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境界線は もう分からない。 そんな感じで 限界集落。 あの日のよう 休息も 許されない ‥ 先人の視点。
木々の間を 徘徊する。 そんな感じで 森の中に 突如現れた 一軒家。 振り返り 思い描く 顔も知らない ‥ 安藤さん。
俗界を離れた 山頂を目指す。 そんな感じで 誰も知らない 仙境の地。 不老不死は 存在しない ‥ 仙人尽きる。
お隣さんも 誰もいない。 そんな感じで もう見えない 遠い日に 目を向ける。 揺り椅子で 赤児を抱いて ゆらりゆらり。 お隣さんは 引きこもり ‥ のらりくらり。
世にいない 昭和中期に 生きた人々。 そんな感じで 長年に亘る 無住の屋敷は 趣を異にする。 山腹の斜面に 時代の波は 届かない。 今に遺る ‥ 千古の残痕。
近所住民 触らぬ神に 祟りなし。 そんな感じで 異彩を放つ 蛻の殻に 潜り込む。 主人の遺品 箱型テレビは カメの親子。 紅白裏番組も ‥ 見逃さない。
旅先にて 期せずして 迷い込む。 そんな感じで 草木の葉は 誰しも 寄せ付けない。 内から見る 外の世界は 全景翠色。 客間に独り ‥ 此方隔絶。