑みて市街地として開発してしまったのでは?

更に言うなら。父親の代だと既に都市整備が始まっていたのを鑑みると開発をはじめた張本人は祖父母の代。
加えてエペルがおばあちゃんと見た目(過去のおばあちゃんの写真参照)および性格揃って似かよっていたことや他キャラにもおばあちゃんの話がよく出るのを鑑みると

当時のサンセット・ウォーリアーはレオナにそっくりな王妹、つまるとこ彼の大叔母にあたる存在だったのではないだろうか?

正直そう考えると納得いくことがたくさんあるのです。約50年前ということは現実世界でも飛行機などの登場でグローバル化の波があちこちに押し寄せる時代。いくら堅牢な要塞でも空爆の前では打つ手なしですし。
何よりも世界的に平和になり近衛兵の職があぶれる可能性が出るタイミング。
軍が土木工事屋として機能する話はあるあるなので。同時のリーダーがいい機会だからとばかりに建設、開発に走るのはあり得る話です。

おまけに、王(政治)と王弟(武力)の分業体制が基本の国づくりからしてかつて機能していた第二防衛ラインは実質サンセット・ウォーリアーのリーダーの私有地だった可能性が高い。
「自分の持ち物なんだから好きにしていいよなぁ?」って言う建前で防衛ラインの修理をするかと思いきや…みたいなこと。レオナに近い気質の人はやりかねないでしょうよ。

ここにレオナのユニーク魔法は対象を砂にする魔法。寮服パソストからして地殻変動に近い現象まで操れるもので。
ユニーク魔法の名前からして遺伝性。
そして更地作りをはじめとして土木工事を大幅に削減できるとなればもうチェックメイトです。


かつての王妹たるレオナの大叔母は自分の私有地たる第二防衛ラインを全て更地にし。
都市の観光地化を銘打ち出城跡にホテルを建て。
「田園都市計画」とかいう薔薇の国の文献を片手にひっさげ「自然と都市の両立を図る実験」を建前に独断先行。
切り立った周辺の山ないし岩壁を砂にし敷地を広げ(なお出来た砂はコンクリに混ぜて再利用)
ひとつの街の雛形を作ったのではないだろうか。

だってそう!私たちはもう既に見てしまっているではないですか!!!

サバナクロー建設のすさまじさをな!!!



とまぁこんな経緯で屁理屈で押し通して近代的な街の礎を築いたレオナの大叔母(仮)ですが。

今回のイベントで何度も言及されてるように基本自然保護をうたう国の信条です。
そんな国の王宮周辺でこんな大規模な開発を行う行為は、テロに等しい所業だった可能性が高いのです。
どんなに自然に配慮した上での街づくりだろうが、正直王家にとっては「開発をしている」というただそれだけで疎まれるもの。
となればこの時何かしら事件が起きた場合。今のレオナに対する扱いの難しさに繋がっててもおかしくありません。

そして今。レオナのセリフからして完全に停滞期に入っている夕焼けの草原の開発事業の現状はいかに…のあたりも纏めようと思ったのですが。

都市構造の詳しい解説を入れていたら想像以上のボリュームになってしまったので次の記事でまとめたいと思います。


・おまけ

象の墓場の話すごく好きよね彼

ちなみに、象の墓場の開発した犯人も恐らくレオナのばーちゃんでは?と感じています。
大規模な建設業を皮切りに人材確保と
無法地帯の正常化
更に暁光の都付近の観光地の開発と。
象の墓場に住むハイエナの雇用政策。
更に未来の開発のために地質調査隊の結成。
…このあたりの目的を胸に、スカーの如く単身で象の谷に飛び込んだレオナ似の女傑…いやぁ原典インスパイアが捗りますね…
(このあたりラギーのばあちゃんあたりがなんか知ってそうだから話聞きたいんだよなぁ…最期ろくなことになってなさそうな気がしますがね。)

また、上にあげた堅牢な城塞も想定の形通りなら行き過ぎレベルの合理性の塊であるため。こちらも古のサンセットウォーリアーのリーダーが作ったものだったのかもです。
レオナの大叔母(仮)が更地にしたのは単に役立つ時代の終焉を感じたから。時と場合に合わせて戦い方を変えていくスタイルってのもなんか天才司令塔の土壌になってそう。


ちなみに大叔父ではなく大叔母なのは嘆きの島先先代番人が女性だったからです。
もうこうなれば50年前ぐらいに女版NRC生勢揃いみたいなこと起きていたんじゃ??となってな…

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