2/15 香川県庁舎が重要文化財になる
香川県庁舎が重要文化財になりました。建築家の林幸稔さんが詳しいお話を書いて下さっていたのでシェア。
私自身は、丹下健三の右腕といわれた神谷宏治さんの思い出も重なり、とても嬉しい。
この写真は2009年の神谷先生と私。ふたりとも若い!(笑)
【神谷先生】
神谷先生が丹下健三の右腕として香川県庁東館の建設にたずさわったのは20代。
その時の熱い思いも語りながら、建築無知の私のようなものにでも解るようにお話くださってから何年経つのだろう。
佐藤隊長が繋いでくれた #神谷宏治 を通し、私は、#金子正則 や #丹下健三 の建設に至るまでの思いを知り、県庁東館の虜になった。
その後も、神谷先生はお手紙をくださったり、本を送ってくださったりした。それを読みながら、建築家というのは、常に私たちの少し先を見ているのだなと知った。
華やかなる仕事の裏側にある、深い思考や広い視野は、現実をみながら希望や夢も必ず持つ。
お孫さんから、亡くなったご連絡をいただいたとき、最後まで高松のことを話しておりましたと聞いた。
きっと、#林幸稔 さんのことも話していたに違いない。
丹下健三は、古くなれば壊して建て直すではなく、現状に合わせリノベーションしながら使える建物として設計したと神谷先生から聞いた。
香川県庁東館が重要文化財になり保存される。次は、金子さんがここを建てるとき考えた「#開かれた県庁」になることを願っている。
そういう形で、この建物は生まれたのだ。
……………… 林幸稔さんのfacebook
「香川県庁舎」が、国の重要文化財に指定されました。
戦後の建築界の課題として、鉄筋コンクリートという新しい技術を用いた、日本的な執務空間、つまりオフィスビルの在り方を模索していました。
その日本的な構造美を表現した「庁舎建築」としての最高峰が「香川県庁舎」なのです。
「香川県庁舎」の計画は、猪熊弦一郎さん、金子正則元知事、丹下健三さん、浅田孝さんをはじめとする丹下研究室のメンバー、現場を担当した神谷宏治さん、そして、師山本忠司の並々ならない熱意と情熱が、傑作へと導いたのです。
2013年、丹下健三生誕100周年の年に、丹下健三初の回顧展が香川県立ミュージアムで企画され、2006年に始まった香川県建築士会による講演会の講師として、丹下研究の第一人者 藤森照信氏と、丹下研究室で「香川県庁舎」を担当し、大阪万博まで丹下健三の片腕として活躍した神谷宏治氏が登壇することとなり、ぼくにコーディネーターの重役が回ってきました。
師山本忠司は、「建築とアートの聖地 香川」の端緒となった「香川県庁舎」に強い思い入れがあり、ともに現場で協力し合った神谷さんのことを、まるで戦友のように特別な思いをもって話していました。これは、「恩返し」だなと腹をくくり、とにかく丹下健三の人となり、そして、「香川県庁舎」への道程をメインに流れを組み立てました。
事前に、神谷さん藤森さんに流れを伝え、神谷さんからいくつかのリクエストがありましたが、かなり丁寧な準備が出来たと思います。
講演後、両先生にはお褒め頂き、苦労した甲斐があったな、また、少し恩返しができたのかなと思いました。神谷さんは、残念ながら、1年後には鬼籍に入られました。
2019年末には免振耐震改修も終え、長らく放置されていたピロティ天井部の木製ルーバーも復活し、手摺が新たに取り換えられ、来年で65年を迎える「香川県庁舎」は、今でもとても美しく、見るたびに、新たな熱量をもらえる建築です。
2013年の講演録です。ぜひ、ご一読ください。
https://kenzotange100-kenchikunomirai.jimdofree.com/
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