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ルークハント怪文書④

※ATTENTION

このnoteはスマホゲーム「ツイステットワンダーランド」で今後展開されるであろう7章こんなストーリーだったら面白いな…という考察を物語風に仕立てたものです。よって6章までの盛大なネタバレを容赦なく含みます。そこのところご了承ください。
また、この話は
「愛の狩人ルーク・ハントが夢で見た7章」
という体でルクハンが自分が見た夢を思い返すような形で綴ってる夢日記という体で描いてます。
つまり怪文書です。
完全なる妄想、幻覚です。
普通の考察文だと出しきれないこんなインスパイアあったら嬉しいなって言う小ネタも入れ込もうとした結果がコレさ!
後ほど別ノートに解説を作れたらなと思っています出来上がるまではどこに何のインスパイアを入れたか考えながらご覧いただければと思います。
なおこの話はつづきものです。
前作にあたるその①まだ読んでないよ!って方はこちらからお願いします。

第十章 「冥府の裁定者」

さて、いよいよ学園対抗マジフト戦のリーダーを決めるための寮長同士の決闘が始まったのさ。
舞台はコロシアム。竜の君、獅子の君の決闘の見たさにあらゆる寮からの野次馬があつまりコロシアムに色を添える。
選手側としてコートにいると、客席に座る観客の視線はまさに神々の審判のように感じる。
張り詰める空気は、この先の試合にある未来に怯えているのか、期待しているのか。

どちらの視線もあるだろうピリピリと張り詰めた空気を遮ったのは。
マジフト学園対抗戦実行委員の黄金の君の郎らかな声と、それに促される用に会場のど真ん中に送り込まれた、タブレットを片手にした自室の君の蒼き炎だった。

さて、以前の日記にオルト君から提案された案…魔法封じの首輪をつけた上でのリーダーが実質参戦不可能な魔法封じをかけられた変則マジフト戦を決闘内容にする案は、ちゃんと寮長会議にかけた上で学園長の了承も取りしっかり手続きしてある。
公平性のため自室の君が提案を出す形で出された決闘案にここ2年のマジフト周りに思うところがあった寮長達が賛同を示したという形だ。

「そもそもさー、この決闘何のための決闘なのよ?マジフト対抗戦に必要なリーダーって最も魔法力が強い存在じゃなくてチームをまとめられる存在でしょ?なのに寮長同士の1対1のゲームで決めるって可笑しいでしょ。」

という、自室の君の真っ当に根本的な問題を指し示す言葉にほかの寮長達も喉につっかえたものが取れた気持ちだったようだ。

現に今、同じように説明を聞いている生徒たちの中にもハッとした顔をしている子達がいる。
聴衆の視線の集まる先にはタブレットだけではなく、本人が登壇する形で自室の君が立っている。寮長会議でこの案を決議した時に我が麗しの毒の君に「他生徒への説明は貴方が生身で行うのよ。説得力が全然違うから」と丸めこまれてしまったのさ。

実際効果は覿面。コロシアムで観戦大会の選手候補ではない三年生寮長は自室の君のみ。学園の将来の命運をかけた戦いともいえるこの度の決闘に最もふさわしい裁定役として震えながらも舞台に立つ彼の姿に胸を打たれたのだろう。観客達も改めて賛同の意を決めたようだ。

特に自室の君の演説を聞いて改め寮長が頑張るならと生観戦しに来ているイグニハイド生は首が取れるほどにうなづき涙を流し寮長の演説を見守る姿は私が舞台鑑賞にかける意気込みを同じものを感じたよ。是非とも彼らと語りあってみたいものだ。…と話がそれた。

さて、皆が期待の眼差しをコロシアムの中心へを向ける中、困惑の顔を浮かべているのは竜の君のようだ。
正直、この決闘ルールの変更は先程言ったようにように寮長会議にて事前に決議されている内容な上、余計な混乱を避けるため決闘に参加するだろう選手には事前通知と合意を取っていたはずなんだ。今さら困惑することが果たしてあるのだろうか?ヴィルから聞いた話だと、寮長会議にはちゃんと代理としてリリア君が出席していて、彼伝いに了承を得ているとのことだった。

…一体彼に何があったんだ?と一瞬心配をする私を尻目に

肝心の竜の君はというと自室の君に「力でしか解決出来ないなら怪物じゃないか」と発破をかけられ腹をくくったのだろう。みるみる内に表情が変わり戦う意を決したようだ。

かくして、各リーダーにオルト君が首輪をつけた後、選手はコート真ん中の列に並ぶ。

獅子の君側のチームは
獅子の君、シルバー君、ジャミル君、フロイド君、エース君、デュース君、グリム君、そして私の計8人が、

竜の君側のチームは
竜の君、我が麗しの毒の君、薔薇の君、薔薇の騎士、ケイト君、ジェイド君、エペル君、リリア君の計8人だ。正直な話、寮長クラスの魔法力で暴れ回る毒の君、薔薇の君がいる時点でいくら竜の君が魔法が使えなかろうが圧倒的に有利と誰しもが分かる状況の中、私達反乱同盟軍の反乱作戦が幕を開けた。

正直、まだこの時の私達は思いもしなかったんだ。この決闘の結果が想像以上の影響を世界にもたらすことになるなんて!!

第十一章「決闘ハ繚乱ス」

結論から言えば私達は、想像以上の結果を出てしまったのだ。

まず始めに 各リーダーの魔法封じの効果が凄まじかったのだ。当たり前だが魔法でディスクを動かすマジカルシフトにおいて魔法を封じられるというのは実質ディスクを持てず試合に参加出来ないのと同義だ。はじめ、竜の君はここらへんの齟齬を真に理解しきれておらず、自らの体術で賄おうとするかのようにコートを縦横無尽に駆け抜けるものだから、竜の君チームは混乱する。

私達獅子の君チームはその混乱に乗じて得点を重ねていくうちに前半戦終了。
後半戦になると竜の君も落ち付き指揮を取ろうとするのだが、いかんせん選手との連携が取れていない。
敵チームとして参加している私ですら、リドル君やヴィルが竜の君に指示を求めるも困惑している姿を何度も捉えた。
そうこうしてるうち、グリム君の飛ばしたディスクが在らぬ方向へ行き監督生に直撃しそうになってしまう。監督生を護りたい気持ちのあまり、魔法封じの首輪を弾き飛ばした竜の君はこれまでのストレスをエネルギーに魔法で試合を蹂躙しようとしてしまったのだ。
結果は無論竜の君は失格という形で即座に決闘試合は終了。というあまりに煮えきらない形で幕を閉じたのだ。

試合終了の笛が鳴り響くとあたりは静まり返った。獅子の君の勝利に喜び合えるムードとはとても言えなかった。観客席の方に耳を傾けると困惑を隠せない様子が窺える。
無理もないだろう私達ですらマトモな試合を想定して念入りな連携の練習をしてきた。竜の君のチームにも同様の時間は与えられていたはずなのにこれではまるで…

そんな、何とも言えない騒然とした空気の中決闘が終了するかと思った矢先、薔薇の君が「待った」と静止をかけてきた。
なんと、今回の試合に納得がいかない薔薇の君は、竜の君を外し、自分がリーダーとして動く形での再決闘の申し込みを獅子の君にした。
しかも「力を封じた貴方に勝っても意味はない」と獅子の君の魔法封じを取り外す形で。
獅子の君もちょうど暴れ足りなかったんだとばかりに決闘を了承。
力量を考慮しグリム君を外すという決断し、改めて正式な7人対7人のマジフト決闘をすることとなったんだ。
この薔薇の君チームvs獅子の君チームの決闘試合は白熱した。

先程の混乱は何だったのかと言わんばかりの薔薇の君チームのプレーに、私も一選手としてとても心が踊った。観客も寮長や副寮長クラスの魔法士の華麗な魔法の技に魅了され声援が試合が進むにつれ大きくなっていく。
正攻法に強い、前衛を薔薇の君主体、後衛を毒の君主体として動く王道プレイが見ものの薔薇の君チーム。
私、フロイド君、シルバー君というフィジカルが強いメンバーを主体にジャミル君が調整役となって奇策を繰り広げる獅子の君チーム。
お互いの強みを存分に使いながらどちらが勝つか分からない攻防戦の果て
私達獅子の君チームが勝利をもぎ取ることが出来た。
正直勝った時にはもうこの試合がT V中継される本番ではなくただただリーダーを決めるための決闘だったことを忘れて勝利の喜びに震えてしまったよ。思わず誰かとハグしたくてフロイド君の元に駆け寄ろうとしたら逃げられてしまって途中からコロシアムの中で追いかけっこになってしまったよ。
ふと、コロシアムの真ん中を見やれば薔薇の君と獅子の君。両者がいい試合だったと皮肉混じりに健闘を讃え合っている。
観客も、今回のマジフト学園対抗戦の華麗な選手たちのプレーを讃えていた。
普段は素直ではない生徒達も「いいプレイだったぞー」「いいぞもっとやれー」などなど心良い声援をかけてくれている。中でも総合的な魔法の実力は圧倒的に薔薇の君のチームが上な中、マンプレーではなくチームプレーで勝ちをもぎ取った獅子の君への賞賛は凄まじく。
天才司令塔は健在だった。やら
三年前にRSAに勝てるかもしれないと期待させたかの名プレイを思い出した。
などなど色々な声が聞こえてくる。
観客の声援でなかなか場が収まらない中そろそろ閉めないとですよと黄金の君を努力の君が嗜め始めたその時。

突如として大きな雷鳴の音が鳴り響いた。  

第十二章「雨」

無論雷鳴の元は竜の君であった。
彼の表情は怒りと悲しみに満ち溢れていた。

この時私はようやく思い出したんだ
「これは竜の君と獅子の君の決闘だった」と。 皆がどうであったかは分からないけれど、少なくとも私はあまりにも薔薇の君対獅子の君の試合が白熱しすぎて竜の君のことが蚊帳の外になってしまっていた。

彼の傍らには尻餅をついたシルバー君がいた。
どうやら先程の雷は彼とのやり取りにあたり放たれたもののようだ。
これは後々シルバー君に聞いた話だったのだがシルバー君は竜の君に「あなたの敗因は一人で戦おうとしたことだ。これを機に皆で戦いましょう」と手を差し出し、和解を持ちかけたようなんだ。
ただ、その言葉は竜の君にとって何か逆鱗に触れたようでね。
本能的に放たれた雷鳴は真っ直ぐシルバー君に向かい彼の手を傷つけた。
そして、更に手を傷つけたしまったのがきっかけだったのだろうか。
竜の君は明確に暴走し始め、コロシアム一帯は雷でおおわれていった。
その威力たるや、観客席の人々が身動き取れなくなるレベルだ。
この様子では恐らく、スマートフォンは無論、撮影のために用意されたありとあらゆる電子機器が命を終えてしまったであろう。今からイグニハイド寮生の悲鳴がそうぞ出来てしまうね。
観客は身をかがめ自身が感電しないよう伏せることすらできなくなった。
その光景は、まるで孤高の王を前に平伏す民のようだった。
私が不謹慎にも美しい光景だと思ってしまった矢先、ふと、嗅ぎ慣れてしまった嫌な匂いが鼻腔を掠め現実に引きもどされた。
ブロッドの瘴気だ。
そして私が瘴気に気づいたのとほぼ同じタイミングだっただろう。
監督生の叫び声と唸る獣の声が聞こえた。
以前タルタロスの中で話した「グリム君の本能」の話が思わず頭をよぎる。
まさかとは思うがグリム君は本能を呼び覚ますのはブロッドの瘴気なのだろうか?
いやそれ以前に、竜の君はオーバーブロッドに至りかけているのではないか?

皆が身動き取れない中。グリム君は雷をものともせず竜の君に近づいていく。竜の君はまだオーバーブロッドに至ってないようだが時間の問題のように見えた。
私の本能があの二人が邂逅した瞬間が命の終わりだと告げている。もう誰にも止められないと諦め衝撃に備えた。
しかし衝撃はいつまでたっても訪れなかった。
顔を上げればいつの間にか竜の君は居なくなっており、グリム君も昏倒していた。
一体何が起こったのだろうか?まるで映画のフィルムの一部が抜け落ちたかのような急展開からの事態収束に、私は目を白黒させることしか出来なくなった。

ほどなくして、雨が降り始めた。
黄金の君から改めて決闘終了を宣言し、勝者たる獅子の君の宣誓が始まった。
夕焼けの草原には、王の宣誓は雨の中で行われたという伝承がある。
今、雨に打たれながら勝者として、いや王者として学園対抗戦に向かっての意気込みを述べていく獅子の君に、私は伝説の王の姿を重ね見た。

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