【#原典の勇者】突然だが本編の振り返りをやるよ②

どうも皆様ごきげんよう。
圧倒的第二弾。
嵩音ルイです。

振り返り第二弾。
次の3,4話なんですが、少々特殊な事情があったりしました。

◯伯爵の町ヒュマホワイト

ベニオットと同盟を結んだオティス・アニの一行が、貴族領有の町へと訪れる話。

病に臥せる伯爵に変わり、好き勝手に暴虐を振るう伯爵夫人。
町のお金を私利私欲に使い、気に入った町民を無理矢理取り立てようとしたり気に入らない店を潰そうとしたり。

書きたいものを書いたなぁ、と見返してて思った作品ではあります。
コテコテの嫌な貴族。
病弱な男と勝ち気な女のカップル。
1人の男を巡り争う権力者と町民。
伯爵夫人の妄執は、果たしてどのような結末を迎えるのか。

書き出してみるとこう、わかりやすいというか。ぶっちゃけ勝ち気な女の子ことジャックが書きたかっただけなのでは?って気もしますが。

町名の「ヒュマホワイト」、「ハック」伯爵、「イハク」伯爵夫人。
これらの名前はどれも「伯」という字より名付けています。

伯→人白→ヒューマン、ホワイト→ヒュマホワイト
はくしゃく→ハック
伯→イ白→イハク

僕の名付けはいつもそんな感じです。

アジー→アジール(聖域)より。犯し難い存在、みたいなイメージ

ジャック→「男みたいな名前」を意識しつつ、若輩者や弱者とかの「ジャク」をもじってます。身もふたもない名前。

ジャックはなんか思ったよりも気に入ってしまった子なので、後々の回で再登場を果たしたりします。乞うご期待ってね

◯地図に載らぬ町ノームーン

森林の町で猛威を振るったデュラハンを追う勇者一行。
情報屋イフォニに誘われ、情報収集のためにと訪れたのは日の差さない町ノームーン。

スラムが発展してアングラな集落になった結果、町としての機能を辛うじて得たような場所です。
そんなところをいちいち地図に明記することもないので、見かけ上は「存在しない町」です。

当然秩序などなく、様々な犯罪が横行している町で、そこでいつものようにオティス一行はトラブルに巻き込まれるのでした。

やっぱりこういう町ってね、楽しいんですよね書いてて。
声劇台本というものを考えた時に、さっきのヒュマホワイトも然りですが「現代社会ではやれないこと、言えないことができる」というのがこういった作品の楽しみ方なのだと思っています。

なのでとにかく、思いつく「性格の悪い展開」を色々ぶち込みつつ。
勇者達はとりあえず次の旅に迎える程度の救済はありますが他の人たちはまぁ…どうでしょうね?という味付けです。

みんな好きでしょ、アングラなヤクザみたいな役とか。
高慢ちきな女とか。
悲劇のヒロインとか知った風な少年とか。

なんかこう思うとだいぶみんな個性的だな?

さて、名の由来ですが。
ドレイク→奴隷を使役するから。かっこいい響きにしたかったのはある
サライ→攫われたから。身もふたもない名前。
シジュン→愛のために死に殉じたから。身もふたもry

***

とにかくこの2つの話に関しては「勇者特権」というものの悪露的な影響についてを描いています。
魔龍を討つべく立ち上がった勇気ある者に与えられる称号と特権。
正しいものが使えば英雄になり得るが、悪逆の徒が持ってしまえば邪智暴虐の君主にしかなり得ない。
しかもそれが、基準さえ満たしてしまえば公的に認められてしまうわけですからね。
恐ろしいなぁ(他人事)。

そんなわけで話としての面白さを意識しつつ、原典の勇者という作品のディテールを増すような話になっているわけですが。

なぜそんなことができたかというと、「ヒュマホワイト」「ノームーン」のエピソードが本編執筆完了後に生まれた追加シナリオだからですね。

本編を最後まで書き切った時は前回の「森林の町」の話から、次に振り返る予定の「炭鉱の町」に繋がる流れにしていました。

「この間にエピソードいくつか持ってきてもいいんじゃね?例えばこういうのとかさ」と相棒ことライバルこと師匠こと白鷹が提案してくれたんですよね。

そのネタを受け取りつつ、嵩音ルイなりに味付けをして書いたのがこの二作です。
外から見た原典の勇者の枠組みを尊重しつつ、さらなる味を持たせてくれる提案をしてくれたわけです。
ありがとうね。今見返してみたけど普通に面白かったや。

せっかく追加で書くのでフラグを巻いたり説明を足したり、次のエピソードと辻褄が合わなくなってはいけないのでせっかく手にした大金を放出する羽目になったり。

そんなお話でした。
台本慣れしてから書いたこともあって、結構やり応え読み応えのあるシナリオになっているかと思います。

さて、次はいよいよ炭鉱の町。
何故かファン人気がすこぶる高いことで有名なキバイラの初登場シナリオについて振り返ろうかと思います。

また次回。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?