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USB Type-Cを調べたはなし

はじめに

 主に使ってるのがiPhone/iPadだけだったからLightingケーブルしか持ってなかった。とはいえ最近はUSB Type-C製品を持つようになってきてAmazonで購入するときに関連単語が多すぎてワロエナイ...
 よくわからないまま買うのも癪なので仕様を調べた上で、購入するときにここを見ればええんや!というところを整理することにした。仕様がカオスすぎて多くの人がすでにまとめてるが、自分で整理すると見えてくるものがある。

USB Type-Cの性能分類

まずType-Cというのは形状の規格のことで性能は様々。
色々調べた感じだと性能は3観点で考えられるぽい。

データ転送
  関連ワード:USB規格(USB2.0やUSB3.1などの)
給電
  関連ワード:W(消費電力)、V(電圧)、PD充電
映像出力
  関連ワード:オルタネートモード

正確には給電性能はUSB規格の影響を受けるが、今回はType-C特化の話で規格の話をしたいわけではないので一旦別軸で考えられるとする。

データ転送性能

 データ転送はUSB規格が重要で、USB規格でよく聞くのはUSB2.0、USB3.0、USB3.1、USB3.2あたり。
3.1と3.2あたりになるとさらにGen1とか内部で世代分けされている。最高にわかりにくい。

◆ 規格で定義されている転送最大速度 by wikipedia参照
USB2.0 → 最大0.48Gbps
USB3.0 → 最大5Gbps
USB3.1 → 最大10Gbps (正確にはUSB3.1 Gen2)
USB3.2 → 最大20Gbps (正確にはUSB3.2 Gen2x2)

 USB2.0といえば古くからあるやつでマウスとか小物系でよくある。
USB3.0は外付けHDDでよく見かけた気がする。最大性能なので実性能は10倍速いというわけではないようだが。

 さて、USB Type-Cというのは形状(規格)の話なので、USB Type-C(USB2.0規格)が存在するということであり、つまり、速くないType-Cは存在する。外付けストレージとかAndroidでデータ転送したいときなどにはよく見たほうがいいんだろう。

給電性能

 Android端末、任天堂Switch、MacBookなどは充電するときにType-Cを利用されている。Type-Cってことは相互に使い回せるってことやな!と思ったがそうでもなく、消費電力であるW(ワット)次第となる。

◆ 消費電力W(ワット)とは
「消費電力(W) = 電圧(V) x 電流(A)」で計算ができる。極論、大きいほうが上位互換性があるぽい。ACアダプタとかをみると「出力:5V=3A, 9V=2A」とか書いてあり、それぞれ15W、18Wということになる。

Android系は18W、Switchは39W、MacBookは60Wあたりなので、Android充電で使っている充電器でSwitchに接続しても満足に充電ができないということになる。(パワー不足なだけでできないこともないみたいだが)

そしてType-C製品にはPD(Power Delivery)充電という単語が出てくる。
簡単に言うと消費電力Wが大きいものが利用できるというものらしい。

PD非対応
 5W(5V=1A)、10W(5V=2A)あたり。
 少し古めのiPhone, iPadは5V=2.1Aとか5V=2.4Aの独自規格利用らしい。
PD対応
 18W(9V=2A)、39W(15V=2.6A)など最大Wが18W以上が多い。
 複数の電圧Vに対応できる(5V、9V、15V、20Vあたり)。
 最近のiPhone, iPadはPD対応していて、付属品もこちらになってきてる。

このUSB PD規格というのはType-Cのみ利用が可能で、給電側、ケーブル、接続先すべてがPD対応されていないとダメ。

◆ 給電側(USBポートの充電器)を見る観点
・Type-Cポート&出力欄を計算して18W以上ならまずPDである
・Type-Aポートは無条件でPDではないといえる
※ QuickCharge(QC)という別規格対応で"急速充電"と書かれている製品があるのでPD対応という単語か、形状&消費電力を見たほうがよさそう
◆ ケーブルを見る観点
・両端がType-Cである、ならPD対応である
・Type-C⇔Lightingという頭おかしいiPhone11付属ケーブルはPD対応
・片方がType-Aなら無条件でPDではない
・性能には標準の3A(最大60W)と5A対応(最大100W)があるが、
 Type-CなハイスペックPCくらいしか60W超えはなさそう
◆ 接続先(携帯とかPC)を見る観点
・Type-Cかつ18W以上ならPD対応といって良い
※ 給電のときと同様に"QCのみ対応"でも急速充電という単語が使われるぽいので単語だけで判断するのは死亡しかねない。ちゃんと形状を確認したほうがいい

PD充電自体はUSB3.1のときに生まれたみたいだがUSB2.0でも対応されるとかで結局USB規格に紐付かないみたいなので、結局USB規格とは別軸の関係性になった模様。

映像出力性能

 ディスプレイ接続といえばD-sub、DVI、DisplayPort、HDMI、Thunderboltとかだったが最近はType-Cが利用できる事が増えてきた。そして映像出力をするにはオルタネートモード(Alternate Mode)対応が必要らしい。
 調べると色々あることがわかるが、非常に残念なことにだいたいの製品仕様に詳細情報が全然書いてない。そもそもType-Cケーブル使い回すことあるか?という気もすることを踏まえてちょっとだけ整理すると

・ディスプレイ付属のType-Cケーブルであればまあ使えるんだろう
・Type-Cポートがあるからといって映像出力ができるわけではない
 例:Androidの多くはできないぽい。Switchは条件次第でできるらしい。
・Thunderbolt3対応と書かれているのは明確に高性能で、ディスプレイ側に書いてあるなら必要なんだろう

つまり?

Type-Cは色々できるからこそ複雑すぎる!

◆ データ転送
USB規格が新しいほうが速い。外付けストレージ使うなら気にするべき。
Type-CでもUSB2.0の低速なものは存在する。

◆ 給電
PD充電というのは所詮18W以上対応可能かどうかである。
「接続先(端末)の要求消費電力」と「充電器の出力」が大事。
ケーブルはType-C同士なら5A(100W)が最強で、Type-Aなら18W未満確定。

◆ 映像出力
充電用のType-Cケーブルは使えない可能性がある。
ディスプレイがType-Cなら付属品を使えばなんとかなるはずだ!
Type-Cポート付き製品がディスプレイ出力できるかの判断は難しい。

 データ転送速度に影響するUSB規格がその他性能に直接紐付かないという衝撃の事実ではあるが、新しい規格ほど対応している可能性は高い。(あくまで可能性)。
 Type-C関連で複数買う可能性があるのは主に給電だと思うので、特に充電器を買うときに何を見れば良いかがわかるようになったのがでかい。ケーブルだけに限れば最上位全部入りのものは便利だろうが、ポート側の仕様も把握しないと結局使いこなせない。


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